デュアリス

デュアリスについて

デュアリスは、ミドルサイズのクロスオーバーSUVとして2007年5月に日産自動車より発売されました。開発時の戦略としては英国を拠点として欧州市場での展開を狙い開発されたクルマです。発売も欧州にて先行して行われており、キャシュカイの名称で日本より2ヵ月早く販売開始となりました。そのため日本での展開は当初、英国日産のサンダーランド工場で生産したものを輸入するという形式をとっていましたが、その後に国内生産へと移行しています。プラットフォームはエクストレイルと同様であるCタイプを使用しており、限られたサイズの中でルーフをボディ後端近くまで延長して居住空間と荷室スペースを大きく確保しつつもスタイリッシュさと空力性能を考慮したデザイン処理が施されました。ボディデザインに空力のCFD解析(計算流体力学)を使用しているのは日産車としては初の試みです。CD値0.35はその成果といえるでしょう。パワートレーンは20のMR20DE型1種でFWDとオールモード4×4を設定しています。いずれも6段マニュアルモード付きのエクストロニックCVTとマッチングされています。発売後はいくつかの限定車、特別仕様車を発売したのち2009年9月にフェイスリフトを含むインテリア・エクステリアの変更とエコカー減税への適合化を行っています。 2010年8月には、再びグリルを新たにデザイン変更し、燃費性能向上を目的とした仕様変更が行われました。日本ではデュアリスの人気はぼちぼちといったところでしたが、海外においてはキャシュカイの販売は大変好調となっており、2011年1月末に世界の販売台数100万台を達成しています。英国、日本のほか中国の工場でも生産しており、成功を納めた世界戦略車の一台に数えられる名車といえるでしょう。 日本市場での販売はエクストレイルなどへのラインナップ統合の兼ね合いにより終了となりましたが、欧州では展開されており、2014年2月に英国市場にて2代目となるデュアリスが販売開始されました。エクストレイルへのラインナップ統合もあり、デュアリスとしてのボディの展開は1種類のみとなっており、ショートホイールベースバージョンの1台となっています。兄弟車であるエクストレイルのデザインテイストを強く引き継いでいますが、リヤコンビネーションレンズやバンパーなど細部のデザインがエクストレイルなどとは異なり、デュアリスの遺伝子を残しています。