SLクラス

SLクラスについて

1954年に登場した「メルセデス・ベンツ・SLクラス」は、その2年前にフランスで開催された「ル・マン24時間耐久レース」や、メキシコの公道レース「カレラ・パナメリカーナ・メヒコ」で優勝を果たした300SLがそのベースになっています。ガルウイング式で開くドアは300SLが初採用したものとして、その後も多くのスポーツカーや高級車に取り入れられている派手な機能です。 その後は1963年に2代目が、1971年には3代目が登場するなど、メルセデス・ベンツの中でもロングヒットを続ける商品となっています。まさに「メルセデス・ベンツの顔」ともいえるSLクラスは1989年に3回目のフルモデルチェンジを果たし、4代目が発表されました。当時話題となったのが「ロールケージ」や「ロールオーバーバー」と呼ばれる構造。これは、車体が横転してしまった際に乗っている人の生存空間を確保するための補強用フレームで、４代目からは標準搭載することで安全性が高められました。 2001年には12年ぶりにフルモデルチェンジされた5代目が登場。このモデルチェンジで搭載された電子制御ブレーキシステムは、バイワイヤー方式によりブレーキングのスムーズさを保つ機能。電子制御により機能するこの先進システムは、ドイツ大手自動車部品メーカーのロバート・ボッシュ社との共同開発によって生み出されました。残念ながらこの新機能は不具合が頻発してしまったため、2004年にはSLクラスを含む680,000台をリコールすることになってしまいましたが、試乗したユーザーなどによると、その快適さは未体験の領域だったようです。 2012年には、最新型となるSLクラスの6代目が日本でも発売されました。アルミニウム製のボディシェルが使用されているほか、ルーフの一部にはマグネシウムが、「SL63 AMG」のトランクリッドには、航空機などでも使用されることがあるカーボン素材が用いられるなど、前代を上回る軽量化が徹底されています。エンジンは6リットルV12のツインターポ、4.7リットルと5.5リットルのV8ツインターボに合わせて、最高出力367psの3リットルV6ツインターボエンジンが用意されています。「アクティブ・ボディ・コントロール(ABC)」と呼ばれる機能が2015年のマイナーチェンジの際に導入されたほか、「マジックビジョンコントロール」も考案され採用されました。これは、フロントガラス下ではなくワイパーブレードからフロントガラスの洗浄液が噴き出るもので、ルーフが開いていても洗浄液が車内に入ることがない機能。まさに「ありそうでなかった」ものです。 メルセデス・ベンツの2シータースポーツカーの中でもトップレベルに位置する高級ロードスター、SLクラス。来るフルモデルチェンジはどのような仕様の変化があるのか、今から待ち遠しいですね。