V70

V70について

V70はスウェーデンの自動車メーカーボルボ・カーズから販売されていたステーションワゴンです。ステーションワゴンの「用途が広く、便利な様」の形容詞Versatilityの頭文字VをとってV70と命名されました。その系譜は1966年に発売されたボルボ140からボルボ240、ボルボ850、ボルボV70と続きます。そして現在ではV70の後継モデルV90が販売されています。発売から、計2度のモデルチェンジが行われました。 「ボルボの設計の基本は安全」と謳っているように、安全性にこだわった製品づくりに定評があります。家族を大切に思うファミリー層などから厚い支持を得ており、ラインナップもおのずと家族向けのモデルが多くなっています。 系譜の源流たるボルボ140は、フロント部分には衝突を想定して衝撃緩衝設計を施したほか、シートベルトの改良、ドアの硬化など、当時最高峰の安全性を追求したモデルでした。派生版の145になってはじめてステーションワゴンが登場します。後継の240になると標準的にステーションワゴン型となります。ボルボの誇る安全性と、ステーションワゴンの利便性が融合し、子育てを行う人々にとってはまさに理想のモデルとなります。同メーカー屈指の人気・長寿命モデルとなります。累計販売台数は約300万台とその人気ぶりがうかがえます。ボルボ850は日本にステーションワゴンが普及するきっかけとなりました。日本メーカーの製品づくりに多大な影響を与えました。 1996年になるとボルボのステーションワゴンの担い手は850からV70へと移ります。市場で一定の地位を築いたV70はボルボの看板商品的なポジションを獲得します。わずか2年でフルモデルチェンジが行われるなど、同社の戦略において非常に重要な駒であったことが伺えます。これまでとは一転、高級感も取り入れ他のステーションワゴンと差別化に成功します。1996年から2016年までの20年間ステーションワゴン市場での地位を守り抜きました。 系譜の中からはレースに出場するモデルも登場しました。タイトルこそ獲得できませんでしたが、安全性だけでなく性能面においても優れていることを知らしめました。安全性・走行性と内面的に非常に優れているのみならず、美しく洗練され高級感のある外見で多くの人を魅了しました。また、知名度が高かったことから同社を象徴するモデルとして扱われます。2000年代後半にはハイブリッド技術のテスト機としてV70が選ばれます。