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バンピングの仕組みと防犯対策について解説
不正解錠の1種として使用されるバンピング。どのような方法で鍵を開けるのでしょうか?
今回はバンピングの仕組みや防犯対策について解説しますので、不安な方はぜひ対策を行ってみてください。
バンピングとは
バンピングとは、バンプキーと呼ばれる鍵をさしてハンマーなどで叩いて解錠する方法です。
ピッキングやサムターン回しなどとは違い、技術がほとんど必要ないため、道具さえあれば誰でもできてしまいます。
バンピングは痕跡が残らないため、被害に気付かず、鍵の閉め忘れと勘違いしてしまうことも多いです。
バンピングは発生しやすいのか
バンピングが国内で発生することはあまり多くないとされています。
日本国内で使用されている鍵メーカーだけでもたくさんある上に、メーカーごとに様々な種類の鍵を開発しているため、バンプキーを用意するのが難しいです。
また、下見を行って鍵の種類を把握し、バンプキーを揃えるまでに時間がかかるため、突発的に侵入するような空き巣には使用されません。
しかし、バンピングと無施錠を混合してしまっていることを考えると、統計よりもバンピング被害が多い可能性もあります。
バンピングの仕組み
バンピングについて詳しく知るために、バンピングの仕組みについて解説します。
鍵の基本構造
鍵穴には
- ・トップピン
・ボトムピン
・内筒
・外筒
で構成されており、内筒が回ることでロックを操作することができます。
ピンが間違った位置にあるとピンが外筒に引っかかるため、鍵は回りません。反対にピンが正しい位置にあると、トップピンが外筒、ボトムピンが内筒に収納されます。
ピンによる引っかかりが無くなるため、鍵が回るという仕組みです。
バンピングはピンが正しい位置にある状態を無理やり作って開錠します。
バンピングの理論
バンピングでは、ボトムピンに衝撃を加えてトップピンを跳ねさせます。跳ねたトップピンは外筒に収まるため、ピンの引っかかりがなくなり、鍵が回るようになります。
ピンを跳ねさせるには、ピンが跳ねやすい山の形をしていて鍵穴にささる鍵が必要です。技術的なことは特に必要なく、バンプキーとハンマーがあれば簡単にピンを跳ねされることができます。
バンピングに遭いやすい鍵
どのような鍵がバンピングの被害に遭いやすいのでしょうか?
ピンシリンダー
鍵山が片方だけあるタイプの鍵です。鍵の構造は先ほどご紹介したものと同じで、ピンと内筒・外筒によって鍵が回るかどうかが決まります。ピン以外の仕掛けがないため、バンピングの手法に弱いです。
特に、バンピング対策が講じられる10~20年以上前の鍵の場合は注意してください。比較的新しい場合はバンピング対策が講じられています。もし、不安な部分があるなら鍵交換を行った方が良いです。
ディンプルキー
ピッキングなど様々な不正解錠に強いとされているディンプルキーですが、構造はピンシリンダーと同じとなっています。ピンの数が増えたのですが、構造は変わらないのでバンピングに弱いです。
マルチロックというディンプルキーがありますが、バンピングの被害が世界各国で起こったことがあります。現在はバンピング対策が施されていますが、古いマルチロックの場合は注意が必要です。
バンピングに強い鍵
現在ではほとんどの鍵がバンピング対策を行っているため、被害に遭うことは少ないです。
その中でもバンピングに強い鍵をご紹介します。
ロイヤルガーディアン
世界最高水準の防犯能力を持つロイヤルガーディアン。ピッキングやバンピング対策としてデッドロック機構を採用しています。
正しくないピンの高さで解錠しようとすると、内筒がロックされて鍵が回らなくなる機能です。バンプキーが抜けなくなるとともに解錠もできなくなるので、被害の痕跡を残すこともできます。
鍵由来による被害が発生した際は、最長で2年間金銭での保証を行ってくれるのも安心です。
MIWA PR
MIWAのPRは他のディンプルキーとは異なる作りをしています。通常、ピンが正しい位置に来ることで鍵が回りますが、PRはタンブラーを同時に揃えることで鍵が回る仕組みです。
ピンのようにタンブラーを跳ねさせることは不可能であり、バンピングの手口は通用しません。
ピッキングや鍵穴壊しに対しても優れた耐久性を持っているので、様々な不正解錠を防ぐことができます。
長沢製作所 キーレックス
キーレックスは暗証番号で解錠することができる鍵で、基本的に鍵穴はありません。そのため、鍵穴を攻撃するバンピングを防ぐことができます。
暗証番号で解錠するため、鍵を持ち歩く必要はありません。また、オートロック機能も付いているので、鍵の閉め忘れを防ぐこともできます。
ただし、新たに穴を開けて取り付ける必要があるため、賃貸住宅やマンションなどには向いていません。
スマートロック
スマホやICカード、暗証番号などで解錠することができるスマートロック。鍵穴を必要としないタイプなら鍵穴への攻撃ができないので、バンピングを防ぐことができます。
既存の鍵や鍵穴を利用して取り付けるタイプのスマートロックなら、新たに穴を開けなくても設置・交換が可能です。
鍵を持ち歩く必要がなく、アプリによる自動解錠などもできるので、今の鍵が煩わしいという方はスマートロックを検討してみてはいかがでしょうか。
鍵交換でバンピングを防ごう
バンピングを防ぐにはバンピング対策が施された鍵に交換するのが良いです。賃貸住宅の場合、鍵交換には貸主の許可が必要になるので、無許可での交換は避けてください。
自分で鍵交換を行うこともできますので、腕に自信がある方、費用を安く抑えたい方はぜひ挑戦してみてください。
バンピング以外にも不正解錠の手段はたくさんあります。鍵だけでなく、様々な場所への防犯意識や対策も複合的に行いましょう。