MBK

MBKの特徴

MBKはフランスに拠点を置く、バイク・自転車メーカーです。日本ではバイクメーカーとしてよりも、自転車メーカーとして知名度高いです。1984年にヤマハ発動機の傘下に入ったのを機に社名をモトベカンからMBKに変更し、現在ではヤマハのフランス現地会社的な立ち位置となっています。モトベカン自体は1923年設立と、自動車産業草創期のグループよりワンテンポだけ遅い発進でしたが、フランス国内のバイク市場では最大手の一角として、長年大きな存在感を放っていました。 自動車といえば誰しもドイツかアメリカを思い浮かべます。業界で幅を利かせていたドイツやアメリカ両国製には無い、エレガントなデザインが多くの人の心をつかみ、ヨーロッパ全土へとビジネスを拡大していきます。フランスのバイクの歴史はMBKの開発の歴史でもあり、今日にフランス車のイメージはMBKのフィロソフィーそのものだとも言えます。「フランス製」という名の一種のブランドの誕生に大きく貢献しました。 バイク産業草創期からしばらく経つと、バイクレースがしきりに行われるようになります。娯楽が非常に少なかった当時、バイク競技は大いに注目を集めした。一方でMBKを含むバイクメーカー各社にとってはこれ以上ない広告の場として利用されます。レースで活躍することが性能の証明となるので、各社こぞって技術開発に投資しました。バイク産業の非常に華々しい期間でした。各社発展・拡大を謳歌しますが、幸福な時代も永遠ではありませんでした。 1960年代には、一般庶民にも自動車が購入できるようになりました。バイクは自動車が購入できない層の移動手段とされていた当時、「自動車の方が上」という空気がありました。「自動車が購入できるなら自動車の方が良い」という層が自動車業界へと流れ、MBKだけでなくバイク業界全体がかなり厳しい状況へと追い込まれていきます。1964年になって、ついにバイクの製造を中止するなど、存亡の危機をも経験します。 自転車部門の奮闘の甲斐もあり、企業としては存続し、1969年には再びバイク製造を再開、現在までバイクの生産・販売を続けています。現在ではBooster、Thunder、Doodo、Skylinerが主力製品として比較的有名です。ヨーロッパでは排気量が小さい車両に対する排ガス規制が緩いことに目を付け、小型でパワフルな車両を展開、タフな性能を求めるユーザーに重宝されています。