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- 車の盗難対策はできていますか?特殊機器で不正コピーされる車の鍵とは
キープログラマーやイモビカッターによる車の盗難が相次いで発生
ニュースでも話題になっていますが、キープログラマーと呼ばれる特殊機器を使用した車の盗難事件が相次いでいます。車の鍵を不正に作り出し、扉を開け、エンジンを始動させてしまう不正開錠に対して私たちができる対策はあるのでしょうか?
今回は特殊機器による不正開錠の手口から対策までご紹介いたします。
特殊機器「キープログラマー」の手口
キープログラマーは車に搭載されているイモビライザーにアクセスする特殊機器です。車に機器を接続し、データを吸い出して別の電子基板へと移します。慣れていれば5分で作業は済み、あっという間に不正コピーされた鍵を作り出す手口です。
イモビライザーの仕組み
イモビライザーは車に搭載されている防犯対策の一つで、車内に内蔵されたコンピューターが鍵の電子チップを読み取ることでエンジンの始動を制御するシステムです。一般的な乗用車にも搭載されており、近年ではスタンダードながらも高い防犯性を発揮します。
キープログラマーでイモビライザーのデータを書き換える
今回の事件で使われていた手口は、キープログラマーでイモビライザーのデータを書き換え、持ち主とは別の鍵のデータを登録し直していたようです。これならば、防犯アラームも作動しないでしょうし、車のエンジンを始動させることもできます。
キープログラマーはどこで販売されている?
販売経路は複数あります。現在は個人で気軽に海外の商品を購入することができるため、個人が持てないように入手経路を全て絶つことはできないでしょう。
車の盗難対策について
年間に盗まれる車の台数は年間で約8,500台。1日に24件と考えると他人事ではありません。また盗難現場が自宅敷地内という方も多く、どこに止めていたとしても危険な可能性があり、しっかりと対策を考えた方が良さそうです。
怪しい人物が下見をしていませんか?
キープログラマーを使用した窃盗犯によると、トランクの鍵穴から鍵を作り出し、特殊機器を使用して鍵を作成するまでの時間は5分だったと言います。その場で鍵穴を見て作っていては5分では収まらないでしょうし、鍵を複製する際に削り音も出てしまいます。考えられるのは、既に鍵を複製していたという可能性で、犯行前に下見に来ていると思われます。
怪しい人物を見かけたら近所で呼びかけを行い、できる限りの防犯対策をしてください。
タイヤロックやハンドルロックを使用する
タイヤロックやハンドルロックを装着することで防犯への抑制になります。鍵穴から鍵を作り出してしまう犯人ですから、必ず大丈夫とは言えませんが、防犯を意識していると認識させることで犯罪抑止へと繋がります。
ナンバープレートに盗難防止ネジ
どうしてナンバープレートに防犯対策をするのかと思われますが、犯人は不正コピーした鍵を使用して、そのまま車に乗り去っていきます。足を掴ませないためにナンバープレートを交換する可能性が高いため、盗難防止ネジの使用をおススメします。
防犯カメラや防犯ライトを設置する
敷地内で窃盗が行われるため犯行は夜間が多いと予測できます。防犯カメラ、防犯ライトを設置することで暗闇による死角をなくすことで盗難防止の役目を果たします。
防犯アラームの設置
夜間のみに使用を絞って防犯アラームの設置をするのも効果的です。不意に反応してしまうこともあるため、隣人の方には防犯アラームの設置について理解しておくとトラブルも避けられるでしょう。
狙われている車はレクサス・トヨタ製が多い
車両盗難被害として多いのはレクサス、プリウス、ランドクルーザー、ハイエースなど。明らかにトヨタ製の車が多いのは、盗んだ車を海外で転売してしまうからです。トヨタの海外での人気もあってでしょう。該当車を所持している方は十分に気を付けて欲しいです。
車の盗難に保険は適用するのか?
多くの車両保険で盗難による損害で保険が下ります。しかし、虚偽の可能性もあると判断され簡単には審査が通らないとのこと。被害が起きないことを祈りたいですが、もしものために必要な書類や申告方法なども確認しておきましょう。窃盗犯がいつあなたの車を狙うかはわかりませんので念入りな対策を立てておきましょう。
まとめ
今回は特殊機器「キープログラマー」を使用した車の鍵の不正作成についてご紹介しました。大切な愛車が盗まれないためにもしっかりと防犯対策を心がけてください。