パサートヴァリアント

パサートヴァリアントについて

フォルクスワーゲン社の自動車で「ゴルフ」に並ぶ高い人気を持つパサートは、1973年に「アウディ・80」の姉妹車としてリリースされました。当時人気のあった自動車といえば、ビートルの愛称で親しまれていた「フォルクスワーゲン・タイプ1」でした。初代パサートであるB1も、ビートルと同様に低価格路線を進め、大衆車として人気を集めました。 1988年にはアウディとの姉妹車関係が解かれ、アウディ・80に似たデザインからも脱却しました。フロント部分にあったグリルがなくなり、代わりに車体を一周するような太いラインがあしらわれたのが同車の特徴です。1996年にはアウディとの関係が再構築され、縦置きエンジンが復活しました。大衆車としてのイメージから高級車としてのイメージに変遷していったのもこの時で、 オーストリア人デザイナーのフェルディナント・ピエヒによるボディのデザインは、細部にわたる高いクオリティが評価を集めました。大規模なマイナーチェンジが行われた2001年にはさらにその高級車路線が強まり、上海の警察車両に使用されるなど、その大衆車としてのイメージにも大きな変化がありました。 2006年に登場した新型パサートは6代目となりましたが、同時に発売されたワゴンタイプの「パサート・ヴァリアント」も話題となりました。ヴァリアントとはヴァリエーション、すなわち変化が加えられたことを意味していて、ドイツだけでなく、インドやマレーシアなどの新興国でも製造がおこなわれました。大型化とラグジュアリー化の方針に大きな変化はなく、1,700リッターを超える大型の荷室には、スキー板や自転車などの積載も可能。セダン車タイプも565リッターのトランクで、ショッピングの際には十分な役割を果たしてくれます。また同車には電動パーキングブレーキなども搭載されていて、大型化を進めつつも操作自体はシンプルで簡単とされています。アクティブヘッドレストはもちろん、衝突の大きさを感知して最適なエアバッグを作動させる「2ステージフロントエアバッグ」が標準装備されていて、高級感に見合った安全性能が付けられています。 「貿易風」を意味するパサートは、フォルクスワーゲンの顔として今や世界中で愛されています。街乗りではもちろん、パサートヴァリアントの登場によって旅行やキャンプなどアウトドアのシーンでも活躍するようになりました。今後はどのような商品がリリースされるのか、その動向には熱い視線が注がれています。