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- 鍵の抜き差しが固いときや回るのが固いときなど抜き差しを柔らかくする方法
鍵が抜けない・鍵がささらない時はクリーニング、部品交換、鍵穴交換の3つで解決
鍵が抜けない、鍵がささらないトラブルでお困りの場合、3つの方法を用いて解消することができます。
今回は、鍵の抜き差しができない・固いときの解消方法と、自分でも簡単に実践・対策できる方法をご紹介いたします。
鍵が抜けない時の3つの対処方法
鍵が抜けない時の対処方法 | 対処できる症状 | 作業内容 | メリット・デメリット |
---|---|---|---|
クリーニング | 鍵の抜き差しが固い時 | シリンダーを分解し、部品をクリーニングする。 | 安くで済むことがある。 |
部品交換 | 鍵が抜けない時 | シリンダーの壊れている部分のみ交換する。 | 使っている鍵をそのまま使用できる。 |
シリンダー交換 | 鍵の抜き差しが全くできない時 | シリンダーを丸ごと新品に交換する。 | 最新の鍵に交換できるが高額になる。 |
埃や汚れが詰まっている場合はクリーニングで対処、部品の破損が原因の場合は部品交換です。
部品交換で、対応できないほど状況が悪ければ、本体ごと交換してしまう鍵穴交換によってトラブルを解決することができます。
- 埃や汚れが原因の場合はクリーニングで解決
- 内部部品が破損している場合は部品交換で解決
- より状況が悪ければ本体交換で解決
鍵が抜けない時は、クリーニング、鍵穴内部の部品交換、鍵穴交換の3つの内のどれかで解決できるということを覚えておきましょう。
では、ここからは解決方法による違いと自分でもできる修理方法を交えながらご紹介します。
1.鍵が抜けない・鍵がささらない時はクリーニングで解消
クリーニングと言ってもシリンダーにスプレーを吹きかけるだけではありません。シリンダーを分解し、部品を磨くことをクリーニングと言います。
鍵穴内部は精密で、砂が入り込むと鍵が抜けなくなることもあります。入り込んだ砂や埃を取り除くことで鍵の抜き差しを行うことができるようになります。
部品交換や鍵穴交換と比べても安価で済むことがあります。
要注意!市販の556やクリーナーで「クリーニング」すると鍵穴が壊れる
鍵穴のクリーニングとして市販の556やクリーナー、潤滑油を使用すると鍵穴が壊れるので絶対にやめましょう。 556をはじめ、クリーナーやスプレーは一見すると、鍵の滑りを良くし、問題を解決できそうですが実は違います。
埃が付着しやすくなり、クリーニングで解決できるトラブルがかえって深刻化してしまうため、鍵自体が使えなくなるもあります。
鍵が抜けない!?と焦り、556、クリーナー、スプレー、潤滑油、油(サラダ油)を使用し、深刻な鍵トラブルへと発展してしまうお客様が後を絶ちませんのでお気を付けください。
自分でクリーニングを行う場合は、シリンダー専用のスプレーを使うようにしましょう。
もしも鍵穴に556や油を注したら急いで相談してください
クレ556や油を注してしまったら、悪影響が出る前になるべく早めにご相談ください。対処方法をご案内させていただきます。
2.鍵がさせない時は鍵穴内部の部品交換での解消
シリンダーを一度分解し、原因となる箇所だけを交換して解決する方法です。鍵が抜けないときや、させないというトラブルを解消できるほか、シリンダーの寿命を延ばす効果もあります。
高い技術を要する方法ですが、部品を取り替えることでシリンダーの故障を未然に防ぎ、長く使い続けることができます。
3.シリンダー交換での全ての問題を解消
シリンダー自体を丸ごと交換してしまう解消方法です。トラブル解消と同時に防犯面の強化も行えます。
最近の鍵製品は防犯性能が高く、交換するだけで防犯面の改善が行えます。 鍵の調子が悪い時だからこそ、大事な家を守るためにディンプルキーと呼ばれる鍵に交換してみてはいかがでしょうか?
鍵が抜けなくなった時にどうしたらいいのだろうと困ったら、テレビにも多数出演している鍵のレスキューのフリーダイヤルまでお気軽にご相談ください。お客様にとって良い解決方法をご提案したいと思います。
こんな時に活躍!クリーニング、部品交換、鍵穴交換で解消できるトラブル例
鍵が抜き差しできない、鍵がささらないというトラブルは、クリーニングや部品交換、鍵交換で解決できるとご紹介しました。ここからは、実際にどのようなトラブルの時に、それぞれの対策が有効なのかをご紹介いたします。
鍵の抜き差しが固く、ガリガリとこすれる感触がする
鍵の抜き差しが固く、ガリガリとこすれる感触がする場合はクリーニングや部品交換、鍵穴交換で解決することができます。
抜き差しが固いだけなので使い続けることはできるものの、いずれ支障が出ることは目に見えていて、鍵が抜けなくなる可能性が高いです。そうなる前に早めの解決を心がけましょう。
鍵が抜けず、鍵を挿したままの状態になっている
鍵が抜けない状態のため、鍵穴を取り外し鍵穴内部のクリーニングや部品交換を行う必要があります。
この状態でも鍵の開け閉めは出来るため、内側から閉めても外から簡単に開けられてしまいます。外出も行えないため早急に修理を行いましょう。
鍵がささらない
鍵をさすことができない場合も、クリーニングや部品交換、鍵穴交換で解決できます。内部部品の破損によって起こり得る症状ですので無理に使用し続けると故障の原因となります。
鍵穴のクリーニングで解決できる場合もあれば、部品交換が必須な場合もあるトラブルですので、緊急の処置が必要な状態です。
車・バイクの鍵が抜き差しできないトラブルも増えています
マンションやアパート、一軒家の鍵トラブルが多い中、 車やバイクの鍵が抜けなくなったり、させなくなることもトラブルとして増えています。
車やバイクは屋外に駐車するため汚れやホコリが鍵穴に入りやすいためでしょう。車やバイクの鍵もクリーニングで解決することができます。
どうしても急いで応急処置を施したいときの対処方法
鍵屋に相談したいけど、まずは自分で応急処置を施したいという人もいることでしょう。あくまでも応急処置という対応になりますが、トラブル症状を和らげるテクニックをいくつかご紹介いたします。
鍵を抜く方法を詳しく知りたい方は別記事で紹介していますので、そちらを参考にしてみてください。写真付きで詳しく解説してあります。
潤滑油・潤滑剤を使って応急処置
シリンダー専用の潤滑油・潤滑剤を使用することで、鍵の抜き差しが一時的にスムーズになります。作業自体はとても簡単で、鍵穴に油を液が漏れだす程度に注すだけです。
その後、鍵を抜き差しして汚れを取り出すことで応急処置は完了です。
鍵穴専用でないと故障の原因となるので、自分で商品を購入前に必ず確認するようにしましょう。
鉛筆の黒鉛を使って応急処置
鉛筆で鍵をなぞってあげると黒鉛が滑りを良くしてくれる効果があると言われています。自宅にある身近なもので応急処置できる方法ですが、鍵のプロは使用しない対処方法です。
どうして鍵の抜き差しが固くなったり、抜いたり挿したりができなくなるのか
鍵の抜き差しが出来ない時には、必ず何かしらの原因があります。バネが破損していたり、誇りが鍵穴に溜まっていたりと様々な原因が予測できます。
バネが破損している
鍵穴内部で使われているバネが破損すると鍵の抜き差しができなくなってしまいます。バネは1cmにも満たないほど小さく、少し乱暴に扱うだけで破損してしまうことがあります。 普通に使っていればなかなか壊れる部品ではないものの、埃やゴミが軽く詰まってしまっているときに無理やり鍵を挿して使用してバネを破損してしまうことがあります。修理費用も高額になりがちなので鍵の使用時にはお気を付けください。
ピンが破損している
こちらも鍵穴内部に使われている部品の1つで、ピンが折れたり欠けたりすると鍵の抜き差しができなくなります。
ピン自体はごく一般的な鍵製品であるピンシリンダーやディンプルシリンダーには必ず使われており、無理やり鍵を挿したり回そうとするとピンが折れてしまいます。バネ同様、分解してから部品交換が必要なため費用が高額になりがちです。
ガム、木の棒、アロンアルファ、接着剤などが入ってしまっている
鍵の抜き差しができない時、鍵穴にガムや木の棒、アロンアルファ、接着剤などが入っていることがあります。どうしてこんな物が鍵穴の中に!?と言うようなものばかりですが、木の棒は子供がテレビで見たピッキングを真似して入れてしまうことが多く、アロンアルファや接着剤はいたずらで入れられてしまうことがあります。
鍵穴に埃がはいってしまっている
鍵穴に埃が入り込み、鍵の抜き差しができなくなることもあります。鍵穴がどれだけ精密に作られているかがわかる原因だとも言えます。比較的、かんたんな処置で済むため鍵の調子が悪いなと感じたら、無理に差し込んだりしないようにしましょう。
鍵穴に砂がはいってしまっている
鍵穴内部に砂が入り込み、鍵の抜き差しができなくなります。台風のような強い風により鍵穴に砂が入り込むため、地域によってトラブルの起こりやすさが異なる原因です。埃同様に無理に鍵を使い続ければ故障してしまうので、ガリガリと異音が聞こえる段階で早めに処置してしまうのが一番です。
内部の部品が錆びている
鍵穴内部に砂が入り込み、鍵の抜き差しができなくなります。台風のような強い風により鍵穴に砂が入り込むため、地域によってトラブルの起こりやすさが異なる原因です。埃同様に無理に鍵を使い続ければ故障してしまうので、ガリガリと異音が聞こえる段階で早めに処置してしまうのが一番です。
鍵穴内部が濡れてしまっている
鍵穴の内部が濡れていると、鍵の抜き差しができなくなることがあります。乾いてしまえば問題なく抜き差しできますが、抜き差しし辛い状態のまま無理に挿したり回すことで鍵穴自体を壊してしまうことがあります。知っておけば回避できるトラブル原因ですので、雨の日は鍵の取扱いにより注意するようにしましょう。
摩耗で部品がすり減ってしまっている
鍵と鍵穴では使用されている素材が異なり、摩耗ですり減ってしまい鍵の抜き差しができなくなります。
鍵自体は真鍮や白銀と呼ばれる素材が使用されている一方、鍵穴の部品は銅やステンレスで作られていることが多いです。 真鍮や白銀は銅やステンレスに比べ柔らかく摩耗しやすいため鍵側が擦り減りトラブルが起こりやすいのですが、内部部品側も長く使い続けると摩耗するため、鍵が抜けなくなる原因となります。
鍵の抜き差しができない時は鍵のレスキューにお任せ下さい
鍵が抜けない、鍵がささらない時の解決方法や原因についてご紹介させていただきました。 鍵の抜き差しに異変に気付いときは、無理やりに鍵を挿したり回したりしないことだけは覚えておいてください。
早めの処置を行えば安価で解決することができるトラブルですので、以前よりも鍵の抜き差しがし辛いなと感じたら鍵のレスキューにお任せ下さい。
このコラムの著者 認定錠前技師 木村一志
鍵屋歴20年のベテラン ライブドア社や大成建設などにも東京地検と強制執行に入った経験あり。
警視庁と共に麻薬捜査などの経験も多数。警視庁からの感謝状もあり。銀行の金庫も開錠や外国車の鍵製作なども得意とする。趣味は鍵の古物収集。
木村一志 著
「凄ウデ鍵開け屋の"非日常"UNLOCK」