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鍵穴にシリコンスプレーを使ってしまった時の対処法や対策について解説
鍵穴にシリコンスプレーを使用すると一時的に動きは良くなりますが、後々鍵が回らなくなることがあります。最悪の場合、鍵屋さんを呼んで修理するか、鍵を交換しなくてはいけません。
今回は鍵穴にシリコンスプレーを使ってしまった時の対処法について解説します。鍵が回るようになる方法や正しいメンテナンス方法について解説しますので、ぜひ行ってみてください。
シリコンスプレーとは
シリコンスプレーとは、シリコンオイルを主成分としたスプレーのことです。塗布することでシリコーン被膜を形成し、モノの動きや滑りを良くします。
石油系溶剤と無溶剤タイプの2種類があり、それぞれ特徴と使える素材が異なります。石油系溶剤は潤滑性が高いのですが、プラスチックやゴムなどには使えません。無溶剤タイプならゴムやプラスチック、木材など様々な素材に使うことができます。
また、艶出しや防水、シール剥がしなどにも使うことも可能です。
鍵穴にシリコンスプレーを使ってしまった時の対処法
鍵穴にシリコンスプレーを使ってしまい、鍵が回らなくなった時に行う対処法について解説します。
今回は鍵がかかっている時と開いている時に分けて解説しますので、状況に応じて方法を変えてください。
鍵がかかっている時の対処法
鍵がかかっている時は、鍵を回して開けることを優先します。この方法で開いたら、開いた時の対処法を行って、鍵がスムーズに回るようにしてください。
もし、この方法で開かなかった場合は鍵屋さんを呼んで鍵開けをやってもらいましょう。
用意するもの
鍵を回すのに必要なものは
- ・掃除機やエアダスター
・パーツクリーナー
・汚れても良い布
です。
どれもホームセンターなどで手に入れることができます。
1鍵穴内のゴミを除去する
まず、掃除機のノズルを鍵穴に当て、吸引してゴミを取り除きます。エアダスターの場合は、空気を鍵穴に送ってください。
2パーツクリーナーを鍵穴に注入
布を鍵穴の下に養生した状態で、鍵穴のパーツクリーナーを注入します。この時、パーツクリーナーがドアなどに触れてしまうと、塗装が剥がれてしまう可能性があるので注意してください。
パーツクリーナーは鍵穴から溢れない程度に注入します。大量に注入すると、鍵本体の潤滑機能を低下させてしまい、鍵が回りにくくなるので注意しましょう。
その後、鍵を抜き差しし、布で鍵を拭いてから回るか確認してください。回らない場合はもう数回ほど同じ作業を行います。
鍵が開いている時の対処法
鍵が開いた・開いている場合はさらに細かく洗浄しましょう。それでも鍵が回りにくい場合は故障の疑いがあるので、交換をおすすめします。
必要な道具
- ・パーツクリーナー
・汚れても良い布
・鍵穴専用の潤滑剤
・ドライバー
が必要です。
1鍵を外す
まず、鍵穴をドアから外します。パーツクリーナーを大量に使用するので、他の部品に影響を及ぼさないようにするためです。部品をなくすと大変なので、しっかりと保管場所を決めて、作業を行いましょう。
鍵の外し方は種類によって異なるので、こちらを参考にしてください。
2パーツクリーナーを噴射する
布の上に外した鍵穴を置き、鍵穴側と裏側からパーツクリーナーを大量に噴射します。パーツクリーナーが床に落ちるとシミになるので、布からはみ出さないように注意してください。
ある程度噴射したら鍵をさします。黒い汚れが鍵に付かなければ洗浄完了です。パーツクリーナーが乾いていることを確認して、鍵をドアに戻してください。
3鍵穴用の潤滑剤を注入する
鍵穴の中が乾いたら、鍵穴用の潤滑剤を0.5秒くらい注入します。乾いていない状態で使用すると、潤滑剤がダマになって鍵が回らなくなることがあります。また、潤滑剤を大量に入れすぎると鍵が回らなくなるので注意してください。
注入したら、鍵の抜き差しを数回行い、スムーズになれば完了です。鍵穴からはみ出した潤滑剤はきれいに拭き取りましょう。
鍵穴にシリコンスプレーが使えない理由
鍵穴にシリコンスプレーが使えないのは、シリコンスプレーがシリコーンオイルという成分でできているからです。
鍵穴に油分を入れると埃などと一緒になって固まってしまいます。ディンプルキーのような精密な作りをしている鍵だと、埃などによってうまく機能しなくなり、鍵が回らなくなるのです。
鍵穴に使用できるのは油分の無い、鍵穴用の潤滑剤なのでそれ以外は使用しないようにしましょう。
シリコンスプレー以外に使用できないスプレー
シリコンスプレー以外にも使用できないスプレーなどがあります。よくあるのがクレ556です。こちらは鉱物油や石油系溶剤を使用しているため、鍵穴内で埃などと一緒になって固まってしまいます。
それ以外にも食用油や食器用洗剤、マシンオイルなどの使用は避けてください。同じような理由で鍵穴が壊れてしまいます。
シリコンスプレーの代わりに鍵穴に使えるもの
シリコンスプレー以外の代わりに鍵穴へ使えるのは鉛筆の芯です。黒鉛には滑りを良くする効果があるので、回りにくい鍵をスムーズに動かせるかもしれません。
鍵を鉛筆でなぞり、その鍵を鍵穴へ入れ、抜き差しを繰り返せば作業完了です。応急処置的なものなので、なるべく鍵穴用の潤滑剤を使うようにしてください。
シリコンスプレーは正しく使用しよう
シリコンスプレーを正しく使用すれば、動きが滑らかになって使い勝手が良くなります。しかし、鍵穴のような精密で埃に弱い製品には使用しないでください。
もし、鍵が回らなくなってどうしようもない場合は鍵屋さんを呼んで、修理や交換をしてもらうのが早い解決方法です。