MT-07

MT-07について

2013年にミラノ国際モーターサイクルショーでお披露目された「ヤマハ・MT-07」。2004年に発売された「MT-01」や、2年後にリリースされたMT-01のマイナーチェンジ版「MT-03」のあとを継ぐ一台です。MTシリーズの後継としてスポットライトを浴びたMT-07は、「ライダーに爽快感を与える加速」と「誰もがカッコいいと感じるスタイリング」の2点を軸に製作が進められました。 モーターショーの前にクロスプレーンの2気筒エンジンのみがメディアに先行公開されていましたが、実際の製品は「ヤマハ・MT-09」と同時並行で開発が進められていたそうです。MT-07とMT-09の違いはエンジン性能で、MT-07が1990年代に販売されていた「ヤマハ・TRX850」を思わせる直列2気筒270°クランクを採用しているのに対し、MT-09は「ヤマハ・GX750」を彷彿とさせる直列3気筒120°クランクを用いています。 MT-07の特筆すべき点は力強いトルク性能。最大トルク（68N・m(6.9kgf・m)/6,500r/min）・最高出力（54kW(73PS)/9,000r/min）などのスペック自体は一見それほど高くない印象ですが、大型自動二輪車にしてはとても軽量なことから、高速道路などで走行するとかなり優秀な加速感が味わえるとのことです。全体のダウンサイジングが図られているものの、座席の面積は3割程度増加していることから、見た目のスマートさは保ちつつ、窮屈な印象はありません。長い時間の運転でも疲労感が少ないため、高速道路のツーリングなどでもよく見かけることがありますね。販売店の方のお話では、大型バイクを初めて購入するバイク初心者の方や、女性のライダーからも人気があるそうです。機能性やパフォーマンスの高さはもちろんですが、ほかの大型バイクと比較してもかなり抑え目な価格帯であることも、購入を後押ししているでしょう。 「アンチロック・ブレーキング・システム（ABS）」の搭載も見逃せません。高速走行のできるオートバイや4輪自動車にとって、急ブレーキ時のハンドルロックは命取りになりかねませんが、MT-07はこのABSが標準搭載されているため、より高い安全性能を有していると言えるでしょう。 ファンクションメーターやカラーリングも洗練されていることから、外観も人気の理由であるMT-07。MTシリーズの後継車としては十分すぎる役割を果たしています。まだまだリリースされてから時間は経っていませんが、今後はどのようなマイナーチェンジが施されるのか、バイクファンからの熱い視線が注がれています。