ジャガー

ジャガーの特徴

インドの「タタ・モーターズ」傘下にて、「ランドローバー」とともに「ジャガーランドローバー」を形成するジャガー。その歴史は今から約100年前の1922年、イギリスにて設立された「スワロー・サイドカー・カンパニー」にさかのぼります。この会社は社名の通りサイドカーの製造を中心に扱っていて、そこから自動車のボディ修理・製造を行うようになったのが始まりでした。 その後は自動車の塗装などをメインに据えていましたが、1935年にボディだけでなく、エンジンなどの設計開発も自社で行った「ジャガー・マークIV」を発売しました。これがジャガーの始まりとされていて、立て続けにスポーツモデルの「ジャガー・SS90」や大型のヘッドライトが印象的な「ジャガー・SS100」を発表しました。第二次世界大戦の影響もあり、それほど多くの数が製造されなかったこの車は、現在でもその美しいフェンダーラインなどが人気で、状態が良いものは高値で取引されることがあります。 ジャガーの名を一躍有名にしたのが、1948年に発売されたツーシーターのスポーツカー「ジャガー・XK120」。最高速度が120mph（193km/時）に達することからその名をつけられたXK120は、創業者のウィリアム・ライオンズが持っていた「美しい物は売れる」との考えの通り、高いデザイン性が人気となりました。また、同時期に発売されていた「アストンマーティン・DB2」と比較しても安価だったこともあり、品質を重視するユーザーからの評価も獲得し、アメリカを中心に広く輸出されました。 1980年代はモータースポーツにも積極的に参戦し、1986年には2回目の出場となった「世界耐久選手権（WEC）」でシリーズチャンピオンを獲得、1988年には31年ぶりに「ル・マン24時間レース」に優勝するなどの結果を残しました。当時のジャガーは経営体質の悪化やオイルショックの影響から不調が続いていましたが、これを機に復活の兆しが見えたようです。 その後は1989年にフォード傘下に入ったものの、フォードグループの経営不振から2008年に現在のタタ・モーターズに買収されたジャガー。ランドローバーも含めた買収額は約23億ドルともいわれており、その規模には驚きです。様々な企業のもとを渡り歩きながらも、その独自の美的センスと商品のクオリティへの飽くなき探求は続いていくようで、その姿は多くの人々を魅了しています。