RX-8

RX-8について

RX-7の生産終了から約7ヵ月後、再び現われたロータリーエンジン乗用車がRX-8です。発売は2003年4月でした。世代を追うごとにスポーツ度を高めており、最終的にスポーツカーに仕立てられたRX-7の後継モデルという位置づけではありますが、それよりは新しい時代の4シーターGTと呼ぶのがふさわしい高性能マシンとなっています。後席用のドアも有する4人乗りとして設計されており、その兼ね合いもあり最終型RX-7よりボディは140mm延長されています。ドアは左右とも観音開きとなる点が大変特徴的な車両で、リアドアは安全を考えフロントドアを開けた状態でないと開閉できない構造をとっています。RX-8に搭載されたエンジンは13B型となっており、燃費性能の向上と排出ガスのそれまで以上のクリーン化を目指して改良が行われた「RENESIS RE」と命名される新世代の自然吸気ロータリーユニットです。レヴリミットが9000rpmという高回転型で、ハイパワー版は235ps(デビュー当初は250psだったが、実測値に合わせて修正された模様)を誇ります。元となったエンジンは、コンセプトカー「RX-01」にも搭載されているもので、イギリスのエンジン・テクノロジー・インターナショナルが開催するインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー2003で過去最高の評価を獲得したロータリーエンジンとなっています。その他、ごくごく少量生産ながら、水素を燃料とするRX-8ハイドロジェンREも開発・販売されました。自治体や民間企業にリース販売を実施し、REの新たな可能性を指し示しました。低重心ボディとなっており、地面に吸い付くような滑るような走りが魅力で、スムーズな加速に依る心地よいトルク感が感じられ、ロータリースポーツの軽快な走りを体感できる素晴らしいマシンに仕上がっています。また、安全面でも高い評価を得ており、衝突安全性能総合評価で運転席、助手席ともに最高ランクである六つ星を獲得しており、スーパーカーとして非常にクオリティが高いクルマです。スポーツカーを愛するマニアから熱い支持を受けた車種でしたが、より厳しい排ガス規制が施行された関係もあり、CO2削減が叫ばれる時代にあっては肝心のガソリン仕様を改良することができず、2012年6月に生産を終了し、マツダ・ロータリーの長い歴史にいったんピリオドが打たれる形となりました。