ザッツ

ザッツについて

ホンダのフラグシップ車であるライフをベースにしながらも、シンプルさを追求した新しい軽自動車が、2002年2月に本田技研工業株式会社から発売されたザッツでした。特に普段使いに重きをおいた気軽に使えるクルマというメインコンセプトがあり、コンセプトに従い設計が行われました。「さり気なく使える日常的な身の回りのモノ」という基本テーマはエクステリアやインテリア、その他装備にも表現されています。基本は、角でありながら丸みを帯びたラウンドスクエアデザインを採用しており、一体感を持たせたガラスエリアとの組み合わせで造形されるエクステリアは、白物家電的な雰囲気を醸し出しており、より身近に感じるデザインとなっていました。また、合計14色ものボディカラーが展開されており、個性を発揮できる自分だけの乗り物という感覚が一部個性を主張したい若者世代に支持された要因でもあります。インテリアもシルバーとブラックを基調としたシックな様相を呈しており、シートにはザッツのタブが付くなどデザインも細部まで練り込まれた出来となっています。また気軽な乗り物というコンセプトですが、エンジン周りもしっかりしており、パワートレーンは、PGMFIでマネージメントされたE07Z型の直列3気筒SOHC・12バルブ656ccとなっており、自然吸気の52psとターボの64psと市街地使いには充分すぎるほどのパワーを発揮しました。それぞれにFWDと4WDがラインナップされました。組み合わされるトランスミッションは3段ATのみとなっており、シフトはライフ同様コラムに配されています。 2006年3月には、ゼストの発売に合わせてザッツは縮小する方向のマイナーチェンジが行われました。エンジンは、ターボを廃止しており、自然吸気のみの展開となりました。また、フロントグリルをスモークドメッキへと変更し装いを新たにしたほか、マニュアルレベリング機構付きヘッドライト、サイドターンランプ、ハイマウントストップランプを採用しています。ボディカラーは、全5色に整理されておりバリエーションの幅は下がった形となります。 2007年9月に生産を終了しており、同年の10月にはラインナップから除外され販売も終了となり、短い歴史に幕をおろしました。 ザッツの名前は、英語のThat isの短縮形から来ており、気軽にあれだと親しまれるような存在になることを願い命名されました。