GN

GNについて

GNはスズキが販売するバイクのシリーズ名で、GN50、GN80、GN250、GN400、GN125の5クラスのラインナップが存在します。 シリーズ最初のモデルはGN400で1980年にデビューしました。オフロードレースにインスパイアされたモデルであるスズキSP・400の派生モデルとして開発が行われました。これといって優れた特徴は無く、人気はいまいちで4年で姿を消すことになります。アメリカンバイクを模倣したモデルであることがわかりますが、ダブルシートがフラットだったり、その他細かい点で本家と差別化を図りましたが、ユーザーには受け入れられませんでした。 1981年には低排気量モデルのGN50とGN80を展開します。同排気量クラスの中では比較的大きな車体を持ち、最高出力は50ccで7ps、80ccで10psとまずまずの性能があります。両クラスともエンジンはRGシリーズやTSシリーズからの流用です。GN80は二人乗りも可能でした。シリーズのスピリットを汲んだモデルか否かについて賛否があるかと思いますが、全体的な仕上がりは良好でまずまずの売れ行きがありました。 ここまで、いまいち振るわないシリーズだったGNですが、流れを大きく変えるモデルが登場します。125ccクラスに1982年に投入されたGN125は同シリーズ内でも特にアメリカンテイストを多く取り入れたモデルです。ホイルベースが長くシート高が低めに設定せれたローロング型で、ホイールは国内がキャストホイール、国外がスポークホイールとなっています。何か突出した特徴があったわけではありませんが、堅実な設計が広く受け入れられ、実に18年とシリーズを超え同メーカー屈指の長寿命モデルとなります。中国メーカーにOEM供給するなど、ユーザーだけでなくメーカーにも高く評価されました。18年間大きな変化なく販売されていたため、時代の変遷に置いて行かれた感が次第に生まれ、晩年には売り上げを望めない状態でした。排ガス規制に対応するだけの市場価値はもはや失われ、1999年に国内販売終了となります。 125と時同じくして、250ccも市場に投入されました。残念ながら国内人気はいまいちでしたが、中国ではある程度の評価を得ます。 アメリカンに独自の味を加えたGNシリーズですが、性能面でもデザイン面でもアイデンティティを確立することができずにいた感じがあります。しかし決してシリーズに魅力が無かったわけではないと思います。このモデルが苦しみながら切り開いた道は、後継のボルティーが進んでいくことになります。