プジョー

プジョーの特徴

「ベルフォールのライオン」と呼ばれる、後ろ足で立ち上がるライオンをかたどった企業ロゴでおなじみのプジョー。1889年のパリ万博にて、蒸気機関による動力をもとに動く三輪車を発表したことがその始まりだとされています。当時その三輪車が発売されることはありませんでしたが、翌年から開発が始まったガソリン車のベースとなりました。 第二次世界大戦後の1948年には「プジョー・203」を発売。エンジンにターンフロー・ヘッドに替えて吸排気効率が高くなるクロスフロー・ヘッド型を採用しているこの車は、1960年まで生産され、1950年代前半に朝鮮戦争に伴う特需景気の影響を受けた日本へも輸入されました。 その後は直線的なフォルムの自動車が多くなったプジョー。自動車デザインを専門で行うイタリア企業「ピニンファリーナ」がデザインし、1960年に発売された「プジョー・404」はその代表例で、そのデザインだけでなく、高い耐久性と乗り心地の良さが高く評価され、ロングセラー商品となりました。また、ケニアなどで開催されるサファリラリーでも好成績を残していて、1960年代に4度の優勝を果たすなど、その丈夫さは広く認められています。 その後も他の自動車メーカーを傘下に置くなどの戦略的な成長を進めつつ、1968年には「プジョー・504」を発売。これは中流階級の人々にターゲットを絞ったモデルで、翌年の「ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど狙い通りの売り上げを達成しました。また、他のプジョー社と同様に日本での販売も行われたほか、悪路にも強いためアフリカや南米での売り上げも好調で、2006年までに累計で370万台を売り上げました。 現在では企業グループ「PSA・プジョーシトロエン」を形成する中心の役割も果たしているプジョー。名義上は別の会社ではありますが、「プジョー・モトシクル」では「スピードファイト 125」「シティスター 125」などの自動二輪製造も行っています。近年では2009年にクロスオーバーモデルSUV「プジョー・3008」を発売し、2016年に発売された2代目モデルが、同社では5台目となるカー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。ワゴン車・SUV車の魅力を取り入れたこのモデルは、プジョー・シトロエン・ジャポン経由で日本での販売も行われています。 古豪ともいえるプジョーは、伝統と革新を兼ね備えた商品を世に送り出し続けています。その製品には今後も期待が高まっていくことでしょう。