メルセデスベンツ

メルセデスベンツの特徴

高級車の代名詞的存在になりつつあるメルセデス・ベンツ。ドイツのエンジン設計エンジニアであったカール・フリードリヒ・ベンツが、妻ベルタ・ベンツとともにその礎を築き上げ、1926年に「ベンツ＆シー・ライニッシェ・ガスモトーレン・ファブリーク」と「ダイムラー・モトーレン・ゲゼルシャフト」の合併によりスタートしました。なお、後者を設立したのは、アメリカの油田開発を積極的に行い、内燃機関（エンジン）の原型を作ったとされるエンジニア、ゴットリープ・ヴィルヘルム・ダイムラーです。 他の民間企業同様にドイツに拠点を置いていたメルセデス・ベンツは、第二次世界大戦中にはアドルフ・ヒトラーの指示を受け、戦闘機のエンジンや軍用車両などを生産することになりました。メルセデス・ベンツは軍需品の生産で技術を蓄積する一方、アメリカやイギリスの爆撃の対象となったほか、工場は強制労働の現場とされていたため、敗戦後には多額の賠償金を支払うこととなりました。 復興までには長い時間を要したものの、SLクラスの初代モデル「メルセデス・ベンツ・300SL」を1954年に発表したのち、翌年には「メルセデス・ベンツ・300SLR」が世界スポーツカー選手権で使用されました。同車は実際には9台しか製造されなかったものの、2000年代には「SLRマクラーレン」などが製造され、300SLRへのオマージュ車となっています。また、スイスの高級時計メーカーであるタグ・ホイヤーも「カレラ300 SLR 1887 クロノグラフ」という、限定モデルの腕時計を発売しています。 メルセデス・ベンツの企業理念を表す言葉に「最善か無か」というものがあります。妥協のない車造りを目指していたメルセデス・ベンツは、その唯一無二のプライドから、誰にも真似できないクオリティの製品を数々送り出してきました。また、安全性能の改善も積極的に行っており、現在では当たり前になりつつある「サイドミラーのウインカーランプ」も、初めて導入したのはメルセデス・ベンツだったとされています。 日本においてもメルセデス・ベンツ車の販売は盛んで、輸入車新規登録台数は首位に立っています。その理由に、知名度はもちろんのこと、小型乗用車サイズの「メルセデス・ベンツ・Bクラス」から「メルセデス・ベンツ・Sクラスクーペ」などの高級モデルまで、幅広いニーズに応えられる商品展開をしているという点もあります。今後日本でも、メルセデス・ベンツの自動車を見かける機会はますます増えていくでしょう。