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- ドアクローザーって何?仕組みから機能や調整方法、交換のタイミングまで解説
ドアクローザーとは?
仕組みや役割を解説
玄関などについているドアクローザー。
「見栄えが悪いから外したい」
「あれにどんな意味があるの?」
と思う方がいるでしょう。
実は、ドアクローザーはドアに不可欠なもので、ものすごく重要な役割を果たしているのです!
今回はそんなドアクローザーの仕組みや役割、交換のタイミングなどを解説します!
ドアクローザーとは
そもそもドアクローザーとは何かから説明します。
ドアクローザーとは、玄関などのドア上部についていて、ドアをゆっくりと自動的に閉めるための装置です。
ドアクローザーが無いと、ドアが開けっぱなしになり、「バンッ」と音を立てて勢いよく閉まります。開閉が多く、風などの影響を受ける玄関ドアには必須と言えます。
しかも、ドアの角度によって閉まるスピードを変えてくれる機能も持ちます。
ドアの角度が30度以上の時は速めにドアが閉まります。家を出るときにゆっくり閉まったら「急いでいるのに」という気持ちになりますよね。
ドアが30度以下の時はゆっくりとドアが閉まります。このおかげで指を挟む危険性は減りますし、挟まれても軽症で済みます。
そんな機能を持つドアクローザーですが、どのような仕組みでドアを自動的にゆっくりと閉めることができるのでしょうか?
その仕組みに迫ってみたいと思います。
ドアクローザーの仕組み
子供の頃の私は
「ドアクローザーにはモーターが入っていて、動力を持っている」
と考えていました。
しかし、ドアクローザー自体に動力はありません。
では、動力もなくどうやってドアを自動的にゆっくりと閉められるのでしょうか?
その秘密はバネとオイルダンパーにあります。
ドアクローザー内部にはバネとオイルダンパーが使われています。
ドアを開けた時にバネに力が加わります。
その力を利用してドアを自動的に閉めてくれるのです。
このバネの力を制御するのがオイルダンパーです。オイルの粘性を利用したダンパー(減速装置)が急激な動きを抑えてくれます。
どちらかの力が欠けるとドアクローザーは正常に機能しなくなります。
そのくらい、バネとオイルダンパーは大切なのです。
ドアクローザーにはスタンダード型とパラレル型の2種類がある
動作の仕組みは一緒なのですが、ドアクローザーは「スタンダード型」と「パラレル型」の2種類に分かれます。
型が異なると設置できる場所や条件が変化します。
スタンダード型の特徴
スタンダード型は、ドアが開く方向に設置されます。
玄関の場合だと、ドアクローザーが外側に設置されるため、室内からドアクローザーは見えません。
しかし、雨風の影響を受けるので劣化しやすいです。
また、スタンダード型はドアとアームが垂直になるので、ドアから90度の位置に壁や障害物があると設置できません。
パラレル型の特徴
最近の住宅に多く使われているのがパラレル型です。
ドアが開く方向とは反対側に設置しますので、玄関の場合、室内からドアクローザーが見えてしまいます。
強みは、雨風の影響を受けにくため長く使うことができることと、ドアから90度のところに壁があっても設置可能なことです。
ドアクローザーの持つ役割
「ドアクローザーの仕組みや種類はわかったけど、なんの意味があるの?」
という疑問を持たれると思います。
なぜ、ドアクローザーの持つ機能が必要になるのでしょうか?
それは、安全と故障防止を果たすためです。
安全性の役割
ゆっくりとドアを閉める機能を持つことは説明しました。
その機能のおかげでドアの開閉が安全に行えます。特に、風の強いに力を発揮します。
ゆっくり閉まることで、体や指などをドアに挟む確率が減りますし、挟んでも軽症で済みます。
また、閉まってくるドアに衝突しても、勢いがないのでケガをしません。
もし、ドアクローザーが無いとどうなるのでしょうか?
ドアは「バンッ」と勢いよく閉まります。その勢いで挟まれたらどうなるでしょうか?
最悪の場合、骨折する可能性もあります。
このようなドアの開閉時に起こる危険から守ってくれるのがドアクローザーなのです。
ご自身のみならず、お子様やペットを守るためにもドアクローザーは必要になります。
故障防止の役割
ドアがゆっくり閉まる機能は、人やペットのみならず、ドアそのものを守る役割も果たします。
勢いよく閉まると、ドアにどのような影響がでるのでしょうか?
閉まった時の衝撃で、ドアが破損したり、劣化や摩耗が早くなったりします。
また、玄関ドアのみならず、周辺の壁などにも影響を及ぼす可能性もあります。
ドアクローザーは家を守るためという重要な役割を果たすのです。
ドアクローザーのメンテナンス
ドアを開閉の度に役割を果たしてくれるドアクローザーですが、開閉の分だけダメージを受けています。
そのため、年に1回以上はメンテナンスを行うことがおすすめです。
特に、ドアクローザーを付けてから15年程度経つ人はこまめなメンテナンスが必要になります。
ドアクローザーの寿命が大体15年と言われているため、交換も視野に入れながら、メンテンナンスを行いましょう。
ドアクローザーの調整方法
「最近、勢いよくドアが閉まるようになった」
というお悩みを感じた方は、ドアクローザーの閉まる速度を調整してみましょう。
ドアクローザー本体の側面にネジが付いています。これが速度調節ネジで、回転することでドアの閉まるスピードを変えることができます。
基本的に、時計回りに回すとドアのスピードが遅くなります。
反対に、反時計回りに回すと速く閉まります。
ドアを90度に開いた状態から5~8秒で閉まるのがベストな速度です。
ただし、速度調節ネジを緩めすぎるとオイル漏れが発生しますので、十分注意して行ってください。
オイルが漏れてきたら交換の合図
「ドアクローザーを確認していたら、液体が漏れている」というご相談をする方が多くいらっしゃいます。
その液体はドアクローザー内部にあるオイルです。このオイル漏れの状態は大変危険ですので、すぐにドアクローザーを交換しましょう。
放置しておくと、ドアが勢いよく閉まってしまい、ケガをする恐れがあります。
業者に依頼する、自分で取り付ける、どちらでも良いので交換を早めに行いましょう。
ドアクローザーを自分で交換・取り付けする場合は、写真付きで紹介している記事がありますので参考にしてください。