Vクラス

Vクラスについて

メルセデス・ベンツ唯一のミニバン車「メルセデス・ベンツ・Vクラス」は、1996年に発表され、日本では1998年に「V230」が発売されました。3列シートで定員6～7人の同車は、海外では救急車にも使われていて、2003年には小型ミニバン「バネオ」と同時に大型ミニバン「ビアノ」が発表されました。ビアノは3.2リットルV型6気筒のエンジンを搭載していて、採用されているスライドドアは荷物の出し入れや乗り降りのしやすさが人気です。 2006年にはVクラスという名称に戻され、V6エンジンは3.7Lに排気量が増やされました。同車は特別仕様車をたびたび発表しており、「V350 AVANTGARDE EDTION 125」「V350 Black Edition」は数量限定の人気商品となりました。2014年に発表された「V350 Grand Edition」も同様の限定商品で、内装のラグジュアリーさを高めたほか「ロッククリスタルホワイト」というボディーカラーが採用されています。 3代目となる現行モデルは2015年の10月に発表されました。3列シートやスライドドアの用途の多様性は旧来のままに、「LED インテリジェントライトシステム」でヘッドライトの自動切り替えが可能になっています。そのほか、「7G トロニックプラス」という７段ATトランスミッションや、周囲の状況を確認することが容易な「360度カメラシステム」、大型車の操作は不慣れだというドライバーのために「アクティブパーキングアシスト」で駐車のサポートをすることもできます。 翌年6月には「V220d スポーツ ロング」が登場し、Vクラスの改良車とともに販売されました。有害物質を無害化して排出されるために、前作から使用されている尿素水溶液「Ad Blue」のタンク容量を11.5Lから25Lまで増やし、タンクを交換することなく2万kmまで航続することができるようになりました。また2017年には「V220 d スポーツ」が、2018年には「V220 d Marco Polo HORIZON 」が発表されました。後者はフルフラット機構を採用していて「車内で5人が同時に寝られる」というポイントが売りになっており、その機能性から、千葉県で開催されたキャンピングカーの展示会に出展したことも驚きを集めました。 スポーツカータイプの車を使う機会が減ったファミリー層にも人気があり、メルセデス・ベンツとしては特殊ともいえるVクラス。使い勝手の良さもありますが、その安全性能の高さにも注目されています。次回のモデルチェンジではどのようなシステムが搭載されるのか、期待されています。