ライフ

ライフについて

本田技研工業株式会社が考える1970年代の軽自動車のあり方に対する回答が71年6月に発売されたライフであり、ライフ誕生の年となりました。水冷化された356ccの直列2気筒SOHCエンジンは国産初のコッグドベルトに加え、振動を低減するべくバランサーシャフトを新たに採用して静粛性を高めました。低速トルクをに充分なパワーを持たせるため、30psに抑え、さらに街中仕様のタウンでは21psと更に低速トルクの充実を重視した作りが行われました。FWDシステムはトランスミッションを横に置くダン テ・ジアコーザ方式に変更しており、エンジンルームのさらなるスリム化を実現しました。トランスミッションは4段MTが基本ですが、3段ATも設定しています。のちに追加したスポーツ版には5段MTも用意されました。Nシリーズより長いホイールベースに設定したことで利便性を高める4ドアとしたことも注目のポイントでした。 その後、ライフのプラットフォームを使用してトールボーイの軽商用5ドアバンに仕立て上げたものが、1972年9月に登場したライフ・ステップバンでした。 四角い箱を基調にした1.5ボックスのスタイリングは当時斬新でしたが、現代でも通用する魅力的なスタイリングであり、商用だけではなく、若者の間にも個性を発揮するツールとして高い人気を博しました。車高を1620mmと高めに設定し、着座位置を高めることでシートを前方へスライドし、低床設計との相乗効果を発揮し広大な室内空間を実現しました。 その後、ライフは一旦市場から姿を消しますが、1997年4月に復活します。新生ライフは当時人気の主流になりつつあったハイトワゴン軽自動車として、2代目トゥデ イをベースに開発されました。フロントマスク、縦長のアウターミラーやテールランプなどは先代のイメージを継承した伝統の趣きとなりました。その後、長期的な売上を記録し、名実ともに本田技研工業株式会社の看板車種へと成長していきます。 2003年9月(ターボは10 月発売)に上質感を求めてフルチェンジが行われました。随所に丸をモチーフにしたかわいい親しみのあるデザインが施されており女性を中心に人気を博しました。特にどの角度からでも、手が入りやすいマルチアングル・アウタードアハンドルは女性ドライバーに好評でした。 2008年11月に発売されたライフは安全性の向上と普段使いと親しみやすさを徹底的に高めた設計が魅力の一台となっており、それは細いAピラーや大きな三角窓、新設したリックォーターウィンドー、拡大したリアウィンドーなどによる全方位の見通しの良さに加え、運転席のエアバッグを衝撃の少ない最新式にするなど、考え抜かれた設計となっています。注目すべきスマートパーキングアシストです。駐めたい場所で位置設定をしたあと、それまでのシステムでは後退開始位置まで誘導するだけでしたが、進化版では後退から停車まで完全自動操舵してくれるという最新のシステムとなっています。大幅に軽量化が行われた新プラットフォームに、PO7A型の直列3気筒SOHC・658ccの自然吸気52psとターボ付きの64psを搭載し、トランスミッションは4段ATを採用しています。設定モデルは標準車のほかに、女性をターゲットに設定されたパステル、若い男性向けに精悍さをプラスした顔つきのスポーティーなディーバの計3種類がラインナップされました。2010年11月にマイナーチェンジが行われ、新たにダミーのフロントグリルを装着しており、、ヘッドライトをプロジェクター式に改め、メーターを常時点灯式とし、上質感をプラスしました。スポーティーなディーバはさらに高級になって、ダーククロームメッキのフロントグリル、HIDヘッドライト、ドアミラーウィンカーなどが装着されより魅力をアップさせています。