AZ-ワゴン

AZ-ワゴンについて

1998年10月1日、衝突安全性の向上を狙い、全長を従来の3.3m以下から3.48m以下へ、全幅を1.4m以下から1.48m以下にするというボディの拡幅を中心とするという自動車の新しい規格が施行されました。同時期にフルモデルチェンジされたワゴンRの第2世代もボディ拡幅に主眼が置かれたこともあり、そのOEMである2代目AZ-ワゴンもそれに準拠しました。ボディ型式も5ドアのみとなり、パワートレーンは直列3気筒657ccのSOHC、658ccDOHCの2種、それぞれにターボ規格を設定できる計4種の設定で展開されました。サスペンションは、ストラット&アイソレーテッド・トレーリングリンクと、こちらも基本的に先代からの継承となっています。駆動方式にFWDとフルタイム4WDの両方を揃えていたことも同様です。トランスミッションは、先代が5段マニュアルも3段オートマチックもフロアシフトだったのに対し、2代目のオートマチックにはコラムシフトも設定されており、一部のターボモデルには4段も選べるようになりました。2代目もワゴンRとほぼ同様の外観となっていましたが、2000年12月になってフロントグリルをマツダ車のアイデンティティーであるファイブポイントタイプに刷新し、ファミリーフェイスと称しました。 プラットフォームを新設計して2003年9月に登場したワゴンRのOEMモデルとして3代目AZ-ワゴンが登場しました。2代目では、角のとれた丸みを帯びたデザインであったのに対し、エクステリアデザインは、初代のスタイルに回帰したような印象を感じさせるエッジの利いたデザインとなりました。パワートレーンは、すべて直列3気筒DOHC・12バルブになり、従来の自然吸気、ターボの2タイプに直噴ターボが追加されました。また、ターボモデルのインタークーラー用エアインテークの位置が変更されており、ボンネット上からエアインレットが消滅しています。トランスミッションは4段オートマチックと5段マニュアルで展開されており、ATセレクターは全車コラムから生えるタイプに変更になりました。2代目と同様ワゴンRには設定されるCVTは、今回も設定されていません。外観上のワゴンRとの識別点はフロントグリルを中心としたフロントとテールレンズまわりのデザインと、エンブレム類となっています。細かな仕様や装備の変更が行なわれた後、2007年2月にはワゴンRスティングレーのOEM車も「カスタムスタイル」という名称でAZ-ワゴン・シリーズに追加となりました。フロントエンドの形状・デザインが標準型と異なり、若いユーザー層をターゲットとしたエアロパーツを装備するモデルとして展開されました。 ワゴンRが4代目に生まれ変わったことに伴い、AZ-ワゴンも新しくなり登場しました。背の高い2ボックスカーという初代から続くコンセプトと先代から引き継いだ基本的なメカニカル・コンポーネンツはキープとなっており、全体にわたってリファインが施行されています。リアクォーターウィンドーを廃し、リアドア開口部を拡幅し後席の乗降性が向上。リアシートにスライド機構を設け、使い勝手の向上などの対策が組み込まれました。ホイールベースはわずかながら延ばさ れ2400mmへと変更になっています。軽自動車規格という限られたボディサイズの中で最大限室内空間を確保し、利便性を追求した技術は見事の一言です。パワートレーンは、直列3気筒DOHC・12バルブとなっており、自然吸気とターボの2仕様というシンプルな構成になっています。トランスミッションは4段オートマチック、5段マニュアルが用意され、ターボ車とカスタムスタイルの一部でCVTがリリースされました。CVTはロックアップ機構付きトルクコンバーターと組み合わされており、加速性能と燃費性能が向上しています。