アイ

アイについて

まるでデザインスケッチがそのまま形作られたような新鮮で斬新なスタイリングが多くの人の目を惹く三菱の新世代軽乗用車がアイです。2003年9月のフランクフルトモーターショーでお披露目されたコンセプトカー「i」がベースとなり開発されたクルマで、2006年1月に市場に登場しました。ミニカの後継機でもありますが、プラットフォームはもちろんのこと、隅から隅まですべてが新設計かつ新開発となった車種です。パワーユニットはリアシートの後ろあたり、メーカーが言うところのリアミドシップにマウントされ後輪を駆動しています。4輪を4ドアハッチバックの丸いボディの四隅ぎりぎりに位置づけホイールベースを長めに取るなど、充分な室内空間の確保を行っています。リアアクスル上に45度傾けて積まれるエンジンは、可変バルブタイミング機構を備える0.660直列3気筒ツインカム12バルブとなっており、ノンターボとインタークーラー付きターボの2種のラインナップとなっています。なお、ダイムラーのスマート(第2世代)はこのユニットの10版を搭載しています。トランスミッションは、4段オートマチックのみの展開で、駆動方式はFWDのみならずフルタイム4WDも用意しています。 2007年12月には、マイナーチェンジが行われており、UV＆ヒートプロテクトガラス、電動格納式リモコンドアミラー、キーレスオペレーションシなど装備が強化されており、ボディカラーも「サクラピンクメタリック」・「ドーンシルバー」が追加されています。その他にもシート周りの改良などが行われました。2008年12月には、再度マイナーチェンジが行われ、グレード体系の見直しが行われました。廉価グレードの「S」、充実したパッケージの「VIVACE」、ターボ車の「T」と3グレードに統合されています。更に装いも新たにボディカラーの刷新も行われており、「ライトブルーメタリック」・「ライトイエローソリッド」・「ペールベージュソリッド」の3色が廃止となった代わりに、「オーシャンブルーメタリック」・「ラズベリーレッドパール」・「サンフラワーイエローソリッド」の3色が追加となりました。その後も細かくマイナーチェンジや改良を繰り返すことになります。トールワゴン人気の高い2000年代の軽自動車界に三菱が投入した意欲作となりましたが、人気を博していたトールワゴン系ほどの室内空間を創出することは叶わず、販売数は意欲とはうらはらな結果となり、2015年には販売終了となりました。