ゼネラルモーターズ

ゼネラルモーターズの特徴

アメリカの超大自動車メーカーゼネラルモーターズ（General Motors Company）。自動車産業草創期を牽引した最強の自動車メーカーフォードの牙城を崩し、全米シェア一位を獲得するなど、栄華を極めました。フォードとゼネラルモーターズの攻防は、経済面でも、歴史面でも多くの人の関心を引き付けました。自動車市場に、低予算志向から高級志向まで、幅広いニーズがあることにいち早く目を付け、キャデラックやシボレーなど、さまざまなブランドラインを展開、ローンで車を購入できるようにするなど、巧みなマーケティング戦略でアメリカ自動車市場の頂点へと昇り詰めました。 車体が大きく高馬力、現在のアメ車の概念を世に植え付けたのはゼネラルモーターズです。エスカレードやコルベットといった、人気車種を展開、世界中に根強いファンを持つに至りました。100か国以上に展開し、ディーラーの数は約2万か所とも言われています。アメリカ経済の中でも一際存在感の大きい自動車市場、その自動車市場の頂点にあって、桁違いの営業規模を有していましたが、それが災いし桁違いの損失を生むことになります。 2000年代前半まで自動車市場の王者として君臨し続けましたが、燃費の良い、コンパクトな車が求められる時代に対応できず、栄華に影が差し始めました。そして2007年、世界金融危機に端を発する世界的な不況の影響もあり、崖から落ちたように低迷、玉座をトヨタグループに譲るのみならず、数兆円にも及ぶ赤字を計上し、栄光の歴史に幕を下ろしまし。アメリカ政府の必死の介入により、国有化・再建し、再び進みだした現在、キャデラック、シボレー、GMC、ビュイック、その他数ブランドを展開しています。 ブランドラインの1つ、キャデラックはアメリカ大統領専用車を制作するなど、高級車の代名詞とされています。マッカーサーなどもキャデラックを嗜好したとされています。政府高官など硬い人物が嗜好するようなモデルだけでなく、若者のあこがれとなるような前衛的なモデルも制作しています。映画にでてくるような特徴的なフォルムは、今でもなお一定数の支持を得ています。エルビスプレスリーなど、世界中に名前を轟かせたスーパースターが愛用していたこともブランドイメージの構築に大きく寄与しています。1960年前後の時代を代表するような鮮烈なデザインは一度見たら脳裏に焼き付き離れません。時代を代表するだけではなく、アメリカをも代表するアイコンとなっています。