ミニ

ミニについて

現在ではミニといえばBMW社の自動車ブランドを誰しもが思い浮かべますが、もとはイギリスのローバー傘下の自動車メーカーでした。ミニは1994年のBMWによるローバー吸収以前はブリティッシュ・モーター・カンパニー（BMC）の大衆車として有名でした。 BMWのミニとBMCのミニを区別するために、前者をBMWミニやニューミニ、後者をローバーミニやクラシックミニと呼称します。本ページではローバーミニ、クラシックミニについて紹介します。創業は1959年で、当時はようやく一般庶民にも自動車が買えるようになった時代でしたが、1950年代半ばオイルショックが発生し石油価格が高騰、当時普及していた自動車の維持は大衆には困難となりました。大衆は排気量が小さく粗悪な性能の車を好んで選ぶようになりました。産業の衰退を憂いたBMCが庶民にも維持可能で高機能な自動車の開発へと乗り出します。 このとき与えられた開発の制約がミニのアイデンティティへとなっていきます。短いホイールベースにこんもりとしたキャビンの車両が完成・販売されます。まるでミニカーが自動車になったような、これまでにないユニークなデザインが多くの人に鮮烈な印象を与えます。次第にメディアに取り上げられるようになり、映画などにも登場するようになります。また、当時世界中の注目の的だったビートルズもミニを愛用していたことから、もはや「人気」の域を超え、60年代の「文化」として人々の生活に定着しました。 ニューミニも、ローバーミニのデザインを踏襲することで、何とも言えないクラシカルなイメージを演出しています。ローバーミニの初登場から半世紀経った現在でもなお、時代遅れの印象は一切ありません。むしろ古き良き印象が強調され、個性やこだわりを大切にする人から厚い支持を得ています。 ローバーミニを語るうえで欠かせないのがモーリス・ミニ・マイナーです。同メーカーのマークワンとなるモデルで、不要なものを一切排したミニマルなデザインが、当時革命的として大きな話題を呼びました。現在では自動車の博物館などで展示されるなど、自動車のデザインの観点から歴史に名を遺す名モデルとなっています。モーリス・ミニ・マイナーがイギリスのカーレースに出場した際に、実業家のクーパー氏の目にとまり、同氏の会社と共同でモーリス・ミニ・マイナーのアップデートプロジェクトが立ち上がります。これが現在のニューミニにも名を遺す「クーパー」の起源です。