セルシオ

セルシオについて

セルシオは、1989年10月に登場しました。日本国内では、トヨタ自動車株式会社のフラグシップ車種と位置づけられましたが、もともとは北米に設立されたブランドである「レクサス」のトップモデル、レクサスLS400が原型となります。日本社会に訪れた好景気が過熱し、ニッサン・セドリック/グロリア・シーマが高級車市場を牽引する中、新たにトヨタが海外向けの高級車を国内に導入を行いました。特に走行中の静粛性は最高クラスです。パワートレーンは、V型8気筒DO32バルブの40・260ps (1UZ-FE型)を使用しています。足回りに関しては、サスペンションに4輪ダブルウィッシュボーンを装着し、静粛性のキーとなっています。 電子制御エアサスペンションが、B/Aにはコイルスプリングが装備されています。BにはピエゾTEMS(電子制御サスペンションで、応答性 が高いピエゾ素子を用いる)も設定されるなど足回りは十分すぎるほどの装備。 92年8月にマイナーチェンジが行われました。クルマの変化は多くはありませんが、月販目標は増加するなど好調をみせました。レクサスは89年に北米で展開を開始しており、高性能かつ高品質なレクサスのクルマは欧米のライバルメーカーたちを震撼させる勢いがありました。LS400は89年1月のデトロイト・ショーでデビューしています。セルシオの車名は「至上、最高」という意味のラテン語「セルサス (CELSUS)」から命名されています。 1994年10月にはセルシオの2代目が登場しました。ライバルのインフィニティQ45が不振を見せる中出し抜くように好調な販売を続けました。見た目もサイズも変わらず不動のスタイルを維持し、メカニズム面でも細部の改良程度でした。パワートレーンは、同じV型8気筒DOHC・32バルブの40(1UZ-FE型)でしたが、燃費や最高出力、最大トルクを向上させています。サスペンションは4輪ダブルウィッシュボーンを採用。走行性能に磨きをかけながら、静粛さと乗り心地の快適さは初代以上の出来となり王者の風格さえ漂わせる出来ととなりました。96年8月、衝突安全ボディのGOAに進化しており、B /A仕様にスポーティーなeRバージョンが追加されるなど幅広さも身に着けています。97年7月に マイナーチェンジを実施しており、グリルとヘッドライトに仕切りを設け、フードレリーフやフェンダーラインにも手が入れられています。全体的にデザイン面を向上させつつもセルシオらしさをキープした新しいデザインとなりました。 2000年8月に発売された3代目のセルシオは、外観も中身も大きく変更が加えられ新たなセルシオが誕生しました。「流麗でダイナミック」がコンセプトのデザインされたボディはCD値0.25に到達しています。車体寸法は全長・全幅とも変更はありませんが、ホイールベースを75mm延長し、全高を55mm高めるなどゆとりのある室内空間を作り出しました。隅々まで手を計算し作られた性能・デザイン・内装・静粛性能は世界トップレベルです。 2005年8月よりトヨタが国内でもレクサス・ブランド展開開始しており、その兼ね合いもあり、2006年5月にはセルシオはレクサスLSに移行しており、セルシオの車名は市場から姿を消すことになりました。