ビアンテ

ビアンテについて

ボンゴフレンディの後を継いだワンボックス型ミニバンの「マツダ・ビアンテ」は、2008年に発表された8人乗り自動車です。「最広（サイコー）空間」をコンセプトとするほど広々とした車内スペースは、「ニッサン・セレナ」「ホンダ・ステップワゴン」などの並み居る競合他社の人気ミニバン自動車にも引けを取らないアピールポイントで、タレントの劇団ひとりさんをイメージキャラクターに起用したCMも相まって話題となりました。2列目シートは乗り降りのしやすさを重視し、広い開口部を持つスライドドアや低床設計を採用しました。運転の安定感はもちろんのこと、ファミリー層の使用を意識し、同乗するドライバー以外の人たちの快適さにもこだわった一台だと言えるでしょう。 2008年に登場した初代ビアンテが最初にマイナーチェンジを行ったのは、発売から1年も経過していない2009年6月のことでした。目玉となったのはアイドリングストップ機構の「i-stop」の搭載で、これは直噴ガソリンのシステムを応用して製作された、マツダの独自開発によるエンジン再始動のシステムです。約7%の燃費向上をもたらしたこのシステムにより、「平成22年度燃費基準+25%」を達成しました。また同装置は、エコプロダクツ大賞推進協議会による「エコプロダクツ大賞」を獲得するなど、社外の組織からも高く評価されました。 マツダが創立90周年を迎えた2010年には、アクセラとビアンテの特別仕様車が製作されました。標準搭載された前述のシステムを向上させた「i-stop Smart Edition」により、国土交通省の指定する「環境対応車普及促進対策費補助金」や、エコカー減税と言われている「環境対応車普及促進減税（75％減税）」の対象にも仲間入りすることが出来ました。2013年にはパワートレインにマツダ独自開発の「SKYACTIV-G 2.0」というエンジンを採用したほか、トランスミッションにも「SKYACTIV-DRIVE」を使用し、燃費性能の向上につなげました。また、以前から要望のあった電動スライドドアをすべてのモデルで初めて標準搭載するなど、高い利便性も人気の理由になりました。また、タイヤの品質向上により需要の低くなっていたスペアタイヤを荷室の床下から除き、スペース拡大のためにパンク修理用のアイテムを簡易的に積載することになりました。 2017年に販売が終了したビアンテ。核家族化により3列シートの自動車の人気が下火になり、軽自動車やエコカーが主流となっている今日ですが、依然としてミニバン車の再販を希望する声もあります。マツダのミニバン市場への次の一手はどのようなタイミングになるのか、多くの方が注目しています。