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鍵が折れた時の対処法
「鍵を回そうとしたら折れてしまった」
「鍵の先端が折れて、鍵穴に詰まった」
という鍵折れのトラブルはよく起こります。
折れた鍵を取り出さなければ、スペアキーを使っても鍵を回すことができません。
「でも取り除くにはどうすればいいか分からない」
そんなお悩みを解決するため、折れた鍵を取り出す方法をご紹介します。
写真付きで詳しく解説していきますので、一緒にやってみてください。
また、やってはいけない対処法もあるので、行わないように注意しましょう。
鍵が根本から折れた場合
鍵が根本から折れた場合、鍵穴の手前にあるので道具などが届きやすいため、比較的簡単に取り出すことができます。
折れた鍵が鍵穴から出ていればペンチやニッパー、鍵穴から出ていなければピックやピンセットを使えば、取り出し可能です。
ペンチなどで折れた鍵を取り出す
折れた鍵が鍵穴から出ていますが、手では掴みにくいのでペンチやニッパーを使用します。
鍵穴から出ていない場合は、細めのピンセットを使ってください。
1ペンチやニッパーで折れた鍵の先端を掴む
鍵をしっかりと掴みます。この時に鍵を奥に押し込まないように注意してください。
2鍵を引き出す
鍵を掴んだら、そのままゆっくり引き出しましょう。
もし、鍵が引っかかっている感触があれば、鍵を上下左右に動かしながら引き出してみてください。
そうすることで鍵の引っかかりが解消されて、取り出せると思います。
また、鍵穴に鍵穴専用の潤滑剤を入れ、滑りを良くしてから引き出すのも有効です。
ピックツールなどで鍵を取り出す
鍵穴から鍵が出ていない場合は、ピックツールなどの先が曲がった金属で鍵を出してあげる必要があります。
ピックツールの代わりに、強度のある針金などでも代用可能です。
方法は、ピックツール2本を鍵に引っかけて引き出します。
鍵を横から持ち上げたり、鍵の表面に引っかけたりすると取れやすいです。
この時に、鍵穴のピンを傷つけないように気を付けましょう。
鍵の先端が折れた場合
鍵の先端が折れてしまうと、鍵穴の奥に折れた鍵が詰まってしまいます。そのため、道具が使いづらく、取り出すのは極めて困難です。
ただ、方法はありますので試してみてください。
ピンバイスを使う
ピンバイスとは、普通のドリルよりも細かい穴を開けるのに使える工具です。模型やプラモデルに穴を開ける時によく使われます。
このピンバイスを鍵穴に残っている折れた鍵に刺し、そのまま引き出すという方法です。
簡単そうに思えますが、鍵穴内が見えにくいこと、鍵にピンポイントで穴を開けなければいけないことから、手先の器用さが必要になります。
穴を開ける場所を間違えると鍵穴内を傷つけて、鍵が壊れてしまうリスクあるので気を付けてください。
1ピンバイスを折れた鍵に当てる
まず、ピンバイスの後ろ部分を手のひらに当て、固定します。
その状態で折れた鍵にドリルの先端を当てるのですが、正しい箇所に当てるためにスマホのライトなどを使って目視しましょう。
ドリルを当てる時は、鍵を奥に押し込まないように注意してください。
2ピンバイスを回して折れた鍵に穴を開ける
鍵にドリルを当てた状態で、ドリルに近い部分を人差し指と親指でまわし、穴を開けていきます。
この時に水平に穴を開けるのではなく、少し角度を付けることと鍵が引き出しやすいです。
3ピンバイスを引っ張り、鍵を取り出す
ドリルがしっかりと鍵に刺さったら、鍵をゆっくりと引き出しましょう。
シリンダーを分解する
鍵が開いていれば、シリンダーを分解して反対側から折れた鍵を押し出すことができます。
ただ、シリンダーの分解は、知識と技術が必要な高難易度の作業です。また、部品の紛失や破損を起こすと鍵が使えなくなるのでご注意ください。
1シリンダーを取り外す
ドア側面に付いているフロントプレートを取り外します。
そうすると鍵本体(ケース)が出てきますので、ケースに付いている「かんざし」マイナスドライバーで抜きましょう。
そうすると固定されていたシリンダーを取り外すことができます。
2シリンダーの内筒を取り出す
次にシリンダーを分解していきますが、メーカーや鍵の種類によって分解方法が異なります。今回は一例として見てください。
また、鍵の部品を1つでも失くしたり、組立てを誤ったりすると鍵として機能しなくなってしまいます。
外した部品は順番に並べていくとわかりやすいです。
まずは、スナップリングを取り外して、中の内筒を取り出します。
スナップリングは通常、専用工具で取り外しますが、マイナスドライバーでも代用可能です。
3テールピースまで外す
内筒を取り出せたら、内筒に付いている「Cリング」を外します。Cリングが外れると、ワッシャー、テールピースも外れます。
4折れた鍵を押し出す
テールピースまで外れたら、鍵穴の奥側からクリップなどで折れた鍵を押し出します。
鍵が取り出せたら、分解した反対の順番で鍵を組立て、ドアに取り付けましょう。
鍵を交換する
鍵が開いている状態なら、鍵そのものを交換する方法もあります。
鍵の分解ができない方や、老朽化が原因で鍵が折れた方、鍵穴が壊れた方におすすめの方法です。
一番簡単な鍵交換の方法は鍵屋に頼むこと。鍵選びから取り付けまですべて行ってくれるので安心かつ楽です。
費用を抑えたい方は自分で交換してみてはいかがでしょうか。インターネットやホームセンターでシリンダーを購入できますので挑戦してみてください。
鍵の交換方法は別のコラムで紹介しています。
鍵が折れた時にやってはいけない対処法
折れた鍵を取り除くために色々な方法を試そうと思いますよね。
しかし、やっていけない方法を行うと鍵が壊れ、交換せざるを得ない状況になってしまいます。
そうならないためにも、やってはいけない方法を覚えておきましょう。
アロンアルファなどの接着剤でくっつける
折れた鍵同士をくっつけて、鍵穴から取り出すのは危険な方法です。鍵穴内に接着剤が付着する可能性があります。
鍵穴内に接着剤が付着すると、ピンが動かなくなったり、鍵がささらなくなったりする可能性が高いです。
付着した接着剤を取るのはとても難しく、鍵を交換せざるを得なくなるので、やらないようにしましょう。
グルーガンやグルースティックでくっつける
グルーガンなどで、グルースティックと折れた鍵をくっつけて取り出すのも危険ですのでやめましょう。
これも瞬間接着剤と考え方は一緒で、鍵穴内にグルースティックが付着すると鍵が壊れてしまいます。
特に鍵の先端が折れた場合だと、鍵穴の奥にグルースティックを入れる必要があるため、鍵穴に付着する可能性が高いです。
針金などで無理やり折れた鍵を取ろうとする
細い針金などで鍵を引き出すのは有効な手段ですが、無理やり掻き出すのは避けてください。
無理に掻き出すと、鍵穴内のピンが削れたり、壊れたりして鍵が使えなくなります。
特に、ディンプルキーのような精密な鍵だと少しの誤差でも鍵が回らなくなる可能性が高いです。
針金を使う際は、鍵穴を傷つけないように優しく扱ってください。
自転車の鍵が折れた場合は?
家の鍵だけではなく、自転車の鍵も折れることが多いです。折れた鍵の取り出し方は、自転車も家もさほど変わりはありません。
ただ、家の鍵よりも自転車の鍵は値段が安いため、鍵を壊すという手段を考えるのもありだと思います。
なので、交換することをいとわないなら、針金などを使って少し強引に鍵を取り出しても良いかもしれません。
また、鍵の部分を逆さにして、ピックツールで掻き出してみるのも有効な手段です。
自転車屋に行けば、鍵を壊すところから交換まで行ってくれますので、相談してみましょう。