MR-S

MR-Sについて

MR-Sは、1999年10月にトヨタ自動車株式会社から発売されたミドシップスポーツモデルです。95年東京モーターショーに展示されたMR-Jの市販型として開発されました。MR2の実質的な後継車ハルベースは2代目のMR2に比べて50mm延長されましたが、全285mmも短縮されており、車重も1トンを切るまでにスリムに削ぎ落としが行われました。パワートレーンは、エンジンに直列4気筒1.80DOHC 16バルブ VVT-1の140psを搭載しており、上質なトルクチューンを体感することができる高性能マシンとなっています。市販車として、ショーカーよりもハンドリング性能を重視し、操縦性を向上するなどリアルスポーツを目指して開発が行われました。空力抵抗やパワートレーン、足回りなど計算しつくされたバランスにより上質なドライバーズフィーリングと、遊び心をもたらせてくれるマシンに仕上がっています。ボディはオープンの2シーターで、着脱式ハードトップはオプション追加可能であり、変速機は当初は、5段MTのみのリリースとなっておりましたが、2000年8月に電子制御シーケンシャル5段MTが追加リリースされています。更に、モデリスタから2000年6月にカスタマイズ限定車カセルタ、同年8月に限定車「VM180TRD」が発売されており、2001年1月には、ザガートの手になるフルオープン限定車「VM180ザガート」が販売されるなど豊富なラインナップが取り揃えられました。 初代の搭乗から約3年目を迎えた2002年8月にマイナーチェンジが実施されています。主な変更点は、変速機の6段化、リアタイアのサイズアップ、フェイスリフトが導入となっており、リアルスポーツをより追求した高性能マシンとしての機能を洗練させました。しかし、1999年に発売してから続いてきたMR-Sの歴史にも終着点が訪れます。2006年11月から特別限定車Vエディション・ファイナルバージョンのみの販売となってしまい、2007年7月末で生産終了という結果となり、表舞台から姿を消すことになりました。スポーツカーブーム全盛の時代から陰りが見え始めた厳しい時代を生きてきたMR-Sは、特に国内市場での販売は苦戦の一途を辿ったものの、海外市場ではその性能とコンセプトが高く評価されており名車として多くのファンを獲得しました。MR-Sは、国内市場向けの車名であり、海外名はMR2で統一されています。