- ホーム
- 鍵屋さんの防犯コラム
- 空き巣が侵入してくる手口とは
空き巣の手口について解説
空き巣に入られて財産を盗まれたり、家を壊されたりするのはたまったものではありません。
そうならないためにも空き巣を防ぐ必要がありますが、手口を知らないと対策を立てられませんよね。
そこで、空き巣の手口について侵入する場所ごとに解説します。
また、一戸建てやマンションなど住宅の種類ごとにどの手口が多いのか、有効な防犯対策についても解説しますので、参考になれば幸いです。
空き巣の手口について場所ごとに解説
はじめに空き巣の手口を場所ごとに解説します。
場所ごとに侵入するための手段が異なるので、それぞれ確認してみてください。
ドアに関する手口
主に玄関や勝手口などのドアで使用される手口です。
よくある手口とその手法について解説します。
ピッキング
ピックとテンションを使用して、鍵穴のピンを揃えて解錠する方法です。
古い鍵ほどピッキング対策がされていないため、狙われやすく開けやすい状態になっています。
サムターン回し
室内に付いているサムターンを工具などで不正に開錠する方法です。
ドアスコープを外したり、ドアに穴を開けたり、ドア横の窓から道具を入れたりするなどして、サムターンを回してきます。
合鍵による解錠
ドア近くに置いてある合鍵や、不正に作成した合鍵で解錠する手口です。ポストや鉢の下などに鍵を隠しておくとこの手口に遭いやすくなります。
また、鍵に刻印されている鍵番号や不正に入手した鍵から、勝手に合鍵を作成して侵入するという手口も最近多いです。
ドア錠破り
ドアの鍵を壊したり、ドアそのものを壊したりして、鍵を無効化する手口です。鍵を壊す時は、ドリルを使用し、鍵がなくても回るようにします。
ドアそのものを壊す時は、バールなどで鍵付近のドアを破壊し、デッドボルトを露出させて鍵を無効にします。
戸板破り
人が入れるようにドアを破壊して侵入する手口です。大胆かつ破壊する手間がかかる手法のため、新しく壊れにくいドアにはあまり使用されません。
人が少なく、壊れやすいドアで使用されるため、古い空き家などが狙われやすいです。
戸外し
ドアそのものを外して侵入する手口です。引き戸の時に多く使用されます。
新しいドアだと簡単に外れることはないので、一般的に使われることは少ないです。戸板破りと同様で、古い空き家などが狙われやすいと思います。
無締り
鍵が閉まっていないドアから侵入する方法です。
開ける手間や時間が全くかからないので、簡単に侵入できます。
窓に関する手口
次にご紹介するのは窓から侵入する手口です。
窓は侵入する場所として大きな割合を占めるため、手段を覚えておくと良いでしょう。
格子破り
窓に付いている格子を壊したり、外したりして侵入する手口です。格子に付いているネジを外したり、のこぎりなどで格子を切断したりします。
人が入れそうな窓はもちろん、トイレなどに付いている小窓も狙われているので、注意が必要です。
ガラス焼切り
窓ガラスにガスバーナーなどを当てて熱した後、水などで急速に冷却することでガラスを割る手口です。
割った時に音があまり発生しませんし、特殊な技術は必要ありません。ライターやガスバーナーなどは簡単に手に入る上に、割るまで20秒ほどと手短なため、厄介な手口です。
ガラスこじ破り
ドライバーを使って、クレセント錠近くに小さな穴を開けて、窓の鍵を突破する手口です。
力を入れてドライバーを窓に当てる方法や、ガラスと窓枠の間にマイナスドライバーを入れて壊す方法があります。
簡単にガラスが割れてしまう他、音も静かなので空き巣にとっては好都合です。
無締り
窓の鍵が開いているところから侵入する手口です。玄関同様、鍵を開ける手間や時間がかからないので、簡単に侵入できてしまいます。
「ここなら侵入できない」と思っていた窓でも、空き巣は体をうまく使って侵入するため、玄関よりも厄介かもしれません。
その他の手口
玄関や窓以外に使用される手口をご紹介します。主に店舗などでよく使われる手口です。
シャッター破り
シャッターを無理やり壊したり、鍵を開けたりして侵入する手口です。シャッターを下から引き破ったり、こじ開けたりして侵入します。
他にもピッキングや、シャッターを壊してサムターンを回すなど手荒い手法が多いです。
自動ドア破り
自動ドアから侵入する手口です。ガラス扉になっている自動ドアが多いので、ガラスを破って侵入してきます。
他には、自動ドアのセンサーを悪用した開け方や、隙間に道具を入れて無理やりこじ開ける手法などもあります。
空き巣の手口で一番多いのは無締り
色々と空き巣の手口をご紹介してきましたが、その中でも多いのが無締りで、全体の42.07%(令和2年警察庁統計より)を占めます。次に多いのがガラス破りです。全体の29.27%を占めます。
無締りとガラス破りを合わせると全体の7割を超えるため、鍵を閉めることとガラスを強化することでほとんどの空き巣を防ぐことができると言っても過言ではありません。
全体ではなく、一戸建てなど家の種類ごとにどのような手口が使われているのか見ていきましょう。
一戸建て住宅で一番多いのは?
一戸建て住宅で一番多い空き巣の手口は、無締まりで52.83%でした。その次に多いのがガラス破りで全体の29.79%を占めます。
一戸建て住宅は玄関の他に勝手口など複数の出入口があるため、マンションなどよりも侵入されやすいです。また、ベランダや居間などの窓に近づきやすいため、無施錠の窓からの侵入やガラス破りなどが起こりやすくなっています。
出入口と窓の鍵をしっかりと施錠していれば、空き巣の約5割を防ぐことが可能です。
4階以上のマンションなどで一番多いのは?
4階以上のマンションなどの集合住宅を表す中高層住宅。その中で最も多いのは無締りで、45.79%を占めます。次に多いのが施錠開けで、22.26%です。その約9割が合鍵による開錠でした。3番目はガラス破りで13.00%となっています。
オートロック付きのマンションだから入られないと思って油断していると空き巣に入られやすいです。また、ポストに鍵を入れたり、トランクルームに鍵を入れたりしていると侵入されやすいので注意が必要です。
その他の住宅で一番多いのは?
2階建てアパートなどその他の住宅で起こりやすい空き巣の手口は無締りで、全体の52.09%を占めます。次に多いのがガラス破りで22.17%、3番目に多いのが施錠開けで12.32%でした。
施錠開けのほとんどが合鍵による不正解錠でしたので、ポストなどに入れて被害に遭う方が多いと予想されます。
2階建てだとベランダや居間などの窓に近づきやすいため、ガラス破りによる手口が多いです。
商店で一番多い手口はどれ?
スーパーマーケットやドラッグストア、コンビニなどの商店で起こる空き巣の手口として多いのが、ガラス破りです。全体の39.51%を占めます。次に多いのが無締まりで24.84%でした。
基本的に営業時間外は出入口の鍵を閉めていることが多いので、無締りの割合が住宅に比べて低いです。その代わり、窓や出入口のガラスが狙われやすくなっています。
商店の場合は、複合的に防犯対策を行わなければ空き巣を防ぐことが難しいです。
空き巣はどこから侵入してくる?
空き巣が一番侵入してくる場所は窓で、全体の38.91%を占めます。次に多いのが表出入口で35.14%です。
窓の鍵が開けっぱなしになっている、ガラスを破れば簡単に侵入できるなどの要因で窓からの侵入が多いと考えられます。
表出入口は人が出入りするのに向いていて、鍵の閉め忘れが起こりやすいことが要因です。
一戸建て住宅とその他の住宅では、窓と表出入口が同じくらいの割合でしたが、中高層住宅だと表出入口が多くなります。ベランダなどからの侵入が難しい分、表出入口から侵入する割合が増えるからだと考えられます。
有効な空き巣対策を解説
空き巣が侵入してくる手口や場所、住宅ごとの割合を解説してきました。大体の傾向が掴めたので、それに対する有効な対策を講じれば空き巣を防ぐことが可能です。
ここからは有効な空き巣対策について解説します。
玄関の空き巣対策
玄関の空き巣対策で一番重要となるのが、鍵を閉めることです。ゴミ捨てで少し家を留守にするくらいの時間でも鍵を閉めてください。閉め忘れを防止するためのグッズもあるので有効活用しましょう。
次に大切なのは鍵の管理です。合鍵をポストや玄関近くに隠すのはやめて、しっかりと持ち歩くようにしてください。
あとは、ドアガードを付けてこじ開けを防止したり、玄関ドアのガラスに防犯フィルムを貼って割られるのを防いだりすることが大切です。
鍵の交換、防犯対策の見直しなどの際は是非当社にお任せください。
玄関の防犯対策について詳しくはこちらで解説しています。
窓の空き巣対策
窓の防犯対策でも重要なのが鍵を閉めることです。使っていない場所の鍵は必ず閉めて、外から侵入できないようにしましょう。
それだけではなく、補助鍵を取り付けることもおすすめします。特に、鍵付きの補助鍵を取り付けることで、クレセント錠が壊されても窓を開けられません。
窓ガラスを割られて侵入する手口を防ぐためには、窓に防犯フィルムを貼るか、防犯ガラスに交換しましょう。
その他の防犯対策
その他にできる防犯対策としては、防犯カメラを設置することです。空き巣に対する抑止力になりますし、犯行を記録して逮捕につなげることができます。
他には、庭の手入れや防犯砂利を敷く、人感センサーや警報アラートを取り付けるなどが有効です。
空き巣が嫌がる家作りや、日頃からできる防犯対策についてはこちらで解説していますので、ぜひご覧ください。
空き巣の手口を知って有効な対策を立てよう
空き巣の手口を知ることはできたでしょうか?手口を理解して有効な対策を立てることで空き巣に入られる確率をグッと下げることができます。
特に狙われやすい一戸建て住宅はもちろん、マンションやアパートにお住まいの方も徹底した防犯対策で財産を取られないようにしましょう。