Gクラス

Gクラスについて

1979年に登場した「メルセデス・ベンツ・Gクラス」。そのGは「ゲレンデヴァーゲン」の頭文字で、ドイツ語の「土地、山野で走る乗り物」、つまりオフロード車を指しているそうです。GクラスのW460型が発売を開始したのは1981年で、オーストリアで軍用の武器や自動車を専門に製造していた「シュタイア・プフ」社との共作でした。その名の通りもともとは軍用車であった自動車を、一般の市民でも乗ることができるように作り変えた商品をリリースしたのが始まりでした。日本にはその4年後の1983年に輸入され、エンジンに水冷直列5気筒SOHCを搭載した300GDやステーションワゴンタイプが市場に出回りました。 4WDブームをけん引した三菱自動車の「パジェロ」にも負けず、マイナーチェンジによってメカニズムの改良を重ねてきたGクラス。頑丈なボディや内部のインテリアもだんだんと充実してきたこともあり、車を買い替えても、常にベンツのEクラスを選ぶというヘビーユーザーも中にはいるようです。 古くから販売されている「メルセデス・ベンツ・230G」は、その堅牢さが買われて「パパモビル」としても使用されることがありました。これは、ローマ教皇が市街地の市民のもとに訪れる、パレードのような際に教皇が乗る自動車のことを指しています。上部を改造して作られる230Gのパパモビルは、教皇の安全を守る自動車として何度も採用されていて、その信頼されている様子がうかがえます。 2018年1月には自動車産業の街・アメリカのデトロイトで開催された北米国際オートショーで、「W464型」が発表されました。車幅・車長が拡大された結果、車内空間が広々としているものの、ボディーにはアルミニウム素材が採用されて軽量化が図られ、変わらぬ操舵性を保っています。またヘッドライト・リアコンビネーションランプにはLEDライトが使用された上に、「レーダーセーフティパッケージ」などの安全装置も充実しています。 4月には特別仕様車「G 350 d ヘリテイジ・エディション」などが発売されました。これは日本限定モデルとなっていて、ブラックペイントの18インチ5ツインスポークに外観をリニューアルしたほか、ボディカラーも5色から選択できるようになっています。また本革が使用されていている座席にはシートヒーターも搭載されていて、真冬や寒冷地の移動も想定された仕様になっています。 熱烈なファンによって支持されているGクラス。たくましさと先進性を融合したこの一台には、他社には真似することのできないメルセデス・ベンツのエッセンスが詰め込まれています。