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- ディスクシリンダーの特徴とは?見分け方やピッキングなどについても解説
ディスクシリンダーについて詳しく解説
鍵の種類でディスクシリンダーというものがあります。現在はあまり見かけることがありませんが、古い住宅などには残っているのも事実です。
今回はそんなディスクシリンダーについて詳しく解説してきます。メリット・デメリットなどを解説しますので、気になる方はぜひご覧ください。
ディスクシリンダーとは
ディスクシリンダーは大手鍵メーカーの美和ロックが製造した鍵です。1950年代から販売され、1970年に多く流通されました。戸建て住宅はもちろん、アパートやマンションなど様々な場所に使われ、現在でも残っている場所があります。
ディスクシリンダーの見分け方
鍵穴が縦で、くの字になっている鍵はディスクシリンダーです。キーはヘッドが丸みを帯びており、鍵山は両サイド非対称でギザギザしています。純正キーの場合は、ヘッドの部分にMIWAのロゴが刻印されているので見分けがつきやすいです。
合鍵の場合は、ヘッドにH248という刻印がされています。
ディスクシリンダーの仕組み
ディスクシリンダーは外筒、内筒、ディスクタンブラーの主に3つで構成されています。鍵がかかっている状態だと、ディスクタンブラーが外筒に引っかかっているため鍵は回りません。
正しい鍵を挿入すると、ディスクタンブラーが動き、内筒と外筒の境界線(シアライン)にピッタリ揃います。外筒に引っかかっているディスクタンブラーが無くなるので、鍵が回るのです。
ディスクシリンダーの裏技
ディスクシリンダーでは、サムターンを斜めにした状態だと外から鍵をさしても開かなくなります。
鍵の先端を利用してデッドボルトを操作するディスクシリンダーだからできる技で、ロータリーディスクシリンダーやディンプルキーなど新しい種類の鍵ではできません。
サムターンが回せない状況では、サムターンを真横か縦にするようにしてください。
ディスクシリンダーの強み
ディスクシリンダーの強みは価格の安さです。そのため、1970年代の住宅の多くで使用されていました。また、住宅だけでなく、車やロッカーなど様々な場所に使われるほど普及しており、現在でも使われていることがあります。
ディスクシリンダーはピッキングに弱い
ディスクシリンダーはピッキングに弱い特徴を持ちます。ディスクタンブラーを揃えるだけで解錠できるという構造や、ディスクタンブラーの位置の揃えやすさが原因です。
鍵開けのプロはもちろん、少し勉強した初心者でも道具さえあれば開けることができてしまいます。
そのため、1990年代~2000年代にかけて、窃盗集団がディスクシリンダーを狙った空き巣を大量に行い、多くの被害を出しました。
鍵の種類によって防犯性能に差が出たり、価格に違いがあるのでどのような鍵が良いのかプロの話を聞いて検討したい方は鍵のレスキューへご連絡ください。
ディスクシリンダーは現在製造中止
ピッキング被害が増えたこと、鍵違い数が限界を超えたことを受け、MIWAは2001年にディスクシリンダーの製造中止を発表しました。
そのため、現在ではディスクシリンダーを手に入れることはとても難しいです。
ディスクシリンダーの後継はU9
ディスクシリンダーの製造中止を受け、MIWAでは後継品となるロータリーディスクシリンダー(U9)を開発しました。
ロータリーディスクシリンダーにはロッキングバーが追加され、簡単にピッキングができない構造になっています。
U9はその安さから多くの住宅で現在でも使用される製品です。
ディスクシリンダーの合鍵作成は受け付けている
MIWAでは2030年9月30日迄までディスクシリンダーキーの合鍵作成を受け付けています。それ以降は純正キーの合鍵を手に入れることができなくなるので、注意が必要です。
なお、引き続き、鍵屋さんでは複製キーによる合鍵作成を行うと思います。
ディスクシリンダーの特徴を理解しよう
ディスクシリンダーの特徴は理解できたでしょうか?
MIWAではディスクシリンダーから防犯性の高い鍵への交換をおすすめしています。自分で交換する方法もありますので、ぜひ検討してみてください。