フェラーリ

フェラーリの特徴

イタリア有数の高級自動車メーカー・フェラーリ。始まりは、レーシングドライバーだったエンツォ・フェラーリが設立していたワークス・レーシングチーム「ソシエタ・アノニマ・スクーデリア・フェラーリ」です。アルファロメオ経営陣とエンツォ・フェラーリとの対立などの紆余曲折を経て、1947年に正式な設立が実現しました。その前年からレーシングカー開発を進めていたエンツォ・フェラーリは、創業初年度に「フェラーリ・125S」を数台のみ生産。同じ年のローマグランプリで優勝を果たし、一気にフェラーリの知名度が上がりました。 その後も数々のレースに出場しては、タイトルを総なめにしてきたフェラーリ。スポーツカーレースでは最も古い国際レースで、シチリア島で開かれる「タルガ・フローリオ」や、24時間でのサーキット周回数を競うフランスの「ル・マン24時間レース」、フランス語で「フランス一周」を意味する「ツール・ド・フランス」などに数多く出場しました。 市販車としては「フェラーリ・250GTE」が広くその名を知られています。1960年に生産が開始された同車は、3年後の生産終了までに1000台以上が作られました。ティーポ128Eをエンジンに採用していて、現在の「フェラーリ・250GTO」が後継として認められています。「フェラーリ・250GTO」は2004年の「トップスポーツカーランキング」で、「マクラーレン・F1」や「ランボルギーニ・ミウラSV」などの強敵を抑え、総合1位に輝きました。1962年式のフェラーリ250GTOは、2014年のオークションで当時の史上最高値で落札されたことがあります。その値段はなんと3811万5000ドル（約39億円）！ 1969年には、イタリアの自動車メーカーであり「フィアット・クライスラー・オートモービルズ（FCA）」を率いるフィアットによって買収されたフェラーリ。経営安定のための苦肉の策ではありましたが、同社の名前と自動車は残り続けています。創業者であるエンツォ・フェラーリは、1988年の夏に90歳でこの世を去りました。イタリアでは、この偉大な国民的企業の創業者の死を受けて、全体が喪に服したとされています。 その後2000年代からは、強まった排ガス規制と世論の高まりを受けて、フェラーリも環境対策に本腰を入れるようになりました。2010年にイタリアの大手自動車部品メーカー「マニエッティ・マレリ」と共同開発した「HY-KERSシステム」はフェラーリ初のハイブリッド機能で、これを搭載した試作車「599 HY-KERS」は大きな話題となりました。常に進化し続けるフェラーリは、2009年に屋内テーマパークの「フェラーリ・ワールド」をアラブ首長国連邦のアブダビにオープン。スペインにも同施設を開業するなど、その独自路線は留まるところを知りません。