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- 自分でできる玄関や車、自転車にも使える鍵の修理方法
鍵を修理して快適に使おう
「最近、鍵が回りにくくなった」などでお困りではありませんか。
その症状を放置しておくと、鍵が使えなくなるかもしれません。
そこで、自分でできる鍵の修理方法をご紹介します。
症状や場所に応じた修理方法をご紹介するとともに、費用や予防策もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
鍵の修理が必要な状態
鍵の違和感と言っても、様々な症状があると思います。
症状によって修理方法が異なりますので、あなたの抱える症状は何か確認してください。
鍵が回らない
鍵が回らない場合は、鍵と鍵穴がうまく噛み合っていないことや、鍵の潤滑が悪くなっていることが原因です。
鍵穴のゴミを取り除き、動きを潤滑にしてあげることで解決ができます。
鍵が壊れていて回らなくなっている場合は、部品や鍵そのものの交換が必要です。
鍵が抜けない
鍵が回らない時と同様に、鍵と鍵穴がうまく噛み合っていないことや、鍵の潤滑が悪くなっています。
鍵が抜けない場合は、鍵穴内を掃除し、潤滑を良くしてあげることが大切です。
鍵穴の故障がみられる場合は、鍵そのものを交換する必要があります。
鍵がささらない
鍵がささらない場合は、鍵穴に異物が詰まっているか、鍵が曲がっていることが原因として挙げられます。
鍵穴の異物を取り除いてあげること、新しい鍵を使うことで解決する可能性が高いです。
鍵が開いている状態なら、鍵交換を行うこともできます。
どこの鍵を修理するのか
基本的にどこの鍵でも修理を行うことができます。しかし、一部の鍵や作業は専門業者でないと行うことができません。
どこの鍵だと自分で修理ができるのか抑えておきましょう。
玄関
玄関の鍵は一番使用頻度が高く、屋外に晒されていることが多いことから、故障しやすいです。
鍵の取り付け自体はそこまで難しくないので、修理や交換は自分でも行うことができます。
修理する業者は鍵屋さんで、即日対応が可能です。
窓
窓の鍵も使用頻度が多いので、修理の頻度が高い方です。
ただ、鍵穴がないものが多く、通常の鍵とは修理方法が異なります。
鍵のみなら取り付けが複雑ではないので、自分でも交換や修理が可能です。
業者に依頼する際は、鍵屋さんか工務店さんになります。
車
基本的な修理は行うことができますが、分解や交換などは業者に依頼することになります。
車の場合、ハンドルやドア内にシリンダーが埋まっているため、解体作業が必要です。
交換や分解などはディーラーに依頼するか、自動車修理工場に依頼することになります。
スマートキーの作製や修理は一部の鍵屋さんでも行うことができますので、色々と当たってみましょう。
バイク
スマートキーを使うバイクも最近増えてきましたが、鍵をさして使うタイプが多いです。
バイクも車同様、シリンダーが埋まっていることが多く、解体ができないと交換や分解ができません。
簡単な修理は自分でもできますが、交換などはバイクの専門業者などに依頼しましょう。
自転車
自転車もシリンダーが埋まっているタイプが多く、シリンダーのみの交換や分解は難しいです。
しかし、自転車は比較的安価で、自分で交換することができます。なので、シリンダーのみではなく、鍵全体を交換してみてはいかがでしょうか。
金庫
鍵を使うタイプはもちろん、ダイヤルやテンキー、生体認証を使う金庫も存在します。
金庫の作りは複雑なため、自分で修理を行うのは難しいです。
修理を行う際は、金庫を購入したお店や金庫会社の委託先、鍵屋さんなどに依頼しましょう。
製品の保証期間内なら無料で修理を依頼することもできます。
自分でできる鍵の修理方法
ここからは自分できる鍵の修理方法をご紹介します。分解洗浄や鍵交換以外は、どの症状や場所でも使えるのでやってみてください。
鍵の異物を取り除く
どの鍵のトラブルにも共通して使える修理方法です。
シリンダー内に小さなゴミが入っている時に使えます。鍵がささりにくい・回りにくいなどの症状はこれで解決できることが多いです。
掃除機を使う
掃除機のノズルをシリンダーに当て吸引します。これでシリンダーのゴミを外へ出すことができます。
空気入れを使う
自転車の空気入れやエアダスターなどを使う方法です。
シリンダーに先端を当て、空気を送ります。空気の力でゴミがシリンダーの外へ出ていきます。
鍵用の潤滑剤を使う
鍵が回らないなどのトラブルに有効で、玄関や車など色々な所に使える修理方法です。
動きの悪くなった鍵に潤滑剤を使ってあげることで、動きを滑らかにすることができます。
しかも分解などの難しい作業は必要ないので、修理が簡単です。
1鍵穴内のゴミを取り除く
掃除機などで鍵穴内のゴミを取り除きます。
2鍵が濡れていないか確認する
潤滑剤の特性上、水と混ざると固まってしまいます。
もし濡れた状態で使用すると、鍵穴内でダマとなり、鍵が挿さらなくなる可能性がありますので、乾いているか確認してください。
3鍵穴に潤滑剤を噴射する
鍵が乾いていることを確認したら、布を鍵穴の下にセットし、鍵穴に潤滑剤を噴射します。
溢れてきた潤滑剤は布で拭き取ります。
4鍵を抜き差しする
鍵穴に噴射したら、鍵を数回抜き差しし、鍵を左右に回します。潤滑剤が鍵穴全体に行き渡ったら、作業完了です。
鍵を鉛筆でなぞる
鍵用の潤滑剤がすぐに用意できない場合は、鉛筆を潤滑剤の代用とすることも可能です。
鉛筆の芯に含まれる黒鉛が潤滑剤と同じ役割を果たします。
この修理方法はあくまで応急処置なので、潤滑剤の方がおすすめです。
1シリンダーにささる部分を鉛筆で強くなぞる
鍵の側面と正面を鉛筆で強くなぞります。ディンプルキーの場合はくぼみもしっかりとなぞりましょう。
黒鉛が付きにくい場合は、鉛筆の芯をカッターなどでこそぎ落とす方法を試すのもありです。
2鍵を鍵穴にさす
黒鉛の付いた鍵を鍵穴に数回抜き差し、数回鍵を回します。黒鉛が多いと感じた場合は、掃除機などで吸い取ってあげましょう。
鍵を分解洗浄する
鍵を分解して、細かい汚れを落とす修理方法です。玄関など取り外しができる鍵で使うことができます。
分解洗浄は技術と知識が必要な作業で、失敗すると鍵が使えなくなることもありますので、あまりおすすめはできません。
鍵を交換することもいとわない方や、手先の器用さに自信がある方はチャレンジしてみてはいかがでしょう。
※鍵の種類によって分解方法は異なります。
1鍵を取り外す
ドア側面のフロントプレートをネジで外します。その後、かんざしをマイナスドライバーで外すと、シリンダーを取ることができます。
2鍵の部品を外す
シリンダーの裏側にあるネジを外します。そのあと、内筒を取り出し、Cリングを外します。
3ストッパーを外す
筒に付いているストッパーを外す必要があります。マイナスドライバーを当て、ハンマーで軽く叩きながら外します。そうすると、筒から鍵を取り外すことができます。
4スプレーで洗浄する
パーツクリーナーを鍵に噴射し、布で拭き取ります。その後、鍵を元に戻して作業完了です。
窓
窓に付いているクレセント錠を洗浄する方法です。窓から取り外すのは比較的簡単なので、動きが固いと思ったら試してみてください。
1上のネジを外す
まずはクレセント錠の上側のネジを外します。外れたら、下のネジを少しだけ緩め、クレセント錠をずらします。
2上のネジで裏板を仮止めする
上のネジをクレセント錠に入れないで止めます。これで窓に付いている裏板を固定します。
3下のネジとクレセント錠を外す
上のネジを仮止めした状態で下のネジを外します。そうするとクレセント錠が外れます。
4クレセント錠をきれいにする
外したクレセント錠をタオルなどできれいにします。そのあと、シリコンスプレーや鍵用の潤滑剤を塗布して動きを滑らかにします。
あとは元通りにクレセント錠を取り付けて終了です。裏板が落ちないように取り付けてください。
建付けを良くする
鍵穴ではなく、ドアや建物の建付けが悪くなることで鍵が回らないなどのトラブルが発生します。
ドアの蝶番などを確認してネジを締め直してください。
建付けが悪くなっている原因は色々ありますので、分からない場合は業者に依頼しましょう。
鍵を交換する
鍵の修理を行っても鍵が直らない場合は、鍵交換して鍵を新しくしましょう。
鍵交換をすれば、一部の部品交換や鍵の分解などを行う必要はありません。
なお、家の鍵が開いている状態でないと鍵交換はできませんので、ご注意を。
家の鍵なら自分で行えますが、車やバイク、金庫などは専門業者に依頼して交換してもらいましょう。
1フロントプレートを外す
鍵の側面に付いているフロントプレートを外します。
2かんざしを取る
鍵を固定しているかんざしをマイナスドライバーで取り外します。そうするとシリンダーを外すことができます。
3交換用のシリンダーを取り付ける
交換用のシリンダーを穴に当て、かんざしを挿して固定します。その後、フロントプレートを付ければ交換完了です。
鍵交換の詳しい方法はこちらでご確認ください。
合鍵を作る
シリンダーではなく、キーが曲がっていたり、壊れていたりする場合は、合鍵を作って解決しましょう。
合鍵は鍵番号があればインターネットでも購入することができます。
また、鍵屋さんに持ち込めば、その場ですぐに鍵を作ることも可能です。
ただし、複製キーから複製キーを作ることはできませんのでご注意ください。
鍵修理の際にやってはいけないこと
せっかく鍵を修理しようと思ったのに、逆に鍵を壊してしまう可能性があります。
鍵の修理を行う際にやってはいけないことがあるので、確認して作業を行ってください。
爪楊枝などの折れやすい物を鍵穴に入れる
シリンダーのゴミを取るために、爪楊枝などの壊れやすいものを入れるのはダメです。
シリンダー内で折れてしまうと、鍵がささらないなどのトラブルに発展してしまいます。
異物を取る際は、金属製のものや掃除機などを使用してください。
鍵用以外の潤滑剤を使う
食用油やKURE5-56を鍵に使用することはできません。これらは速乾性がないため、シリンダー内でほこりなど一緒になって固まります。
こうなると、鍵とシリンダーが合わなくなり、鍵が回らないなどのトラブルに発展します。
使ってしまった場合は、鍵用のクリーナーを使って、油汚れを落としてください。
鍵穴を傷つける
シリンダーの異物を針金などで取り除く際は、シリンダー内を傷つけないように優しく行ってください。
シリンダー内のピンを傷つけてしまうと、鍵とシリンダーが合わなくなる可能性があります。鍵は精密で繊細なものですので、十分注意しましょう。
自分で修理するのが難しい時は業者に依頼
自分でできる鍵修理にも限界はあります。特に、分解洗浄や一部部品の交換などは専門知識や技術が無いと難しいです。その場合は、鍵の修理を業者に依頼しましょう。
ただ、すべての鍵トラブルが1つの業者で解決できるとは限りません。修理する場所によって依頼する業者が異なりますので、あらかじめ抑えておきましょう。
鍵屋
鍵屋は、玄関や金庫、車など様々な場所の鍵修理を行うことができます。しかし、車やバイクなどの鍵交換や分解洗浄となると、対応している鍵屋さんは少ないです。
鍵だけでなく、車やバイクの構造にも精通している鍵屋さんはそれほど多くありません。
鍵のレスキューは、車両の鍵修理や作製なども行うことができます。
住宅の鍵トラブルや、車両の簡単な鍵修理は鍵屋に依頼しましょう。車両の鍵交換を行う場合は、一旦鍵屋に確認するか、自動車修理工場やディーラーに依頼することになります。
工務店
住居の建付けやリフォームに関することは工務店に依頼しましょう。
玄関ドア一式の交換や、基礎部分の工事などはリフォーム業者や工務店の守備範囲になります。
鍵屋に依頼して、難しい作業があれば工務店に依頼するという流れです。
自動車修理工場
車の鍵交換などは自動車修理工場の守備範囲です。
工場に直接依頼しに行くこともあれば、ディーラー経由で依頼することもあります。
鍵屋で断られた鍵交換などがあれば、修理工場やディーラーに依頼しましょう。
鍵修理にかかる費用とは
一部パーツの交換や簡易的な作業だと2,200円~というのが相場とされています。鍵の種類や症状によっては値段が高くなります。
ここに出張費や深夜割増などが加算されるため、6,600円~になることが多いです。
分解洗浄や異物除去になるとそれ以上の費用がかかります。
状況によっては数万円以上かかることがありますので、色々と検討してみましょう。
賃貸の場合は誰が負担するのか
劣化による鍵修理の費用は貸主側の負担になることが多いです。
ただし、貸主が契約している鍵屋に依頼する必要がある、事前に話を通しておくなど、あらかじめ準備しておく必要があります。
また、契約内容によって借主が負担することもありますので、事前に貸主と相談しておきましょう。
鍵が壊れる原因と予防
そもそも鍵が壊れなければ修理する必要はありませんよね。
鍵が壊れる原因を知っていれば、壊れないようにする予防を行うことができます。
経年劣化
鍵は何年も何回も使うと摩耗、劣化していきます。鍵の寿命は10年程度と言われているので、長い年月が経過したら、寿命だと思って交換してください。
急に使えなくなる前に、違和感がある時点で交換しておくと良いでしょう。
鍵をなるべく長く使いたいという方は、日頃からメンテナンスを行うことが大切です。
鍵の掃除は月に1回程度行いましょう。また、雨風に晒されないようにカバーを取り付けるのも有効です。
シリンダー内のゴミ
シリンダー内にほこりや砂が入り込むことで、鍵が壊れてしまいます。
特に、精密な鍵であるほど影響を受けやすいです。
予防策としては、シリンダーのこまめな掃除です。ゴミが溜まらない内に取り出しておきましょう。
鍵用以外の潤滑剤
鍵用以外の潤滑剤を使うことも鍵が壊れる原因の1つです。
KURE5-56などの潤滑剤はほこりなどと一緒になりやすい性質があるので、鍵への使用には向いていません。
もし、鍵用以外の潤滑剤を使ってしまった場合は、鍵用のクリーナーでシリンダーの油汚れを落としてください。
いたずら
イタズラでシリンダーに石や接着剤を入れられるケースもあります。最悪の場合、家に入れなくなることも。
自分の子どものいたずらでない限りは、器物損壊で警察に被害届を出しましょう。
予防策は、シリンダーにカバーを付けて鍵穴に物を詰められない状態にすることです。また、防犯カメラの設置を行い、犯人特定を行いましょう。