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空き巣に狙われやすいマンションの特徴や侵入手口について解説
オートロックなどセキュリティがしっかりしている印象のあるマンション。
しかし、そんなマンションでも年間1,900件(令和2年)の侵入窃盗が発生しています。
どのようにして空き巣被害に遭うのでしょうか?
今回は空き巣に狙われやすいマンションと、侵入に使われる手口について解説します。
また、空き巣かもしれない予兆や防犯対策についても解説しますので、参考になれば幸いです。
ここではマンションを4階建て以上の集合住宅と定義しています。
空き巣に狙われやすいマンションの特徴
空き巣に狙われやすいマンションの特徴を解説します。
当てはまるものが多ければ、対策を強化した方が良いです。
犯行が気付かれにくい立地にある
空き巣は犯行の様子を見られない立地を好みます。マンション近くの人混みが少なかったり、暗かったりすると空き巣の様子をあまり見られません。
繁華街のようなに人が多い場所だと、人混みに紛れて隠れることができるので、人が多すぎても狙われます。
他には、幹線道路や線路沿いだと大きな音でガラスを割った音をかき消すことができるので、そのあたりのマンションも気を付けましょう。
空き巣の下見がしやすい立地にある
空き巣は侵入する前に下見を行うことが多いです。長時間マンションを見ていても不自然でない場所、色々な角度から室内や経路を確認できる場所を好んで下見に使います。
そのため、近くに公園のあるマンションや、角地に面しているマンションは空き巣に狙われやすいです。公園は長時間居ても不自然ではないですし、角地はマンションを2角度以上から見ることができます。
角地にも公園にも近い部屋の方は一層の防犯対策が必要です。
セキュリティが中途半端
オートロックが1箇所だけあるなど、セキュリティが中途半端なマンションは空き巣に狙われやすいです。
オートロックがあるからと油断してしまい、鍵をかけることを忘れやすいので狙われてしまいます。
常に警備員がいたり、入るのに手続きが必要だったりしない場合はしっかりと対策を行った方が良いです。
屋上に入りやすい
誰でも屋上に入りやすいマンションは空き巣に狙われやすいです。屋上から紐などで最上階のベランダに下りて侵入する方法に利用される可能性があります。
屋上が常に開いている、隣の建物から屋上に入りやすいなどの条件がある場合、最上階に住む方は防犯性を強化しましょう。
侵入しやすい場所がある
簡単に登れてしまう柵や塀、門扉があると狙われやすいです。オートロックよりも簡単に突破できる上に、周りからあまり見られることがありません。
自室のベランダなどは大丈夫と思っていても、その横の門扉を使って侵入される可能性もあるので、注意しましょう。
知らない人が入っても気づかれにくい
マンションの住人同士のコミュニケーションが希薄だと狙われやすいです。
顔見知りではないので、知らない人がマンションに入ってきても不審者だとは思いません。犯行が事前にバレるリスクが少ないので、空き巣はそのようなマンションを狙います。
特にコミュニケーションが希薄になりやすいのは、新築のマンションや単身者向けのマンションです。そのようなマンションにお住まいの方は防犯性を強化しましょう。
大規模改修がされている
大規模改修中のマンションでは、ベランダや廊下に作業するための足場が設置されます。足場内に入ることができてしまえば、上の階まで簡単に行くことができるので空き巣にとっては好都合です。
また、窓付近の工事のために格子を外すことがあります。格子の外れた窓は侵入しやすくなるので、その点も空き巣にとって好都合です。
マンションに侵入する手口
空き巣に狙われやすいマンションの特徴を解説しました。では、空き巣はどのような手口でマンション内に侵入するのでしょうか?
警察庁が発表している統計結果から、よく使われる手口を3つご紹介します。
鍵がかかっていない場所から侵入
空き巣が用いる手口として一番多いのが、鍵がかかっていない場所からの侵入です。玄関からの侵入が多いですが、窓からの侵入もあります。
ピッキングなど特殊な技法を使わなくても簡単に侵入できる上に、証拠や痕跡も残りづらいので、空き巣にとって好都合な侵入方法です。
合鍵を見つけて侵入
ポストや玄関付近に隠した合鍵を使って侵入する方法です。鍵を見つけさえすれば、特殊な技法を使わずに侵入することができます。
また、合鍵を不正に複製して侵入してくることも多いです。鍵番号から合鍵を発注したり、見つけた合鍵から複製したりして、不正に合鍵を入手します。
合鍵を作られると鍵交換をしない限り防ぐことはできません。
窓ガラスを割って侵入
ベランダや寝室などの窓ガラスを割って侵入する手口です。鍵の近くの窓ガラスのみを割って、窓を開けて侵入するのが最近の主流となっています。
しかも、窓ガラスを割るのに1分もかからず、音も出ないため周囲に犯行の様子を気付かれることが少ない手口です。
防犯対策に関しては鍵のレスキューまでお気軽にご相談ください。
空き巣に狙われやすい階数
マンションの中でも階数によって空き巣に狙われるかどうかが異なります。
比較的空き巣に入られやすい階数について解説しますので、当てはまる方は防犯性強化に努めてください。
それ以外の階でも防犯対策を怠らないことが大切です。
1階
マンションの1階は空き巣がしやすい環境が整っているため、狙われやすくなっています。
地上から一番近いので、侵入や逃走が簡単です。また、室内の様子が見えやすく、洗濯物にも手が届くので、空き巣以外の犯罪にも巻き込まれやすくなっています。
マンションの1階に住む場合は、他のフロアよりも防犯対策を強固にすることが大切です。
2階
マンションの2階も空き巣に狙われやすいです。2階といっても3~3.5mくらいの高さしかないので、よじ登って侵入することはできます。
また、「2階だから登ってこないだろう」「2階だから室内が見えないだろう」という油断から防犯対策を怠っていることが多いため、空き巣に狙われやすいです。
最上階
最上階も空き巣に狙われやすくなっています。最上階だから登ってこられないという油断が生じやすく、窓の鍵を開けっぱなしにしていることが多いです。
しかし、空き巣は屋上から紐などを使って最上階の部屋に侵入してきます。特に、屋上に入りやすい物件の場合は注意しましょう。
空き巣に狙われているかもしれない予兆
空き巣は衝動的に侵入してくることもありますが、大半は下見を行ってから実行します。その下見の段階で予兆に気付くことができれば、被害に遭わずに済むかもしれません。
空き巣に狙われているかもしれない予兆をご紹介しますので、見つけ次第、防犯性を強化してください。
不審な落書きがしてある
ポストやインターホンなどに不審な落書きがしてある場合は注意しましょう。空き巣やセールスがメモのために残したものかもしれません。
見つけ次第、すぐに消すとともに防犯対策を徹底してください。マーキングの意味についてはこちらで詳しく解説しています。
知らない人がインターホンを鳴らす
空き巣はするかどうか確認するためにインターホンを鳴らすそうです。そのため、帰宅した時にインターホンの履歴を見て、不審な人物が映っている場合は注意しましょう。
セールスや宅配業者、作業員の恰好をしていることがありますので、身に覚えのない場合は警戒した方が良いです。
知らない人がマンションを観察している
近くの公園や道端で不審な人物がマンションを眺めている場合は注意が必要です。おそらく空き巣が侵入経路や留守の時間帯を下見しているのだと思われます。
一見、普通の人物に見えても、長時間同じ場所を観察していたり、何かメモなどを取っていたりする場合は防犯対策を強化しましょう。
マンションで有効な空き巣対策
ここからはマンションで有効な空き巣対策について解説します。
ベランダや敷地内に侵入されたとしても、これらの対策がしっかりと行われていれば、室内に侵入される確率を下げることが可能です。
玄関の防犯対策
まずは玄関の防犯対策からです。
マンションだと玄関からの侵入が最も多いので、しっかりと対策を講じましょう。
鍵のかけ忘れを防止する
鍵をかけないことが原因で侵入されるケースが後を絶ちません。そのため、鍵のかけ忘れを防止することが大切です。
出掛ける時はもちろん、家に帰ってきたらすぐに鍵をかけるようにしましょう。かけ忘れが心配な方は、防止グッズも販売されていますので、そちらを利用してください。
合鍵を外に置かない
ポストや玄関付近に置いた合鍵が原因で侵入されるので、合鍵を置かないようにしましょう。紛失が心配な方は、信頼できる知人などにスペアキーを1本預けておくと安心です。
どうしても鍵を置かなくてはいけない場合は、キーボックスに入れて誰にも気づかれない場所に隠してください。そうすることで合鍵を使われる確率を多少なりとも減らすことができます。
不用意にドアを開けない
宅配業者を装って室内に侵入する窃盗手段もあります。インターホンが鳴っても不用意にドアを開けず、姿などを確認するようにしましょう。インターホンのモニターやドアスコープから確認することができます。
また、ドアを開ける時も、ドアガードやドアチェーンをした状態で開けてください。そうすれば、侵入をぎりぎりの所で回避することができます。
窓の防犯対策
次は窓の防犯対策です。
窓は玄関に次いで2番目に侵入されやすい場所ですので、しっかりと対策を講じましょう。
窓に補助錠を取り付ける
窓ガラスを割って鍵を解錠し、窓を開けて侵入してきます。反対に、窓の鍵を解錠されても、窓が開かなければ侵入はできません。
そこで役に立つのが窓の補助錠です。補助錠を外さない限り、窓が開かなくなるので侵入を防ぐことができます。
特に、鍵機能の付いた補助錠にすれば、簡単に外れなくなるのでより高い防犯性を得ることが可能です。
防犯フィルムでガラスを割れないようにする
ガラスを割られなければ鍵を開けられることはありません。割られないガラスにするには、防犯フィルムを貼ることがおすすめです。
防犯フィルムを既存の窓に貼ることで、ガラスが飛散しなくなり、窓ガラスに穴が開きません。
泥棒の侵入を防げるのに加え、災害対策やUVカットなどの効果も得られます。
その他の防犯対策
主な侵入経路である玄関ドアと窓に対する防犯対策をご紹介しました。
ここからは、その他の場所や普段の生活で行うべき防犯対策について解説します。
抑止力を強化する
防犯において「この家には侵入できなさそう」と思わせることが大切です。はたから見て、防犯を意識していること、対策をしっかりしていることが分かれば抑止力につながります。
そのために有効なのが、防犯カメラ、防犯アラーム、ホームセキュリティなどです。これが外側から見えれば、防犯対策をしっかりしていることが分かるので、空き巣を近づけません。
ただし、お構いなしに侵入してくる泥棒もいるので、基本的な対策も怠らないようにしましょう。
盗まれるものは隠しておく
現金や貴金属など盗まれやすいものは隠しておくのが良いです。見つからなければ盗まれませんし、探すのに時間がかかるだけでもメリットがあります。
タンスや引き出しの中ではなく、もっとわかりにくい場所やダミーの金庫などを用意すると良いでしょう。
また、貴重品を家で保管せずに、銀行や貸金庫などに預けるのも一つの手段です。
SNSの使い方に注意する
SNSの使い方によっては空き巣に狙われることがあるので注意が必要です。
例えば、旅行などで家を留守にしていることをSNSにアップすると、長期間留守であることを晒すことになります。
玄関にカブトムシがいたことをSNSにアップしたことで、留守の時間を特定されたこともあります。
住所が分かるような投稿をしていなくても、過去の投稿から特定されることもあるので油断禁物です。
マンションでも空き巣対策は必ず行おう
マンションは他の住宅に比べて防犯性は高いですが、空き巣に入られているのも事実です。
「オートロックがあるから」「管理人がいるから」と油断せず、鍵をかけることから防犯対策を行いましょう。
また、窓からの侵入も多いので数百円で買える補助錠の設置も忘れずに行ってください。