Mクラス

Mクラスについて

5人乗りのクロスオーバーSUVとして1997年に登場した「メルセデス・ベンツ・Mクラス」。初代のはアメリカで生産されましたが、アラバマ工場で作られたこのシリーズは「アラバマ・メルセデス」と呼ばれ、その品質の低さが悪評となってしまいました。ヨーロッパ向けの同シリーズはオーストリアの自動車製造会社・シュタイアプフ(マグナ・シュタイア)社によって生産されていましたが、こちらの品質はアメリカ製よりも優れていたとのことで、日本人のユーザーの中にもわざわざこちらを購入する強者がいたそうです。 2005年にモデルチェンジされて登場した2代目は、先代の反省を生かして高級志向の強い一台に進化しました。レザーARTICO(人工皮革)を使用したシート・アームレスト・ダッシュボードや、アンビエントライト(間接照明)はラグジュアリー性を高めるのに一役買っています。また車体の「クロマイトブラック」は車の格を上げるような上品な色味で、走行時の振動や騒音もかなり減ったとされています。大きさは先代と比べて一回り程サイズアップしていて、電子制御システムのエアサスペンションを搭載しているので、車高の調整も簡単になりました。 フルモデルチェンジされた最新の３代目は2011年に発売され、「GLEクラス」の登場する2015年まで生産されました。3.5L・V6直噴ガソリンエンジンを搭載しているガソリン車「ML350 4MATIC ブルーエフィシェンシー」は、力強い走りと高い燃費性能を発揮します。「ML 63 AMG」に搭載された「 ECOスタートストップ機能」と「AMG スピードシフト PLUS」は、燃費の向上だけでなく環境への負荷も配慮されたシステムで、「平成21年排出ガス基準75%低減レベル (4つ星)」と「平成27年度燃費基準 +10%」の達成に貢献しています。また、同車にはLEDライトを内蔵したヘッドライトを搭載したほか、クロムアンダーガード一体型のリアバンパーを使用している以外には、先代のデザインをほぼ踏襲しています。内部のインテリアにも好評だった間接照明が継承されていて、ファンからは喜びの声が聞かれました。安全面では「アダプティブハイビームアシスト」という、夜間のライトの使用範囲を自動でコントロールしてくれる機能が搭載されたほか、マイナーチェンジによって、4台のカメラを使用して車外の周辺の障害物を確認できる「360°カメラシステム」を標準装備するようになりました。 2015年よりGLEクラスに移行したMクラスですが、メルセデス・ベンツの発展の礎として、今後もその名は継承されていくでしょう。Mクラスでの研究の成果をベースとして、今後も走行性や安全性の向上と、低燃費システムの研究が進むことが望まれています。