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- 徘徊防止にも使えそうな鍵やグッズは?閉じ込めは監禁罪・虐待にあたる?
徘徊防止に使えそうな鍵

警察庁の統計では、令和7年(2025年)の認知症に係る行方不明者数は延べ17,345人でした。前年より776人減少していますが、依然として高い水準にあります(出典:警察庁「令和7年における行方不明者届受理等の状況」)。
徘徊中に行方不明になったり、事故に遭ったりしては大変ですし、何より心配ですよね。
そこで、徘徊防止のために鍵を取り付けたい方がいらっしゃると思います。
しかし、
「どのような鍵を付けてよいのかわからない」
「鍵の取り付け方法が分からない」というお悩みをお持ちではないでしょうか。
今回はそんなお悩みを解決するために、徘徊防止になるような鍵をご紹介します。
また、鍵以外にも徘徊防止になるグッズやサービス、対策などもご紹介しますので、参考になれば幸いです。
鍵を取り付けることは犯罪にあたる?

徘徊防止が目的でも、本人が自分の意思で開けられない場所に閉じ込める行為は、身体拘束に当たります。本人や家族の同意があるだけで認められるものではなく、原則として行わないことが厚生労働省の手引きで示されています。
緊急やむを得ない場合も、次の3要件をすべて満たすかを関係者で慎重に検討し、必要な説明・記録・見直しを行うことが求められます。
- 1. 切迫性:本人や他の人の生命・身体に重大な危険が迫っていること
2. 非代替性:身体拘束以外に危険を避ける方法がないこと
3. 一時性:身体拘束が一時的なものであること
家族だけで判断せず、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談してください。施錠以外の見守り方法と、緊急時に家族等が解錠・避難を支援できる体制も確認しましょう。
参考:厚生労働省「介護施設・事業所等で働く方々への身体拘束廃止・防止の手引き」(令和7年3月、21~25ページ)
徘徊防止に使う鍵の種類と選び方
この後は、玄関や窓に取り付ける鍵を次の5種類に分けて紹介します。まずは取り付けたい場所と、今ある鍵を交換するか補助鍵を追加するかで比べてみてください。
| 鍵の種類 | 主な方法・確認すること |
|---|---|
| 両面シリンダー・鍵付きサムターン | 玄関錠の室内側を変更する方法。今の錠前との適合を確認します。 |
玄関用の補助鍵![]() | 今の鍵に追加する方法。穴あけの有無や引き戸への対応を確認します。 |
キーレス錠![]() | 暗証番号やカードなどを使う方法。室内側・室外側それぞれの操作方法を確認します。 |
| サムターンカバー | 室内側のつまみにカバーを付ける方法。施錠機能の有無と取り付け寸法を確認します。 |
窓用の鍵・補助鍵![]() | 窓のサッシなどに取り付ける方法。窓の形状と固定方法を確認します。 |
写真は各種類の一例です。
鍵を選ぶ際は、前述の身体拘束に関する注意点も確認してください。後半では、介護保険の扱い、鍵以外のグッズ、見守りサービスも紹介します。
両面ともシリンダーに交換する
徘徊防止のためには、内側から鍵を開けられなくして、外出を諦めてもらうか、家族に見てもらう必要があります。
そこで考えられるのが、内外両方とも鍵がないと施錠・解錠ができないようにすることです。
内外両方とも鍵がないと開けられない状況にするために両面をシリンダーに交換する必要があります。
カバ・セーフティサムターン

外に付いているシリンダーを残した状態で、内側のシリンダーを交換できるのがカバ・セーフティサムターンです。
カバ・セーフティサムターンの特徴として、鍵がなくてもサムターンを操作できる点があります。
「在室モード」にすれば、鍵を使わなくてもサムターンを操作することができるので楽です。出かける時は「外出モード」にすると、鍵を使わなければサムターンが空転する状態になります。
取り付けはプラスドライバーとマイナスドライバーがあれば可能です。
フロントプレート、かんざし、サムターンを外すことができれば取り付けられますので、挑戦してみてはいかがでしょうか。
難しい場合は、鍵屋に依頼するのもありです。
玄関に取り付ける補助鍵
次に紹介するのは、玄関の鍵を交換するのではなく、新たに補助鍵を取り付ける方法です。
内側に鍵を追加して、簡単には外へ出られない環境を作ります。
補助鍵は工具不要で取り付けられるものから、穴を開けないと取り付けられないものまであるので、用途や費用、手間などを考えて選ぶと良いです。
ホームセンターで補助鍵を購入する場合は、ドアの種類や厚み、取り付け方法を確認してください。店舗によって取り扱いが異なるため、必要な型番や寸法を控えておくと選びやすくなります。
ひとりで出掛けないで

ガードロック社の製品で、工具不要で簡単に内側に鍵を追加できる補助鍵です。
そのため、ドアを傷つけられない賃貸住宅にお住まいの方などにおすすめします。
仕組みとしては、ロック金具と南京錠を利用して内側に鍵をかけます。
南京錠は0~9の数字を選ぶダイヤルが4つあり、組み合わせ数は10,000通りです。もし、南京錠の番号が分からなくなっても、鍵を使えば南京錠が解錠できるようになっています。
インサイドロック

日本ロックサービス社から出ている後付けできる補助鍵で、プラスドライバー1本で簡単に取り付けが可能です。
かんぬきの操作でロックがかけられ、内側に付いている鍵でロックを解除することができます。
イタズラ防止機能も搭載してあり、鍵が無い状態でロックがかかることがありません。
取り付ける際は、プラスドライバーを使ってビスでドアなどに固定するので、落下などの心配はないです。
穴を開けるので、ドアに傷がつけられない場合や、鉄製のドアだと取り付けられないのでご注意ください。
安心錠

KAKEN(家研)から販売されている固定式の鍵です。
内側にも鍵が付いており、鍵付きのサムターンを装着することで、内側から鍵の操作を行うことができます。なので、サムターンを外せば、鍵が開けられないので、外へ出ることはできません。
サムターンには蓄光材が使われているので、暗い場所でも使いやすいです。また、ピッキングに強いウェーブキーを採用しているので、防犯面でも役立ちます。
この安心錠を後付けするには、穴を開けなければいけません。ビスで固定するだけでなく、シリンダーを取り付けるための穴も開けるので、工具や技術が必要になります。
鍵の後付け方法は説明書を読むか、こちらのコラムを参考にしてください。
難しければ、鍵屋に頼むと良いでしょう。
引き戸に取り付ける徘徊防止の鍵
引き戸は通常の開き戸と違う専用鍵を取り付ける必要があります。
DIYの場合、設置難易度は多少あがるので、以下の記事で詳しく解説しています。
玄関に取り付けるキーレス錠
これまで紹介してきた商品は、内側からロックを操作する時に鍵が必要なものが多く、鍵の管理が増えてしまいます。もし、鍵を失くしてしまった場合、家から出られないことも。
そんな手間を省くことができるのが、キーレス錠です。鍵を使わないので鍵を管理する必要がありません。
キーレス錠は鍵穴が無いものが多く、ピッキングなどの被害に遭う確率も減らすことができ、防犯性の強化につながります。
キーレックス047

長沢製作所が生産している暗証番号で鍵を開けるタイプのキーレス錠です。
両面タイプの面付本締錠だと、内側から鍵を操作する時も暗証番号が必要になります。
この鍵は1~4の数字が並んでおり、それぞれ0~7回ボタンを押すことで暗証番号を入力します。組み合わせ数は4096通りです。
※2021年1月29日に廃番
ZEUS-LOCK

ジャパンキーサービスが生産している電子錠です。ICカードや暗証番号で鍵を操作することができます。
普通の電子錠と違うのが、セキュリティモードが搭載されていることです。
セキュリティモードをONにした状態で外へ出ようとすると、アラームで外出を知らせてくれます。また、内側から鍵を開けるのが難しいため、外出時も安心です。
ES-F700G

エナスピレーション社が製造しているスマートロックです。
ICカードや暗証番号の他に、指紋やスマートフォンでの解錠もできます。
内側から鍵を開けるには、専用のICカードが必要ですので、簡単には外へ出られません。
ICカードに不慣れな方は、非常キーも用意されているので安心です。
他にも、不正解錠防止機能や、火災時に自動で解錠してくれる機能なども搭載してあります。
玄関に取り付けるサムターンカバー
玄関の鍵を新しく取り付けたり、交換したりしなくても、サムターンを回せなくする方法があります。それはロック機能付きのサムターンカバーを取り付けることです。
サムターンにカバーを付けることで、内側から鍵を回せなくなります。
また、「サムターン回し」という空き巣の手口も防ぐことができます。
ノムラテック サムターンカバー

ノムラテック社が開発した施錠機能付きのサムターンカバーです。
両面テープで取り付けができるので、賃貸住宅でも安心して使えます。
サムターンカバー自体に施錠機能が付いているのも特徴的です。
サムターンカバーの暗証番号が合っていないと、フタが外れないので、内側からサムターンを操作することができません。
安価で手軽にサムターンを操作できないようにしたい方におすすめです。
窓に取り付ける鍵
玄関から出られなくなると、窓や勝手口など、様々なところから外出を試みようとします。
窓からの落下や転倒などの事故を防ぐためにも、窓が開かないようにする対策も必要です。
また、窓から空き巣が侵入する確率も減らすことができるので、防犯上の観点からも設置することをおすすめします。
ウインドロックZERO

ノムラテックが製造している、窓のサッシに取り付けるタイプの補助鍵です。
ビスなどでの固定が不要なので、サッシなどに傷をつけず、簡単に設置することができます。
ウインドロックZEROには鍵が付いているので、ロックをすれば窓が開きません。ロックをかけた状態で黒いキャップ状の鍵を外すと、鍵が回らなくなるので2重ロックがかけられます。
なので、外出時に鍵を外せば、窓からの外出を防ぐことができます。
窓用の補助鍵を比較したい方は、種類や取り付け手順をまとめたこちらの記事も参考にしてください。
徘徊防止の鍵交換は介護保険が適用されるのか

徘徊防止だけを目的とする鍵の追加・交換は、原則として介護保険の住宅改修費の対象ではありません。本人の身体状況に合わせた引き戸への変更や、操作しやすいドアノブへの交換とは扱いが異なります。
対象となる住宅改修は、原則20万円までの工事費に対して、自己負担割合に応じて7~9割が支給されます。すべてのリフォームや鍵交換に適用される制度ではない点に注意してください。
対象になるかは工事の目的・内容や本人の状態をもとに自治体が判断します。契約・着工前にケアマネジャーと市区町村の介護保険窓口へ相談し、事前申請の手続きを確認しましょう。
参考:厚生労働省「介護保険制度における住宅改修の概要」、千歳市「介護保険住宅改修 利用の手引き」(令和8年3月版、鍵付きドアノブの取扱例は12ページ)
徘徊防止になるようなグッズ
玄関や窓などに鍵をかけることで徘徊を防ぐことは可能です。しかし、「鍵をかけてまで閉じ込めたくない」という方もいらっしゃると思います。
また、キッチンや階段などの、危険だけど鍵が取り付けられない場所も存在するので、鍵だけではすべてを防ぐことはできません。
そこで、鍵以外にも徘徊防止になるようなグッズについて紹介していきます。
柵

キッチンや階段などの鍵が取り付けられない場所には、柵を設けるのが有効です。目が届くときは柵を開け、寝ている時や外出時は入れないようにすると良いでしょう。
取り付けにはビスやネジでの固定が必要になるので、賃貸住宅に向かないかもしれません。
バリアフリーゲートなどを購入して自分で取り付けるのもありですし、リフォーム業者に依頼して柵を作成、設置してもらうのもありです。
人感センサー

人の動きを感知して、ブザーやライトなどで教えてくれる装置です。玄関やマットレスにおくことで、外出する前兆をとらえ、行動を把握することができます。
行動を把握できると、外出しようとしている所を諭したり、一緒に歩いてあげたりすることができるので、安心です。
人感センサーは赤外線やBluetoothなどのタイプがあり、身に着けるものや設置するものなど様々あります。家の間取りや本人のライフスタイルに合わせた商品を選ぶと良いでしょう。
GPS

外出しても、位置情報が分かれば安心できますし、迎えに行くこともできます。そのためには、GPSを持たせるのが良いでしょう。
小型のGPSが普及しているので、靴や杖、袋などのよく使うものに入れておくことができます。専用のアプリもありますので、24時間どこにいるのかわかるのも安心材料です。
GPSの利用料金やサービス内容は製品によって異なります。介護保険では一定の要件を満たす「認知症老人徘徊感知機器」が福祉用具貸与の対象ですが、GPS端末や通信サービスなら何でも対象になるわけではありません。要介護度や機器の要件、自治体独自の助成も含め、ケアマネジャーや市区町村へ確認しましょう。制度の概要は厚生労働省の福祉用具・住宅改修の案内で確認できます。
身分が確認できるもの

1人で外出をしてしまうと、帰り道がわからなくなり、家に帰れなくなるケースが多数起こっています。道だけではなく、自宅の住所も覚えていないため、家に送り届けてもらうことができません。
そこで、身分が確認できるものを身に着けさせるのがよいでしょう。
保険証などを普段持ち歩く袋に入れておいたり、杖に住所などを記載したりするのが良いと思います。
また、洋服や靴などに名前などを記載しておくのも対策です。
ただし、鍵には個人情報を記載しないようにしてください。万が一、鍵を落とした時に、拾われて空き巣に入られる可能性が高くなってしまいます。
徘徊時に相談できるサービス
家族だけでの介護は中々難しく、ストレスなどを抱えてしまう可能性があります。そのためのセーフティーネットとして、自治体や企業が様々なサービスを提供しています。
それらを活用するのも、徘徊防止や徘徊時に役立ちます。
警備会社のサービス

警備会社では、高齢者の見守りや徘徊時の駆付けサービスなどが提供されています。
家の中で倒れた時や、外出中にケガをした時に駆け付けてくれるので、仕事などで介護が中々難しい方でも安心です。
GPSの販売などを一括で行えますし、ホームセキュリティサービスも充実しているので、すべて任せることもできます。
自治体や地域のサービス

会社のサービスではなく、自治体のサービスを利用するのも有効です。
各自治体には地域包括支援センターが置かれていることが多いので、それを利用してみてはいかがでしょうか。
地域包括支援センターは、高齢者の暮らしをサポートするための機関で、様々な相談に乗ってくれます。
行方不明者を発見してくれるネットワークを構築している自治体があるので、そこへ登録してもらうのも有効な手段です。
もっと身近な所だと、近所の方とつながりを持っておくことが対策になります。
1人で外出している所を見かけたら連絡してもらえるようにすることで、行方不明になる確率を下げられますので、自治会や民生委員の方に相談してみましょう。
徘徊防止のためにできること
鍵の設置や人感センサーなどは、徘徊防止には役立ちますが、徘徊する当人に寄り添ったものではありません。
外出できないストレスから、症状が悪化したり、ストレスを抱え込んでしまったりする可能性があります。
そこで、鍵を使わなくても徘徊を予防・解決する方法をご紹介しますので、参考にしてください。
適度に外出させる

徘徊するのは、何かしらの理由があって行われます。その理由を解消してあげることで徘徊を防ぐことができるでしょう。
1人での外出は危険を伴いますので、付き添ってあげるのが良いです。
歩行は運動にもなりますので、夜の睡眠がよくなり、夜間の徘徊を減らす期待ができます。
生活リズムを整える

生活リズムを整え、夜間は眠るようにしてあげることも対策の1つです。
1日中家で何もせずにいると、生活リズムが正常ではなくなり、夜間の徘徊が起こってしまいます。
日中にラジオ体操や散歩などの軽めの運動や、家事の手伝いなどを行うことで、生活リズムを整え、夜間の睡眠をよくすることができるでしょう。
そのために、デイサービスを利用して、職員や仲間とのコミュニケーションや、運動を行うのも有効な手段です。
居場所を作る

家の中に居場所を作ることで、徘徊を防げるかもしれません。
当人が、置かれている環境や介護にストレスを感じ、家以外の場所に居場所を求めるために、外出をしてしまいます。
居場所を作るために、家事の手伝いや、家庭菜園、内職などの作業をさせてみてはいかがでしょうか。
当人の趣味になれば、家にいる理由ができますし、ストレス解消にもなります。
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