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CP認定錠について解説
鍵のカタログを見ると、『CP認定錠』『CP-C認定』が記載されていることがあります。ただ、CP認定錠と言われても普通の方はよく分かりませんよね。
そこで、CP認定錠とは何かについて解説します。他にも、CP認定錠のメリット・デメリット、主なCP認定錠なども解説しますので、ぜひ参考にしてください。
CP認定とは
そもそも『CP認定』とは、警察庁、国土交通省、経済産業省、建物部品関連団体で構成される官民合同会議で定められた基準をクリアした住宅部品に付けられる認定です。
CP認定を得るには、ピッキングやこじ破りなどにたいして5分以上の抵抗時間が認められる必要があります。
ちなみに、CPとは『Crime Prevention(防犯)』の略です。CP認定されている製品ならある程度の防犯対策がされていると考えてよいでしょう。
なぜ5分以上の抵抗時間なのか
侵入をしようとした被疑者の約7割が5分以内に侵入できなかったら、侵入を諦めるというデータがあります。
これに基づいて、5分以上の抵抗時間を防犯性能の基準とされました。
CP認定錠とは
CP認定錠とは、CP認定を受けた鍵のことです。ピッキングやサムターン回し、ドリリング、こじ開けなどに対して5分以上の抵抗時間がかかった鍵がCP認定錠になります。
錠なので、鍵穴ではなく鍵全体が対象です。そのため、『CP認定シリンダー』『CP認定サムターン』『CP認定補助錠』と分類されていたとしても、すべてCP認定錠に含まれます。
CP-C認定とは
CP-C認定とは、防犯性の高い交換用シリンダーとして認められたもののことです。交換用シリンダー単体に対して、耐ピッキング性能に優れていれば認定されていました。
2004年に新しいCP基準が設けられたため、この制度は廃止となりました。
従って、これまでCP-C認定とCP認定で分かれていたものが、CP認定に統一されています。
CP認定錠を取り付けるメリット
CP認定錠を取り付けると、防犯性が高くなるというメリットがあります。官民合同会議で認められた基準をクリアしているので、ある程度防犯性は高いです。
今現在付いている鍵がCP認定錠の場合は、鍵の防犯性に関して心配することはあまりないでしょう。
もし、今の鍵がCP認定錠ではなく、防犯性も高くないのなら、CP認定錠を判断材料の1つとして、鍵を選んで交換すると空き巣被害に遭う確率を減らすことができると思います。
CP認定錠を取り付けるデメリット
CP認定錠を取り付けるデメリットは、鍵を紛失して鍵開けをしてもらう時の料金が高くなることです。
CP認定錠はその防犯性の高さから鍵屋さんでも開けるのが難しく、技術料や鍵を開けるための道具代がかかるため、鍵開けの料金が高くなります。
また、鍵を壊して開けるしかないケースも出てくるため、鍵交換費用もかかり、さらに料金が高くなるということもあるので、鍵は失くさないようにしましょう。
主なCP認定錠の紹介
現在付いている鍵の防犯性が低くて、CP認定錠に交換しようと思っている方で、どのCP認定錠がおすすめなのか気になる方がいらっしゃると思います。
そこで、主なCP認定錠をご紹介しますので、製品選びの参考にしてください。
シリンダー
外側に付いているシリンダーは、防犯性が高くないと簡単に侵入されてしまいます。
そのため、防犯性の高いシリンダーにすることは必須とも言えるでしょう。CP認定を受けているおすすめのシリンダーを紹介します。
MIWA PRシリンダー
美和ロックが開発したディンプルキーで、今では多くの住宅で使用されています。
理論鍵違い数は1,000億通りです。ロッキングバーとアンチピッキングタンブラーを採用しているため、ピッキングは非常に困難となっており、耐ピッキング性能は10分以上となっています。
値段も10,000円程度で購入できるため、MIWA製品を選ぶならPRシリンダーがおすすめです。
GOAL V18シリンダー
西日本でよく使用されるGOAL社の鍵。その中でも多く使用されているのがV18シリンダーです。CP認定はもちろん、アメリカのUL防犯規格にも合格した防犯性の高い鍵となっています。
耐ピッキング性能は10分以上、耐カギ穴壊し性能も10分以上、アメリカの耐バンピング試験にも合格しているため、あらゆる不正解錠に強いです。
V18シリンダーも10,000円程度で購入できるので、色々な不正解錠に強い鍵にしたい方へおすすめします。
KABA star neo
スイスで150年以上の歴史を持つKABA社は、銀行の貸金庫でも使用される鍵を開発するなど防犯性の高い鍵を生み出してきました。そんなKABAで最強の鍵と言えばstar neoです。
理論鍵違い数は2兆2000億を誇ります。耐ピッキング性能は10分以上、耐カギ穴壊し性能も10分以上と非常に優れた防犯性能です。合鍵を作成するには暗証番号などの情報が必要になるため、不正な複製を阻止することもできます。
15,000円~20,000円程度と、他の鍵に比べて高価ですが、それほどの精密さや防犯性を持っている非常に優れた鍵です。
サムターン
内側に付いているサムターンですが、外側から工具を使って不正に開ける『サムターン回し』をやられてしまうと簡単に侵入されてしまいます。
サムターン回しに強いサムターンにすることで、シリンダーでは防げない不正解錠も阻止することができますので、心配な方はCP認定サムターンに交換してみてはいかがでしょうか。
MIWA スイッチ式シリンダー
サムターンに2箇所付いているスイッチを押しながらでないと解錠できません。また、サムターンが水平状態を保っていないと、スイッチが押せない構造になっています。
そのため、工具でサムターンの片側を押しても、サムターンが回らないため解錠できません。
値段は4,000~5,000円程度と少し高めですが、防犯性と使いやすさに優れているので、コスパは良いと思います。
GOAL TMB型防犯サムターン
普通にサムターンを回すだけだと、空転して施錠・解錠ができないサムターンです。操作するにはスイッチを押して、扉側に押し込まなければいけません。
そのため、工具を使って片側だけ押し込む不正解錠を防ぐことができます。蓄光部材が付いているので、暗い所でも見やすいです。
値段は4,000~5,000円となっています。単にスイッチを押すだけの対策では物足りない方におすすめです。
KABA セーフティサムターン
サムターンに鍵穴が付いている特殊なタイプです。
在室モードの時は、サムターンを回すことで鍵を操作できます。外出モードにすると、サムターンが空転するため、鍵を操作することができません。外出モードなら工具はもちろん、手を使った不正解錠も防ぐこともできます。
専用キーを使ってモードを切り替えられるため、子供などの勝手な飛び出しも防ぐこともできる、防犯対策以外にも役立つサムターンです。
値段は8,000~10,000円程度と高めですが、サムターン回しや徘徊など色々なトラブルを防げるコスパに優れたサムターンだと思います。
補助錠
1つのドアに2つの鍵を取り付けるワンドアツーロックが防犯対策として推奨されています。
もし、ドアに鍵が1つしかなくて心配な方は、CP認定補助錠を取り付けて、防犯性を高めると良いでしょう。
MIWA ND3F-BLシリーズ
面付なので、彫り込み不要、穴を開けるだけで取り付けられるタイプの補助錠です。デッドボルトが鎌状になっているので、バールなどを使ったこじ開けに強くなっています。
サムターンはスイッチ式を採用しているため、サムターン回しにも強く、操作性も良いです。鍵の種類はU9・PR-J・LB-J・JNから選べ、いずれも耐ピッキング性能に優れています。
GOAL 面付本締錠MHJ
GOAL製の面付本締錠で、補助鍵として使用するのに優れています。鍵はV18、GVから選ぶことができ、どちらも耐ピッキング性能、耐カギ穴壊し性能が高いです。
錠ケースは焼入硬製のプロテクターがあるので、ドリリングやカム送りなどの不正解錠も防ぐことができます。
サムターンはTME型を標準搭載。モードを切り替えればサムターンが空転するので、サムターン回しを防ぐことが可能です。
KABA star neoセーフティリムロック 6533
KABAの面付本締錠です。デッドボルトは鎌状なので、こじ開けに強くなっています。セーフティサムターンが搭載されているので、サムターン回しも防ぐことが可能です。
鍵はKABA star neoなので、耐ピッキング性能や耐カギ穴壊し性能にも優れています。
値段は30,000円ほどしますが、これ1つで様々な不正解錠を防ぐことのできる優れものです。
CP認定錠に交換する方法
今付いている鍵をCP認定錠に交換する方法をご紹介します。
自分で交換するか、業者に交換してもらうかになるのですが、交換する鍵の種類によって異なりますので、当てはまる方を参考にしてください。
自分で交換する
シリンダーやサムターンのみを交換する場合は、自分で交換することができます。互換性のある製品ならドライバーのみで交換できるので、自分でも簡単に交換可能です。
ただ、互換性のある製品選びや購入、施工まで自分でやる必要があるため、知識を入れておかないと失敗する可能性があります。
自分で鍵交換を行う方法が詳しく書いていますので、ぜひこちらを参考にしてください。
業者に依頼する
補助錠を新しく取り付ける場合は、業者に依頼する方が良いです。ドアに穴を開けるため、工具や技術が必要になります。失敗するとドアを傷つけてしまう他、鍵を取り付けられずに終わるかもしれません。
安心して補助錠を使用するためにも、施工技術のある業者に依頼して適切に取り付けてもらいましょう。
鍵屋さんに相談する場合は全国対応の鍵のレスキューまでお電話下さい。
CP認定錠だけの防犯対策では不十分
CP認定錠を取り付けただけでは、防犯対策を十分に行ったとは言えません。あくまでも鍵周りの防犯性を高めただけで、他の侵入経路の防犯性も高める必要があります。
特に、窓は空き巣の侵入経路として玄関と同じくらい使用されるため、防犯性を強化しなければいけません。
その他にも、普段の生活から空き巣を侵入させないようにしたり、犯罪に巻き込まれない家づくりをしたりする必要があります。
CP認定錠はあくまでも防犯対策の1つであり、他も強化しなければいけないことを覚えておいてください。
CP認定錠で玄関などの防犯性を高めよう
今使用している鍵の防犯性が心配な方はCP認定錠に交換をして、安全な生活を送れるようにしましょう。
玄関だけではなく、勝手口や門扉などにもCP認定錠を取り付けて、空き巣の侵入を徹底的に防ぐことが大切です。