今日ブログにあげる現場は、横浜市緑区は鴨居です!鴨居駅から10分程離れた戸建て住宅からの鍵作成だったんだけど…いや~かなり試行錯誤した現場でした!
というのも、当初のお客さんの希望が〝使っている鍵と同じものを新しく設置してほしい〟との内容で、現場に到着後に玄関鍵を確認してみると…
設置されていた鍵がアルファのACY-33。このACY-33は通常であれば問屋から取り寄せ後に交換となる鍵でして…お客さんに「取り寄せの製品となるので、交換は取り寄せ後に再作業になってしまいますが大丈夫でしょうか?」と聞いたところ、
『今日中に!!』と。
今日中に交換したい←この希望を叶えるためには、この玄関扉に適した鍵の中から選択していただかなくてはいけません。もちろん、設置してあるACY-33は取り寄せ製品のため、別の鍵種類・メーカーから選んでいただく形になります。
ただ…
『新規の鍵取り付け、交換は予算オーバーだから無理!!』 と。
どうしてもこの鍵と同じもので今日中に、というのがご希望の様子…
解決策がどんどんと絞られていき、私も〝どうしようかな~…〟と考えながら行きついた結果…
アルファのシリンダーで流用できるものがあるのではないか?!!とひらめきました。
必死で作業車の中からアルファのシリンダーで適合しそうなものを探しました(笑) まず探しだしたのがC721の外部テール。このテールのカシメを外してみると、C721の内筒にはテールがない……お客さんの玄関鍵であるACY-33は内筒テールが飛び出ている形状ですから、このままでは流用することは不可能です…
〝せめてピンだけでも移植できないか〟
〝ピンが移植できればC721でも純正キーが使えるのでは〟
と今までかつてない試みが始まります!
まず内筒ピンの移植作業を開始してみることに…↓
上の写真はC721のピン全てをお客さんのACY-33に移植している途中のもの。
移植作業開始から20分くらい経過し、完全に移植が完了したところで玄関扉の鍵穴へ差し込んでみると……
差し込みまではスムーズにいきました。残すは鍵が無事に回ることを祈るのみ…
…
…
…
はい、回りました!!!
凄いです、よく頑張った、我ながら自分を褒め称えたい…
お客さんの希望である〝ACY-33のまま〟シリンダー内のピン構造のみを変えることに成功です。今回のC721からACY-33への移植術、正直私も初の試みです。念の為、施錠状態を確認するために、鍵の抜き差しから開け閉めを何度も行わせていただきましたが、問題なし!
不安そうな様子だったお客さんも、『良かったです…今日中には無理なのかな~なんて思ってたので本当に良かった!』と安心していました。
一番安心したのは私ですが…(笑)
こんなに緻密な作業に施行錯誤したのは、鍵屋になりたての頃以来でしょう。
東京本社 吉永