- ホーム
- 鍵屋さんの防犯コラム
- 賃貸でもできる玄関ドアの防犯対策
賃貸でもできる玄関の防犯対策を解説
玄関は家の出入り口で侵入しやすい場所となっています。もし、玄関の防犯対策をちゃんとしていなかったら、空き巣はもちろん、不審者にも侵入されてしまうかもしれません。
そんな不安を解消するために、賃貸住宅でもできる玄関ドアの防犯対策について解説します。一人暮らし、マンション住まい、戸建て住まいなど様々な方の参考になれば幸いです。
玄関ドアの防犯対策がなぜ必要なのか
そもそも玄関ドアの防犯対策はなぜ必要なのでしょうか?
令和2年の警察統計を見ると、玄関ドアからの侵入による窃盗が15,495件、全体の35.1%に当たります。単純計算で1日に42件です。これは窓からの侵入38.91%に次ぐ2位になります。
玄関ドアの防犯対策をしっかりしていれば空き巣などの被害を防ぐことができるので、対策が必要です。
玄関ドアで起こりやすい空き巣の手口
玄関ドアの防犯対策と言われても何から始めればいいのか分かりませんよね。適切な対策を取るには、まず敵を知ることが大切です。
どのような手口で玄関ドアからの侵入が発生しているのが、件数の多い順にご紹介します。
無締まり
圧倒的に多いのが鍵を閉めなかったことによる侵入です。令和2年だと7,499件、全体の48.4%を占めます。
防犯対策をあれこれ行う前に、まずは玄関の鍵をきちんと閉めることで侵入される確率をグッと下げることが可能です。
合鍵
玄関近くやポストに置いてあった合鍵を利用して侵入したり、勝手に合鍵を作って侵入したりする方法です。
鍵の持ち歩きや管理が面倒だから鍵を置いておくのは得策ではありません。また、他人に鍵を見られるだけでも合鍵を作れられてしまう可能性もあります。
ドア錠破り
ドアに付いている鍵を壊したり、ドアの一部をバールなどで壊して鍵を無効にしたりして開錠する方法です。
バールやドリルなどを使ってこじ開けるので、技術や高価な道具は必要ありません。誰でも簡単にできてしまう手口です。
サムターン回し
サムターンを工具などで解錠する方法です。ドアに穴を開ける、ドアスコープを外す、ポストから手を入れる、近くの窓から手を入れるなど様々な手段があります。
サムターン回しの対策をしていない、手を入れる隙間がある方は注意が必要です。
ピッキング
鍵穴にピックとテンションを使って、不正解錠する方法です。2000年代初頭にこの手口が流行しましたが、現在ではあまり見られなくなっています。
しかし、発生しているのは事実であり、対策をしていなければ簡単に侵入されてしまいますので、注意しましょう。
賃貸でもできる玄関ドアの防犯対策
先ほど紹介した手口を踏まえて玄関ドアの防犯対策をご紹介します。多く発生している手口への対策、できそうな対策から始めましょう。
常に施錠する
家から出る時も家に居る時も常に施錠するようにしましょう。ゴミ出しのわずか数分でも空き巣は侵入します。
家に帰った時もすぐに施錠することで、後から付けてきた不審者をシャットアウトすることが可能です。
施錠したかどうか分かるアイテムも出ているので、そちらの利用も行いましょう。
施錠が面倒ならオートロックにする
いちいち鍵を閉めるのが面倒な方は、スマートロックを取り付けてオートロックにするのが良いです。スマホや暗証番号で開けられるので、鍵を持ち歩く必要がなくなります。
サムターンに両面テープで貼るだけのタイプもあるので、賃貸住宅でも使用可能です。
スマートロックについて、詳しくはこちらをご覧ください。
鍵を持ち歩く
合鍵を玄関近くやポストに置いておくと侵入されるので、鍵は各自がしっかりと管理しましょう。
もし、鍵をなくしてしまう心配があるなら、カバンに括り付けたり、スマートタグを取り付けたりするなどの対策がおすすめです。
鍵を持ち歩きたくない場合は、スマートロックにしてスマホや暗証番号などで開けられるようにしましょう。
どうしても鍵を置くならキーボックスを使う
どうしても鍵を置きたいならキーボックスに入れて、人目に付かない場所に隠しましょう。キーボックスにしまうことで、簡単に鍵を手に取ることができなくなります。隠す時も誰にも見られていないか確認してからにしましょう。
キーボックスも万能ではなく、無理やり壊される可能性があるので、なるべく鍵を持ち歩く方が良いです。
鍵番号を見せない
合鍵を置いていなくても、合鍵が作られてしまえばおしまいです。鍵を取られて合鍵を作られるのはもちろん、鍵に刻印されている鍵番号からも合鍵が作れてしまいます。
なので、知らない人に鍵番号を知られないように、カバーを付けるなどの対策を行いましょう。
IDカードがないと合鍵を作れない鍵もありますので、そちらを導入するのも一つの手です。
玄関ドアの鍵付近に防犯プレートを取り付ける
鍵のこじ開けは、鍵とドアの隙間にバールを入れて破壊し、鍵を無効化します。その対策として鍵付近に防犯プレートを取り付けましょう。
防犯プレートを付けることで、ドアと鍵の間のスペースがなくなり、バールが入る余地をなくすことができます。
デッドボルトを鎌状にする
鎌錠と呼ばれる、デッドボルトが鎌の形をした鍵があります。ストライクの上に引っかかるため、普通にこじ開けただけでは扉が開きません。
ストライクの上側もこじ開けなくてはいけないので、時間が増え、犯行を諦める確率を高めることができます。
防犯用サムターンに交換する
サムターン回しの多くは、工具を使った犯行です。棒状の工具を使ってサムターンの片側に負荷をかけて回します。
防犯用サムターンはスイッチを押さないとサムターンが回らない仕組みになっているので、単に工具でサムターンを押しても回りません。
サムターンだけの交換も可能なので、検討しましょう。
サムターンカバーを付ける
サムターンの交換が難しい場合は、サムターンカバーを付けましょう。サムターン周りを防御してくれるので、工具がサムターンに触れることを防げます。
また、完全にサムターンを覆ってしまうものにすれば、手でサムターンを回す手口も防げるほか、子供が鍵を回してしまうのも防げるので一石二鳥です。
ドアスコープを塞ぐ
外側からドアスコープを外すことは意外と簡単です。ドアスコープ外されて、そこからサムターンを回す手口もあるので防がなくてはいけません。
ドアスコープを交換して、外側から外れないようになる製品もあるので、それに交換しましょう。また、ドアスコープカバーを付ければ、外から室内の様子を確認できなくなるので、留守かどうかも分からなくなります。
ドアポストが外れないようにする
玄関ドアにポストが付いている場合、そこから手や工具を入れて鍵を開けられる可能性があります。外側のドアポストには目隠しを付けて、郵便物が見られないようにしましょう。また、内側の郵便受けも外れないようにがっちり取り付けてください。
難しい場合は、郵便受けから手を入れても届かない場所に補助錠を設置しましょう。
防犯フィルムをガラスに貼る
玄関ドアやその近くにガラスがある場合、ガラスを割られて侵入される危険性があります。それを防ぐため、ガラスに防犯フィルムを貼りましょう。そうすることで焼き破りやこじ破りを防ぐことができます。
窓やガラス全体に防犯フィルムを貼ることで効果を発揮しますので、一部分のみ貼るというのはなるべく避けてください。CPマークの付いた防犯フィルムを選びましょう。
ピッキングに強い鍵に交換する
ピッキングを防ぐには、耐ピッキング性能に優れた鍵に交換するのが早いです。耐ピッキング性能が10分以上という鍵も登場しているので、そちらを選びましょう。
また、ピッキング以外に鍵そのものを壊す手口もあるので、耐カギ壊し性能や耐バンピング性能などもチェックすると防犯性の高い鍵を見つけやすいです。
防犯フィルムの施工から鍵の交換まで、防犯対策については鍵のレスキューへご相談ください。
空き巣を近づけないための玄関ドアの防犯対策
ピッキング対策をするなら、ピッキングに強い鍵に交換するのが早いです。
ピッキングに強い鍵を選ぶ基準として、CPマークと耐ピッキング性能の2つを見ましょう。
防犯カメラを付ける
侵入者は犯行などが映ることを嫌がるため、防犯カメラのある場所を嫌がります。玄関ドア付近に防犯カメラを設置することで侵入者を抑止することが可能です。
また、侵入されたとしても犯人の証拠が残るため、事件解決にも近づきます。
防犯アラームを付ける
犯人が玄関ドアに何かしようとした時にアラームで知らせてくれる警報器を取り付けましょう。音で犯行に気付くことができるほか、犯行がバレたくないので犯人は逃げ出します。
誤作動が起こりにくく、しっかりと反応してくれる製品を選びましょう。
人感センサーを付ける
侵入者は周りから気付かれたくないので、暗い場所を好みます。玄関ドア付近が暗く、人目に付かない場合は、人感センサーを取り付けて、人が来たら明かりが灯るようにしましょう。
そうすることで誰が来たのか明らかになりますし、侵入者への嫌がらせにもつながります。
防犯サービスの加入や防犯カメラの設置なども当社へお電話にてご相談ください。
賃貸やマンションで防犯対策を行う時の注意点
賃貸住宅や分譲マンションの場合、防犯対策を行う際に注意することがあります。守らないとお金を取られたり、防犯対策を無駄にされたりするかもしれません。
共有部分の対策は許可を取る
マンションの場合、誰もが使う共有部分に手を加える時には管理組合に許可を取らなくてはいけないことがあります。
玄関ドアの外側が共有部分に該当する場合があるので、防犯プレートの取り付けや鍵交換の際は、管理組合に話をしてみてからにしましょう。
工事を伴うものは許可を取る
賃貸住宅の場合、物件の所有権は貸主にあります。貸主の許可なくリフォームなどを行うことは禁止されていることが多いです。
特に、鍵交換やセンサーの取り付けなど、外側から見てすぐにわかるものだと咎められることがあるので、事前に貸主側に許可を取りましょう。
原状復帰ができる範囲に留める
賃貸住宅だと退去時に原状復帰することが求められます。もし、原状復帰できないと原状復帰代が請求されてしまうので、元に戻しやすい範囲で防犯対策を行いましょう。
物件の価値が上がるような対策だと、原状復帰代なしになることもあるので、対策を行う前に貸主に聞いてみるのが良いです。
玄関ドアの防犯対策をしっかりと行って侵入を防ごう
玄関ドアからの侵入を防ぐことで、空き巣の3割を防げると言っても良いでしょう。それくらい価値のあることなので、できる範囲から始めることが大切です。