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- 部屋のドアに鍵を後付けする方法!賃貸向けの穴を開けない簡単な鍵も
部屋のドアに鍵の後付け方法を解説
様々な理由から部屋のドアに鍵を後付けしたい方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は部屋のドアに鍵を後付けする方法を写真付きで詳しく解説します。
他にも、鍵の選び方や計測方法、注意点なども解説していますので、これを読めば鍵の後付けを1から10まで知ることができるでしょう。
部屋のドアに鍵を取り付ける目的から鍵を選ぶ
部屋のドアに後付けする目的によって、選ぶ鍵の種類が異なります。あなたの目的に適した方の鍵を選んでください。
簡易的に空間を分ける
子ども部屋や寝室など、厳重なロックは必要ないけれど仕切のために鍵を後付けしたい場合は、簡易的な補助鍵や鍵穴の無いドアノブなどを選びましょう。
鍵の後付けが簡単で、いざという時に開けられるものが多いので安心です。その反面、セキュリティが弱いので、鍵を開けて入られるという心配があります。
防犯などの理由で部屋に誰も入れない
貴重品を置いていて、誰もその部屋に入れたくないなどの場合は、シリンダーの付いた鍵がおすすめです。
外側からは鍵が無いと開けられないので、基本的に部屋に入ることはできません。また、内側からも鍵がかけられる製品を選べば、部屋にいる時でも侵入を防げます。
万が一の時に脱出が遅れたり、外側から開けてもらえなくなったりするので、その点も考慮して後付けするようにしましょう。
部屋のドアに後付けできる鍵の種類
部屋のドアに後付けできる鍵の種類は様々あります。
今回は簡易的な鍵と、しっかりとした鍵の2つに分けて紹介しますので、目的や取り付け難易度に合った鍵を選んでください。
簡易的な鍵
内側もしくは外側からしか開けられない鍵や、鍵穴の付いていないタイプの鍵です。
比較的安く手に入り、取り付け難易度も低くなっています。
補助鍵
ここで紹介する補助鍵は、穴を開けず、簡単に取り付けられるのが特徴です。そのため、賃貸住宅や穴を開けたくない方におすすめします。
鍵は内側もしくは外側からのみの施錠・解錠となっていることが多いです。
内外両方から施錠できるようにするには、内側用と外側用の補助鍵を2つ付ける必要があります。
鍵穴のない円筒錠
内側から鍵をかけることのできる握り玉タイプのドアノブです。お風呂などでよく使われています。
外側から鍵をかけることはできませんが、緊急時に開けることはできます。
今付いているドアノブとサイズが一致していれば、穴を開けずに交換可能です。
鍵穴のないレバーハンドル
内側から鍵をかけられるレバーハンドルタイプのドアノブです。鍵は内側からかけられ、外側からは緊急時に開けられるようになっています。
レバーハンドルなので、握力の弱い方でも簡単にドアを開けることが可能です。
種類は、ハンドル部分に鍵が付いているタイプか、台座に鍵が付いているタイプに分かれます。こちらもサイズが合えば、穴を開けずに後付け可能です。
しっかりとした鍵
内外両方から施錠・解錠できる鍵をお探しの方は、次に紹介する3つのタイプの鍵を後付けしましょう。
本締錠
デッドボルトのみでドアをロックする鍵で、玄関の補助鍵として使われることが多いです。
外側からは鍵を使って施錠・解錠を行い、内側からはサムターンを回して鍵を操作します。
後付けするには、ドアへの穴開けが必要です。部屋のドアを玄関くらいの防犯性にしたい方へおすすめします。
シリンダー付き円筒錠
外側に鍵穴が付いている握り玉タイプのドアノブです。ラッチボルトのみが付いていて、施錠するとラッチボルトが動かなくなり、ドアが開かなくなります。
鍵付きのドアノブですが、サイズが合えば穴を開けずに交換可能です。
鍵の種類や本数によって値段が変わるので、防犯性などを考慮して製品を選ぶようにしましょう。
シリンダー付きレバーハンドル
外側に鍵が付いているレバーハンドルタイプのドアノブです。施錠するとラッチボルトが動かなくなり、ドアを開かなくします。
レバーハンドルに鍵穴が付いているタイプでサイズが合えば、穴を開けずに後付け可能です。
開けやすいドアノブが良い方は、レバーハンドルタイプをおすすめします。
部屋のドアに後付けする鍵を選ぶ時の注意点
部屋のドアに後付けしたい鍵があっても、条件や目的によって取り付けられない可能性があります。
なので、後付けする鍵を選ぶ時の注意点を押さえて、適した鍵を選ぶようにしましょう。
鍵は内側と外側どちらからかけるのか
鍵を後付けする目的によって、内側と外側どちらから鍵をかけるのか決めましょう。
テレワークやプライベート空間の確保など、自分が部屋にいる時に入ってほしくない場合は内側から操作できる鍵を選びます。
防犯上、自分がいない時に部屋へ入れたくない場合は、外側から操作できる鍵を選んでください。
賃貸住宅の場合は穴開け不要を選ぶ
賃貸住宅の場合、勝手に穴を開けることはNGです。退去時に原状復帰費用がかかるのでおすすめしません。
そのため、穴開け不要で後付けできる鍵を選びましょう。補助鍵やサイズの合ったドアノブを選べば、穴を開けなくても鍵の後付けが可能です。
鍵を購入する前にドアを計測する
後付けしたい鍵の種類が決まったら、ドアやドアノブのサイズを計測してください。
計測せずに製品を購入すると、取り付けられない・ドアに穴を開けなくてはならないなどのトラブルが生じます。
計測するのは、
- ・ドアの正面
・ドアの側面
・壁側
の3箇所です。
ドアの正面
ドアの正面で計測するのは、
- ・スペーシング
・バックセット
の2つです。
スペーシングは鍵からドアノブまでの距離。バックセットはドアの端から鍵穴までの距離になります。
現在、ドアに鍵が付いていない場合は、バックセットのみの計測で大丈夫です。
ドアの側面
ドアの側面で計測するのは、
- ・フロントプレートの幅
・ビスの位置
・フロントプレートの高さ
・ドアの厚み
の4つです。
フロントプレートとは、錠ケースを押さえるためのカバーのようなものです。このフロントプレートの高さ、幅、フロントプレートに付いているビスの位置を計測してください。
ドアの厚みは、ドア側面に定規やメジャーを当てれば簡単に計測できます。
壁側
壁側では、ストライクの位置を計測してください。
ストライクは、ラッチボルトやデッドボルトが収まるところです。基本的にフロントプレートなどのサイズが一致していれば、ストライクの大きさで問題が生じることはありませんが、念のため計測します。
ストライクの穴の位置とビスの位置を計測して、ラッチボルトやデッドボルトが収まるか判断してください。
部屋のドアに鍵を後付けするのにおすすめ製品
ドアの計測が終わったら、製品の購入を行います。しかし、様々な製品があってどれを選べば良いのか分からなくなりますよね。
そこで、おすすめの製品を紹介します。もし、気に入ったら製品があれば、購入して後付けしてください。
部屋に後付けできるおすすめの補助鍵
まずは、補助鍵からです。穴開け不要の製品で、内側から施錠できるものと、外側から施錠できるものをそれぞれ紹介します。
ガードロック No.260
ストライクに金具をひっかけて、本体を差し込むだけでロックがかかる補助鍵です。内側からのみ鍵の操作ができます。
穴開け不要なので、賃貸住宅でも問題なく使用可能です。ペットや子どもの脱走、侵入を防ぐのに向いています。
ノムラテック 快適防犯 どあロックガード ディンプルキータイプ
ドアの隙間に金具を取り付け、外側から補助鍵でロックを行います。解錠すると補助鍵が外れるので、内側からのロック機能はありません。鍵はディンプルキーなので防犯性が高く、玄関にも使用可能です。
こちらも穴開け不要なので、賃貸住宅でも使えます。自分がいない時に部屋に人を入れたくない方におすすめです。
部屋に後付けできるおすすめの鍵付きのドアノブ
次に紹介するのは、鍵付きのドアノブです。円筒錠とレバーハンドルの2種類を紹介しますので、他のドアノブに合う方を選んでください。
GOAL ユニロック(円筒錠)ULW4-E
握り玉タイプのドアノブで、内側のボタンを押すとロックがかかります。解錠はドアノブを回すだけなので使い勝手も良いです。
また、施錠した状態でドアを閉めてしまっても、ボタンが自動で元に戻るので、締め出しもう防ぐことができます。
コインなどを使えば、外側からも鍵を開けることができるので、緊急時でも安心です。
川口技研 TKレバーシリンダー錠
レバーハンドルに鍵穴が付いたドアノブです。内側からはつまみで、外側からはキーを使ってロックを操作できます。
色はブラウン、シルバー、ゴールドの3色から選べるので、部屋の雰囲気などに合わせることが可能です。
サイズが合えば、穴開け不要で後付けできるので、賃貸住宅でも使えます。
部屋に後付けするのにおすすめの固定式シリンダー
玄関同様の防犯性を部屋のドアにも求める方は固定式のシリンダーを選びましょう。後付けするには穴開けが必要になりますが、ロック機能は非常に高いです。
サムターンシリーズ 本締錠
川口技研から販売されている固定式シリンダーです。シリンダーとサムターンがセットになっているのに、比較的安価で購入できます。鍵もリバーシブル仕様のディンプルキーなので、鍵の操作が簡単です。
錠ケースが比較的小さいので、大きな穴を開けなくても後付けができます。ドア側面に錠ケースを入れるので、ドア側面とストライクを付ける壁側の2箇所に穴を開けなくてはいけません。
美和ロック U9 NDZ-1 内部扉用シリンダー錠
MIWAの補助鍵で、U9というピッキングに強い鍵を使用しています。ドア正面のみに穴を開けて取り付ける鍵です。
ストライクも壁の中ではなく、壁の外側になるので、比較的取り付け難易度は低くなっています。
しっかりとした防犯性を手に入れたい方におすすめです。
部屋のドアに鍵を後付けする時の注意点
部屋に後付けする鍵を購入したら、いよいよ後付けの作業になりますが、作業する時の注意点を先に解説します。
この注意点をおろそかにすると、作業を失敗したり、後々トラブルになったりするので、しっかりと押さえておきましょう。
賃貸物件の場合は事前に許可をもらう
賃貸物件の所有者は貸主ですので、リフォームを行う際は事前に許可をもらいましょう。後で鍵を後付けしたことが判明すると、トラブルに発展する恐れがあります。
特に、穴開け工事などを行う場合は必ず許可をもらってから行うようにしてください。
簡易的な補助鍵など、ドアに穴を開けず、すぐに元に戻せるものなら許可をもらう必要はないでしょう。
退去時にもとに戻せるようする
賃貸物件は原状回復をして退去するのが原則です。そのため、ドアノブ交換を行うなどした場合、元々付いていたドアノブに戻す必要があります。
もし、ドアノブを交換した場合、元々のドアノブや部品はしっかりと保管し、退去が近くなった時に元通りに戻してください。
もし、ドアノブをなくしてしまったり、壊してしまったりすると、原状回復費用がかかる恐れがあります。
寸法を間違えないようにする
鍵を後付けする時に大切なのが、寸法を間違えないことです。穴を開ける作業を行う時に寸法を間違えると、鍵の後付けができなくなる上に、ドアに穴が開いて不格好になってしまいます。
しっかりと寸法を計測し、適した場所に適した大きさの穴を開けて、後付けするようにしましょう。
難しければ業者に依頼する
穴開けが難しい場合や、取り付け作業が難しい場合は、諦めて業者に依頼することをおすすめします。
無駄な場所に穴を開けることなく、しっかりと鍵を取り付けられるので、見た目も使用感も良いです。
諦めた方が案外うまくいくこともありますので、うまく判断しましょう。
部屋に鍵を後付けする方法
簡易的な鍵の後付け方法
今回、簡易的な鍵を後付けに使用するのは、『どあロックガード ディンプルキータイプ』です。
どれくらい簡単に取り付けられるのかを確認してみてください。
1金具を取り付ける
鍵を取り付けたい場所を決め、ドア枠に金具を取り付けます。
締付ネジを金具がしっかりと固定できるところまで回してください。強く回しすぎるとドア枠に傷が入る恐れがありますので注意しましょう。
2補助鍵を取り付ける
補助鍵に鍵を入れて、解錠した状態で金具に取り付けます。施錠して鍵を抜けば取り付け完了です。
3解錠後は室内に保管
解錠したあとは、補助鍵を室内の保管用ホルダーに取り付けて保管できます。
鍵が付いているドアノブの後付け方法
次に紹介するのは、鍵付きドアノブの後付け方法です。今回は、既存のドアを加工して、鍵付きのドアノブを取り付けます。
ドアノブ交換を行う方はこちらをご覧ください。
1ドアノブを外す
現在付いているドアノブを外します。
今回の場合は、ドアノブに付いているネジを外し、カバーを外します。
そして、台座を外して、フロントプレートと錠ケースを取ります。
2穴を開ける場所に印をつける
説明書通りに、スペーシングとビスの位置を計測します。
メジャーなどで円の中心を決めたあと、適切なサイズの円を書いてください。
3ホールソーなどで穴を開ける
先ほど計測した場所に、適切な大きさの穴をホールソーで開けます。
説明書に書いてある穴の大きさに適した大きさのホールソーを使ってください。
4錠ケースを取り付ける
穴を開けたら、ドア側面から錠ケースを入れ、フロントプレートを取り付けます。
この時、ラッチの斜めになっている方をドアの閉まる方に向けてください。
5台座を取り付ける
ドア正面に開いた穴に合わせて台座を取り付けます。
この時、サムターンは縦の状態で取り付けてください。
6カバーとドアノブを取り付ける
台座にカバーを取り付けます。
その後、ドアノブを取り付けて、ネジを締めれば、作業完了です。
固定式シリンダーの後付け方法
最後に固定式シリンダーの後付け方法を紹介します。後付けの難易度が最も高いので、無理だと思ったら、業者を呼んでください。
今回は、美和ロック U9 NDZ-1 内部扉用シリンダー錠で解説します。
1取り付ける場所を決める
シリンダーと錠箱を取り付ける場所を決めます。高さや幅に制限がありますので、説明書に従ってください。
取り付ける場所を決めたら、シリンダーの位置やビスの位置に印をつけます。
2ホールソーで穴を開ける
印をつけた場所にホールソーで穴を開けます。
ホールソーのサイズは各場所に適したものを使用してください。
3シリンダーを取り付ける
開けた穴にシリンダーを入れます。シリンダーとサムターンの間はドアの厚みに合わせてカットしてください。
シリンダーを入れたら、金具を取り付けてビスで固定します。
4錠箱を取り付ける
金具の上に錠箱を取り付け、四隅をネジで固定します。
5ストライクを取り付ける
最後にストライクを壁に取り付ければ作業完了です。ストライクの位置は、デッドボルトが入る位置に取り付けてください。