先週、「ちょっとお聞きしたいんですが、事務所の鍵が折れて鍵の先端が中に入ったままで…これは自分で鍵を取り外して、中から出すことは可能ですか?」という電話がありました。
どうやら電話主は、鍵折れトラブルに遭われた様子。実際、鍵が折れてしまったときにホームセンターで売っている接着剤などで取り出そうとする方、シリンダーをドアから取り外して折れた先端を取り出そうとする方がいらっしゃいます。
しかし、接着剤で取ろうとしたり、シリンダーを外したりすると素人さんのやり方では鍵本体を壊してしまうことも多く、自分で処理しようとした結果、当社に依頼されるときには鍵折れ→鍵交換へ問題が大きくなっていることがほとんどです。
電話主にはすぐに『自分で修理することだけは絶対にやめてください。すぐに向かいます!』と返答し、現場へ直行。直行した先は博多区にあるゲームセンターでした。
ゲームセンター内の事務所扉で鍵折れトラブルが発生した模様…
ゲームセンターや商業施設内の事務所扉など、頻繁に鍵を変えない場所では鍵の劣化が気付かれにくいものです。ただこうした場所で使われている鍵は、従業員の出入りが毎日のようにあるため、実際には鍵の摩擦回数も多く劣化しやすくもあります。
劣化しやすい鍵なのに、劣化が見つけられにくい場所なんです…可哀想に…
ゲームセンター内の事務所に設置されていたのは美和のU9。U9は特に素人さんでは作業が難しい鍵とされています。 (どの種類の鍵も鍵屋以外が無理に作業してほしくありませんが…勝手口等についているノブ錠や門錠は素人さんでも開けられるかも…)
美和のU9シリンダーは内部構造がかなり精密にできていますし、このシリンダータイプは鍵穴の外から抜くことはできす、必ず分解しながらの作業になります。
折れた鍵の先端をピンが引っ掛けて邪魔しているため、鍵本体をドアから取り外すだけでは抜けないということです!鍵本体を取り外した後は、シリンダー内のピンすべてをばらばらに分解していきます。
※分解しながら、折れてシリンダー内に残ってしまった鍵の先端を取っていくわけですが、素人さんが自己流でやってしまうと、分解したピンはおろか鍵本体をすべて元通りにドアへ設置することすら出来なくなるので絶対にやめてください※
鍵抜きをした後は、スペアキーでスムーズに錠の開閉ができるかを確認し作業は終了です。ここでの事務所鍵はかなり劣化していました。劣化しているシリンダーのまま使用をし続ければ、結局のところまた鍵折れや鍵修理が必要なトラブルが起こるかもしれません。
こうした注意点から鍵交換の重要性をお伝えさせていただきました。
念のため、劣化していたシリンダー内に潤滑剤をさしておきましたが、古いシリンダーと金属鍵が摩擦しあえば時間の問題です。長期間使用している鍵、設置してある鍵をお持ちの方は、鍵が壊れてしまう前に交換を視野にいれましょう。
(福岡支社 茂見)