M3

M3について

ドイツのBMW社のスポーツセダンM3（エム・スリー）、３シリーズをBMW社の研究開発部門子会社であるBMW Mがパワーアップさせたため、M3という名称になりました。カーレースでの使用を想定してデザインされた高機能モデルで初代は1985年に発売されます。 BMW社のラインナップにはいくつか「M」と名前がつくモデルが存在しますが、いずれも前述の理由からそうなっています。BMW Mは、かつてはモータースポーツに特化した車両の研究開発を行っていましたが、時代の変遷に伴い戦略を調整しており、現在では高機能モデルの開発やモータースポーツ用のカスタマイズパーツなども手掛けるのなど、事業の裾野を広げています。 M3はレースにおいて数々のタイトルを獲得するなど華々しい活躍で一躍その名をヨーロッパに轟かせます。最大のライバルであるダイムラーのメルセデスベンツにも大きく水をあけるなど、開発野望の通りの成果を上げます。 レースで強い車はマーケットにおいても強者であることは今も昔も変わりません。モータースポーツやカーレースは一種の娯楽として大衆に広く浸透しています。また企業側からは、もともと自動車に関心が高い層にパブリックリレーションズを行うための絶好の機会として捉えられ、各社多額の研究開発費と広告費をつぎ込み、開発に取り組みました。 このような事情からレースやモータースポーツは各社の最新技術の実験の場としての役割も果たすようになります。やがてレース等にも関心が高くない層にも評判がいきわたるとたちまち人気車種になります。日本では、標準モデルの他にM3カブリオレ、M3ヨーロッパマイスター、M3エヴォリューション、M3チェコット、M3スポーツエヴォリューションなど、多量のモデルラインナップが展開されました。 以来人気モデルとして、1993年に第2世代、2000年に第3世代、2007年に第4世代、2014年に第5世代が発売されます。初代から一貫してレースで勝てる車というコンセプトが貫かれており、現行モデルではサーキットドライバーが開発チームに参画するなど、開発に余念がありません。 環境規制が厳しいヨーロッパにおいて、性能最優先のレースカーにも環境配慮の手が加えられることになります。M3はヨーロッパ連合の環境規制で最も厳しいユーロ6をクリア、軽量化による燃費の向上など、現代のトレンドもしっかりと取り入れ器用さには脱帽です。