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ディスクタンブラー錠
ディスクタンブラー錠とは十数年前に大量に導入されたシリンダーの一つである。 ディスクタンブラー錠は現在も住宅や車、バイク、ロッカーなど様々な錠前に大量に使用されている。
ディスクタンブラーを使用したシリンダーには外筒と内筒と分かれており、内筒に正確なカギを差して回すというのが正しい錠前の使い方であるが、専用の道具を使用すれば不正に操作出来やすいという弱点がある。 ディスクタンブラー錠の構造だが、内筒に板状のタンブラーが複数枚入っていて、正確なカギを差すことによって内筒がフラットになって回すことが出来る。
違った鍵を差すとタンブラーが外筒に引っ掛かる為、内筒が回らない仕組みになっている。 数年前に集団窃盗団等が横行したのもこのディスクタンブラー錠を狙ったものである。 まだ多くの住宅に使用されていて、シリンダー内部も対策などもされてはいるが、目立つキズや痕跡も残らず不正に開錠出来てしまう為、ディスクタンブラーを使用しているシリンダーは交換した方が良いと言える。
ピンタンブラー錠
ピンタンブラー錠は、ピンタンブラーを使用したシリンダーのこと。
ピンシリンダーとは、シリンダー内部、内筒と外筒にまたがって配置されたピンが全て正しい高さに揃うと、回転する構造となっているシリンダーであり、ピンが多ければ多いほど防犯性は高くなる。
鍵山の形は、ギザギザの刻みである。シリンダー内部に配置されるピンは通常、上ピンと下ピンで一対となっていて、上ピン、下ピンを合わせた長さは、手前でも中間でも奥でもどの列も等しくなっている。
構造としては、古くからあるシンプルな構造で、デスク錠やロッカー錠などの小さな鍵から住宅の鍵まで様々な形で広く使われている。現在も様々なメーカーでピンシリンダーが作られているが、かつての住宅用ピンシリンダーはピッキングや破壊にも弱く、空き巣、窃盗などの被害が相次ぎ、各メーカーがピンシリンダーの改良に迫られることとなる。
ディスクシリンダーのピッキング被害とも重なり、これにより「ギザ鍵」=「防犯性の低い鍵」というイメージが出来あがった。
その後、アンチピッキングピンの開発や超鋼ピンの採用、キーウェイを狭くするなどの工夫により、ピンシリンダーの防犯性と強度は高まっていく。
そして、このピンシリンダーの開発、改良が進み、さらなる防犯シリンダーとして、ディンプルシリンダーを生みだしていく流れにもつながった。
ロータリーディスクタンブラー錠
ロータリーディスクタンブラー錠は、ロータリーディスクタンブラーを使用したシリンダーのこと
ロータリーディスクタンブラー錠とは、ディスクタンブラー錠の進化版であり現在では住宅の多くがこの仕組みを使ったシリンダーである。
住宅以外ではほとんど使用されることはないシリンダーでもある。
ディスクシリンダー錠やピンシリンダー錠は鍵に対してタンブラーやピンがスプリングを用いて垂直に反応するので、不正に操作できる場合が多いが、ロータリーディスクタンブラー錠はロッキングバーの存在によってシリンダーの内筒を操作する為、不正に操作することが極めて困難なシリンダーである。
ロッキングバーとは鍵に対して回転するタンブラーに小さい溝が入っていて、その溝が全て一列に揃っていないとロッキングバーが動かない仕組みになったいる。
防犯性も高くより安全なセキュリティーを保つことが出来る。
鍵の見た目はディスクタンブラー錠の鍵と良く似ているが、防犯性が高い為、スペアキーを作る際などは正確にコピーしないと回らない、鍵が抜けなくなってしまうなどのトラブルも発生することがある。
ディンプルシリンダー
ディンプルシリンダーとはタンブラーを複数方向に設置した防犯シリンダーのこと
ディンプルシリンダーのディンプルとはくぼみのことである。
鍵のブレードの表面にくぼみのような穴があることからディンプルキーと呼ばれる。
ディンプルシリンダーはピンシリンダーをよりピッキングなどの不正開錠に対し強化したものであり、通常一つの方向にしかないタンブラーを複数の方向に設置することによって不正開錠に対し強くなっている。
また、内部にドリリング防止部品が内蔵されているものが多く、破壊開錠にも強くなっている。
ディンプルシリンダーは各種メーカー様々な製品が作られており、防犯性も製品によって大きく違うため、鍵交換の際は性能をよく考慮して選ぶ必要がある。
インテグラル錠
インテグラル錠とは本締付モノロックのこと
インテグラル錠は、ドアノブ(握り玉)の中心部分に鍵穴がありサムターンの形状は一般的には、縦・横にするかたちになっている。
インテグラル錠はラッチボルトとデットボルトとの両方が備わっており、主に建物の主錠部分に使われることが多い。
今でも、古いアパートやマンション、倉庫等でインテグラル錠を使用されているケースがある。
プッシュプル錠
プッシュプル錠とは、住宅の玄関に使用されるグリップハンドルの一種である
プッシュプル錠は一般的なレバーハンドルやドアノブと違い、ハンドルを押し引きすることによってラッチボルトを操作し扉を開閉することが出来る錠前である。
サムラッチ錠に代わる錠前として開発され、おもに新築の一戸建てや新築のマンションに採用されている場合が多い。
プッシュプル錠を使用する上での利点としては、扉の開閉操作がグリップハンドルの押し引きという簡単な動作で行われる為、子供や高齢者でも容易に操作が可能という点が挙げられる。
なお、プッシュプル錠にも様々なバリエーションがあり、色や形が様々な違いはあるが、基本的な操作は概ね変わらない
サムラッチ錠
サムラッチ錠はサムピースを押し下げることで、ラッチを操作できる錠前のこと
サムラッチ錠は別名『装飾錠』とも言われ、現在のプッシュプル錠の旧式タイプにあたる。以前は住宅玄関の主流の錠であった。
サムラッチの『サム』とは親指(sumb)の意味で、ハンドルバーの上にサムピースと呼ばれる親指サイズの突起があり、それを下に押し下げることでラッチボルトがケースに収納される仕組みになっている。
内側は外側と同じようにハンドルバーが付いているタイプや、玉座になっているタイプがある。
本締錠
本締錠とは、デットボルトのみ付いている錠前である。
本締錠は、彫り込み式と面付き式の二種類がある。
一般的には、本締錠は空錠とともに使用することにより、鍵、錠前として使うことができるが、本締錠は補助錠として使われるケースの方が多い。
マグネットタンブラー錠
マグネットタンブラー錠とは、ピンシリンダー錠に磁石を増加したタイプのシリンダーである。
マグネットタンブラーはシリンダー内部に多数の磁石が入っており、鍵の側面にも磁石が入っている。磁石のS極とN極の組み合わせを使いシリンダー内部の磁石を反発させることにと共にピンシリンダーのシアーラインがフラットにさせないと回らないシリンダーなので防犯性は非常に高い。
また、磁石のみで使用する鍵もあり、バイクのシャッターキーの場合、磁石の反発だけで開錠、施錠する装置になっている。
また、スーツケースにも多く使用され、仕組みはバイクのシャッターと同様に反発させるだけのものもあれば、密着させる場合の物がある。
ケースロック
ケースロックとはデッドボルトとラッチボルト、両方の開閉機構を合わせ持つ錠前のことである。
ケースロックとは一般的に箱錠と呼ばれ、現在の錠前で一番普及しているものである。
種類は彫り込み箱錠と面付け箱錠の二種類がある。
ドアの厚みや材質、見た目、用途によって彫り込み箱錠にするか、面付け箱錠にするか選択する。
レバータンブラー錠
レバータンブラー錠とは板状のタンブラーを使用している錠前である
レバータンブラー錠はタンブラーに対して突起物が出ており、その突起物がツクと呼ばれるH型の溝に収まっている。
タンブラーがてこ(レバー)になっていて、正しい鍵を挿し回すことによりタンブラーの突起物がツクの溝の高さに合い、デッドボルトがスライドして開錠することができる。
主につかわれている扉(物)としては、古い住宅、古い倉庫、古い自動ドア、南京錠などに使われている。タンブラーの板の枚数としては3枚モノが多い。
鍵穴の形状は前方後円墳型の物が多く、鍵の形としては、アクセサリーによく使われている様な棒状の鍵である。
鎌錠
鎌錠とはデットボルトが鎌状になっている錠前のこと
引き戸の戸先に取り付けて使用されるのが一般的。
シリンダー(サムターン)を回転させると鎌錠のデットボルトが飛び出しストライクに引っ掛かって施錠される仕組みになっている。
鍵について 鍵の仕組み・目次
鍵の基礎知識
鍵と錠前について
現代では誰もが使用している鍵と錠前。その基本的な仕組みや内部構造を紹介します。紀元前から存在する錠前は人々の生活に密接に関わり、発展を遂げてきました。錠前の構造を知ることでその機能的側面、芸術的側面に驚くことでしょう。
キーシステム
様々なキーシステムについて紹介します。キーシステムとはシリンダー内部を組換えて、一本の鍵で異なる鍵を開けることを可能にする機構のことです。近年のシリンダーは構造が複雑化しており、様々なシステムを組むことが可能になりました。
鍵・ドアの部品
鍵、ドアの部品を紹介します。錠前は様々な部品が集まって、初めて機能する精密機械のような構造です。部品一つ一つを知ることで、鍵がどのようにして動くのか理解することができるでしょう。
鍵の種類
住宅玄関用の鍵
住宅の玄関に使われる鍵を紹介します。数多くある鍵の中でも一番豊富な種類を持つのが住宅玄関用の鍵です。近年、技術革新により電子式錠前の価格が下がり一般住宅に普及してきています。
室内・オフィス用の鍵
室内やオフィスで使われる鍵を紹介します。鍵は玄関だけでなく様々な場所に使われており、防犯的な意味合いだけでなく、プライベートな空間を作るという意味でも鍵は使用されています。
簡易鍵・その他特殊錠
身近な南京錠やスーツケースの鍵など、特殊な鍵を紹介します。あまり意識することはありませんが、鍵はドアや車だけでなく、様々な場所に使用されています。普段目にしない特殊な鍵についても詳しく説明します。
車・バイクの鍵
車やバイクの鍵を紹介します。車やバイクは資産の一つですが、移動が可能なことから常に盗難の危険にさらされています。ここでは車、バイクの鍵のことや、盗難防止システムについて詳しく説明します。
金庫のカギ
金庫の鍵や、金庫用特殊開錠工具などを紹介します。大切な財産を守る金庫には様々な技術が用いられています。耐火性能を持つものや防盗機能に特化した金庫、指紋認証機能など最新技術を駆使した金庫もあります。
鍵の雑学
鍵の歴史と文化
鍵を歴史的観点、文化的観点から紹介します。鍵は家や財産を守るものですが、そういった実用的な部分以外にも象徴的意味を持っています。人類の歴史を語る上で欠かせない「鍵」について様々な視点で説明していきます。
鍵・防犯にまつわる法律・認可・資格
鍵・防犯にまつわる法律・認可・資格を紹介します。 近年、窃盗団の技術力も増し、防犯に関する知識の必要性が叫ばれています。また、防犯性能の高い鍵が一般家庭にも普及し、それに伴い認定錠前技師にも高い技術力が求められるようになりました。ここでは鍵・防犯業界の現状を様々な観点からクローズアップしていきます。
世界の鍵コレクション
世界をまたにかけ集めて来た鍵コレクションを紹介します。鍵は世界各地で使用され、その土地や歴史的背景によって様々な発展をしてきました。鍵を通して悠久の歴史に想いを馳せましょう。