シトロエン

シトロエンの特徴

1919年にフランスで誕生したシトロエン。その名前の由来は、創業者であり実業家、ユダヤ系をルーツに持つアンドレ＝ギュスターヴ・シトロエンです。第一次世界大戦中にフランスでの技術将校だった彼は、兵器の大量生産のビジネスで財を成し、その資金をベースに自動車業界へと飛び込みました。1930年代にはヨーロッパを中心に大衆車メーカーとして地位を築いたシトロエンは、フランス国内では第1位、世界でも5本の指に入るほどの大企業に成長しました。 第二次世界大戦により壊滅的な状況に陥ったフランスでしたが、シトロエンはその後も自動車開発を続け、イタリア屈指の自動車メーカー「フィアット」や、高級スポーツカーで有名な「マセラティ」とも提携することで業務改善を図りました。現在は1976年より、同フランスの有力自動車メーカー「プジョー」の傘下にて、「PSA・プジョーシトロエン」のアライアンスを形成しています。 「10年進んだ車を20年間作り続ける」ともいわれるシトロエンは、その先進技術で有名になりました。1955年に発表された「シトロエン・DS」はその代表例で、「ハイドロニューマチック」と呼ばれる特徴的なシステムを使用しています。これは、窒素ガスを気体バネに用いて高圧油圧制御する独自開発のサスペンション機構で、乗り心地と運転の安定性を高めました。その2年後には、DSの廉価型である「ID19」が発売され、フランスの大衆車として一気に浸透。当時の大統領をはじめ、政府の要人の公用車としても使われるようになりました。なお、フランス大統領の就任パレードでは現在でもオープンカーを使用していますが、その提供は伝統的にシトロエンが担当しています。 旧来からレーシングカーの開発と生産が盛んだったシトロエンですが、近年では電気自動車の開発にも乗り出しています。2012年には、リチウムイオン二次電池を使用した電気自動車「三菱・i-MiEV」のOEMである「シトロエン C-ZÉRO」を使用し、8カ月で17カ国、合計25,000kmを走行する世界一周旅行が実行されました。フランスから北米大陸など様々な地域に訪れるこの世界一周旅行で、かかった電気料金は約250ユーロ・日本円にしてたったの約33,000円！日本のメディアからも取材を受けるなど、日を重ねるにつれて多くの方から注目されるようになりました。充電と運転を繰り返すこの世界一周旅行を通して、電気自動車の普及促進を行うシトロエンは、環境問題に対する意識も非常に高い会社だと言えそうです。